【本の紹介】図解自分の気持ちをきちんと〈伝える〉技術

書名:図解自分の気持ちをきちんと〈伝える〉技術
       -人間関係がラクになる自己カウンセリングのすすめ
著者名:平木典子
出版社:PHP研究所
出版年:2007.6
請求記号:361.454/Hir

皆さんは子どもの頃、自分の気持ちをありのままに表現していませんでしたか。それが成長するにつれて、他人の事を気にしたり、人に合わせたりして、挙句の果てには自身の望みにさえ気が付かなくなってしまう、なんてことがあるかもしれません。このように、本当の気持ちを見つけられない方や、思いはあるけれど、どのように人に伝えたらよいのかわからない方にお勧めしたいのが本書です。

この本のテーマは「アサーション」。「アサーション」ってよく耳にする言葉ですね。これは、お互いを尊重しながら、素直な自己表現を目指すコミュニケーション技法の1つで、マイノリティの人権回復の為の「自己主張トレーニング」としてアメリカで誕生し、日本には著者によって1980年代に紹介されました。

自己表現には、3つの段階があります。第1段階では「自分の思いや気持ちをありのまま受けとめ」、第2段階で「その思いを自分の知っている表現方法でどう伝えるかを工夫し、表現」し、第3段階で「その影響や効果を考えて、表現を変えたり、相手をフォローしたりする用意」をします。この3つの段階を詳しく説明しているのが本書です。

見開き2ページで1つの内容が完結していてポイントが掴みやすいですし、イラストが多いので楽しく読めます。更に自己表現タイプを手軽にチェックできます。

「対人スキルも、ゴルフやピアノと同じように、学習し、繰り返し実行するという訓練をしてはじめて、身につく」と平木氏は述べています。少しずつでも、自分のことをきちんと伝え、相手の想いに耳を傾けて、より深い信頼関係を結べるようになりたいものです。(N.S)