留学生向け日本語クラスの紹介 [2019年12月04日(水)]

<日文便り>

こんにちは。日文の植松です。
今日は私が担当する留学生を対象とした日本語科目を紹介したいと思います。

私が担当しているのは、【話す】スキルの養成が中心の科目です。
今期は受講生のニーズに基づき、授業計画の中の「ストーリーを話す」を拡大する形で、韓国でベストセラーとなり日本語訳も刊行されたチェ・ナムジュ著、斎藤真理子訳の『82年生まれ、キム・ジヨン』(筑摩書房)を読んでいます。この授業では、内容言語統合型学習(CLIL:Content and Language Integrated Learning)という方法を取り入れ、内容重視のコミュニケーションを大事にすると同時に形式の側面もフォローして正確さにも配慮し、総合的に日本語力を伸ばしていきます。この方法を取り入れるのは今期が初めてなのですが、日本語力を鍛えるだけでなく、異なる立場を認め合い異文化交流を促進することにもつながることを実感しています。準備は大変ですが、毎回の授業が楽しみです。

さて、実際の授業ですが、本文を読み進めていく傍らで、関連する生のデータにふれるようにしています。先日は筑摩書房のHPで公開されている「100人の声」(様々な年代・性別の方による感想)を取り上げ、KJ法で話し合いを進めました。「100人の声」を大きく4つの年代に区切り、学生を4グループに分け、印象的だった部分をふせんに書き出してシェアしていきます。活動の中では、こちらが予期せぬ “問い” に出会うこともあります。その “問い” を大切に温め、自分の中で咀嚼し、誰かと共有する。その過程において、異なる価値観に出会うこともしばしばあります。同じ感想を抱いたとしても、そう感じた理由は異なるということもあります。どの学生も自分が「言いたい」「伝えたい」気持ちを言葉にしようとするため、なかなか予定どおりに授業が進みません(笑)。嬉しい悩みです。

今後は読み進めていく中で出会った “問い” やキーワードをもとにチームで発表資料を作成し、プレゼンテーションを実施する予定です。この小説を読むことを一つの契機として、個人の視点に立って広く言語と文化について、そして自分自身についてみつめてもらえればと思っています。

(UE)