<花便り>
平成28年2月6日
57芙蓉──撮影日 平成27年7月29日 於昭和の泉
学名 Hibiscus mutabilis (アオイ科フヨウ属)
7月から10月初旬が開花期。中国原産。気品のある五弁花。日本では関東以南で栽培。朝咲いて夕方萎む一日花。白花や八重咲きの栽培種がある。1㍍強~三㍍の落葉灌木。樹皮は製紙に用いる。酔芙蓉は、白からうす紅の花に変色する八重咲きの変種。水芙蓉は、蓮のこと。
1「あきつばのうす紅の花の色に夕日の影を重ねてぞ見る」(加納諸平)
2「花芙蓉女湯あがりて立てりけりそ」(素堂)
3「枝ぶりの日ごとにかはる芙蓉かな」(芭蕉)
4「霧晴れて白き芙蓉の雫かな」(筏井竹の門)
5「日を帯びて芙蓉の花のすわりけり」(蕪村)
6「水櫛に髪しなやかや花芙蓉」(中村汀女)
7「白芙蓉暁けの明星らんらんと」(川端芽舎)
8「秋房初結白芙蓉」(和漢朗詠集137)
58椿──撮影日 平成28年1月23日 於大学1号館前・大学正門前歩道
学名 Camellia japonica var.hortensis (ツバキ科)
ヤブツバキから鑑賞用に多くの種類が創作された。 常緑低木~高木。2~4月が開花期。光沢あるだ円形の葉の枝先に大輪の5弁花が1つ咲く。一重、八重、半八重の花がある。上代から日本に自生する。種から椿油が取れる。髪油用、食用。
1「巨勢山のつらつら椿つらつらに見つつしのはなこせの春野を」
(『万葉集』・巻一・54・坂門人足)
2「たまつばきみどりのいろも見えぬまでこせの冬野は雪ふりにけり」
(『新勅撰和歌集』・冬・416・刑部卿範兼)
3「君が代は白玉椿八千代とも何か祈らん限りなければ」
(『後拾遺和歌集』・賀・453、式部大輔資業)
4「みの山の白玉椿いつよりかとよのあかりにあひはじめけん」
(『新拾遺和歌集・冬・623・従二位行家)
5「いろかへぬしらたまつばきおいにけりいくよのしものおきかさねけむ」
(秋篠月清集・十題百首・250・藤原良経)
6「八ちとせの秋をよはひの玉椿ちぎりかおきし霜の白菊」
(雪玉集』・秋・1429・三條西実隆)
(SI)