<授業風景>
「文字から入る古典」は、くずし字について学び、
くずし字で古典作品を読み進める授業です。
古典作品を読むとき、まずは活字化された注釈書を利用する
という人が多いと思いますが、その注釈書のもととなった本は現代では
使用されない文字や書体(くずし字)で書かれています。
戦前の文豪の手紙なども、くずし字で書かれている場合があります。
日文の学生にとって、くずし字は必須のアイテムと言えるでしょう。
古典の研究を志す学生は勿論、博物館の展示物を解説に頼らず
読んでみたいという学生、好きな文豪の手紙を読んでみたいという
学生たちがこの授業を受講しています。
今日は『枕草子』を読みました。正しく読めたかな??
高校の教科書などで見かける『枕草子』とは少し本文が違うことに
気づきましたか?
この授業で読んだ『枕草子』は堺本系統の本で、教科書や現代の多くの注釈書で
用いられている本(三巻本系統)とは少し異なる本文や特徴を持っています。
授業では、ただくずし字を読むだけでなく、有名な古典作品の諸本の解説なども
行っています。
授業を通して、古典作品がどのようにして現代まで伝わってきたのか、
その奇跡の道のりに思いを馳せてもらいたいと思っています。
(TG)