箸が転んでもおかしい年頃

<日文便り>

「箸が転んでもおかしい年頃」という言葉がある。
大辞林第3版によれば、「なんでもないこともおかしがって笑う年頃。女性の十代後半をいう。」という意味らしい。
「女性の十代後半」というと高校生から大学1・2年生という時期だろう。
特に大学で働いていると、まさに大学1・2年生は「箸が転んでもおかしい年頃」だと、実感することが多々ある。

よく教授室にこもり作業をしていると、ケラケラと学生の笑い声が聞こえる。
しかも、声をかけたくなるくらいの大爆笑をしている。
何があんなに可笑しいのだろうと思うのだが、もちろん、その原因を知る由もなく、笑い声は教授室を通過する。

確かに、自分の女子大生時代を思い返せば、毎日何かしらでケラケラと友達と笑いあっていた気がする。
たまに本当にくだらないことを真剣にやってみたり。

でも、大学時代の友人との他愛もない話や、くだらない話は今となっては、大切な思い出話に変わっている。
「あー、あんなことあったよね。なにがあんなに面白かったんだろうね。」と言いつつ、数年後、そんな思い出話に、また笑わせられている自分がいるのも事実である。

最近は、「お箸が転んでも大爆笑」という訳にもいかなくなったが、
十代後半の女性のキラキラしたあの時期を、適確に表現した「箸が転んでもおかしい年頃」という言葉が思いついた人は、なんてユーモアにあふれている人なのだろうと思う。

学生のみなさん、どうかこの限られた「箸が転んでもおかしい年頃」をおおいに楽しんでください。

 

(YD)