活躍する卒業生―あっと驚く卵のお話

〈日文便り〉

夏目漱石「三四郎」の中に、広田先生が「物理学者は自然派じゃ駄目の様だね」
と言う場面があります。
少々意訳すると、眼だけ明けて自然を観察しているだけでは、物理の現象は見えてこない、
想像をめぐらして、装置を工夫して見える様にするから、浪漫派だ、というのです。

日文の卒業生に、恐竜の化石を追い続けて、〈浪漫派〉の一人として活躍している方がいます。
平成元年度卒業の長尾衣里子さんです。
このたび3冊目の著書『恐竜の卵の里をたずねて 世界の恐竜たちの生命(いのち)のカプセル』を
上梓なさいました。

ご本人に一言頂きましたので、ご紹介します。その〈浪漫派〉ぶりを味わってみてください。

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みなさん、恐竜の卵を見たことはありますか?
一部、タマゴアレルギーの方を除いては、食べたこともあるはず……。
鳥は恐竜の生き残りだから、ニワトリの卵もりっぱな恐竜の卵なのです!

今年3月に出版した『恐竜の卵の里をたずねて 世界の恐竜たちの生命(いのち)のカプセル』という本の表紙。

この写真は、中国の河南省南陽で撮った、全長8メートルのギガントラプトルのような
恐竜が生んだ卵の巣と考えられています。
この細長い卵は、長さ40センチを超える世界最大級の卵化石です。
筑波大学の田中康平先生の計算によれば、この「超巨大なオヴィラプトロサウルス類の
卵の重さは推定6.9キロ、ニワトリの卵110個分」だそうです。
みなさんが毎朝毎朝、一個ずつ鶏卵を食べても、
110日間かかってしまうくらいのスケールに匹敵します。
そんな壮大な世界の恐竜たちの卵化石取材記を、ぜひ、読んでみませんか?
中国に始まってアルゼンチン・兵庫県丹波・フランスへの旅に誘(いざな)います。

写真満載のオールカラー/A5判80P/長尾衣里子著/定価:1000円+税/
誠文堂新光社(販売部:03-5800-5780)や、最寄りの書店でもお求めいただけますが、
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(平成元年日文卒・長尾衣里子)
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(FE)