インスタグラムで始まった「日文生ブックリレー」をブログでも掲載しています。
今回で第27回目です。
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今回も3年のお2人です👩
①NAさん🐯🐟
私が今回紹介する本は、田辺聖子著『ジョゼと虎と魚たち』です。【あらすじ】
足が悪いジョゼは車椅子がないと動けない。世間から身を隠すように暮らし、
ほとんど外出したことのない、市松人形のようなジョゼと、
管理人として同棲中の、大学をでたばかりの恒夫。
どこかあやうくて、不思議にエロティックな男女の関係を描く表題作
「ジョゼと虎と魚たち」をはじめ、仕事をもったオトナの女性たちを主人公に、
さまざまな愛と別れを描いて、素敵に胸おどる短編集9篇を収録した珠玉の作品集。
（裏表紙より引用）この本の表題作「ジョゼと虎と魚たち」は、2003年に実写映画化、2020年12月にはアニメ映画化もされています。
アニメ映画の方は、日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞にもノミネートされるなど
大ヒットとなりました。
劇場に見に行かれたも多いのではないでしょうか。
足の不自由で祖母に外に出してもらえない主人公、ジョゼと彼女が坂道で転げそうになった所を助けたことから
接点ができた男子大学生の恒夫が、
衝突を繰り返しながらも仲を深めて行く様子が印象的な映画ですが、
原作に収録されている内容は少し、雰囲気が異なります。
恒夫から見た足が不自由なジョゼの生々しい描き方、ジョゼと恒夫の名前の付け難い関係、
全体的にキラキラしていた純愛アニメの印象を持っている方は、原作との雰囲気の違いに少し驚くかもしれません。
また、この本は表題作以外にも、8つの短編が収録されています。
どれも、オトナの恋愛を描いた短い話なのですが、ハッピーエンドとは一概にいえない話が詰まっています。
夫がいるのに他の男性を好きになってしまう女性や奥さんがいる男性と関係をもってしまう女性、、
言ってしまえば不倫や浮気等普通、読んでいてあまり気持ちの良くない題材ですが、
田辺聖子の繊細で丁寧な表現によって不思議と見入ってしまいます。
正直、「主人公達にとても感情移入できる話！」
とは言い難いのですが（笑）現実世界の恋愛は少女漫画のようにキラキラしているものばかりではない
ということを教えてくれるどこか現実味のある話です。
万人受けする！とは言い難いですが、幸せとは何か、恋とは愛とは何か、
とても考えさせられるお話がこの本には詰まっています。
ハッピーエンドだけの恋愛小説は飽きた！趣向の違ったものを読みたい！
そんな方には是非この本をお勧めします。
また、実写映画やアニメを見たけれど、原作はまだ見ていない方も短編集でとても読みやすいので、
一度是非、手にとってみてください！
次はコアラ
②ROさん🐨
こんにちは！最近コアラにハマっているROです。
特に東山動植物園にいる｢ティリー｣と平川動物公園にいる｢インディコ｣というコアラが大好きです！
とても可愛らしいのでぜひ検索してみてください
今回私が紹介する本は、彩瀬まる著『朝が来るまでそばにいる』です。
【あらすじ】
火葬したはずの妻が家にいた。｢体がなくなったって、私はあなたの奥さんだから｣。
生前と同じように振る舞う彼女との、本当の別れが来る前に、
俺は果たせなかった新婚旅行に向かった(｢ゆびのいと｣)。
屋上から落ちたのに、なぜ私は消えなかったのだろう。
早く消えたい。女子トイレに潜む、あの子みたいになる前に(｢かいぶつの名前｣)。
生も死も、夢も現も飛び越えて、心を救う物語。
(裏表紙より引用)
この作品は全6編の短編集なのですが、中でも私が好きなお話は3話目の｢眼が開くとき｣です。
このお話は、昔から好きなものを｢頭からばりばり食べ｣てしまい、
自分も他の生き物に食べられるという夢をよく見るカメラマンの｢瑠璃｣が、
撮影の依頼を受けた芸能事務所で小学生の時に想いを寄せていた男の子｢暁｣と再会し、
｢若手モデルと若手写真家のペア｣として売れていくなかで
自分の心の動きを見つめ続けていくというお話です。
最後の、瑠璃の言葉への暁の返答からは、悲しさ、寂しさ、愛おしさなど沢山の気持ちが伝わってきて、色々な感情で胸がときめきます。
この本は他にも｢世の中にはこのようなかたちの愛があるのだな｣と気付かされるお話ばかりで、
読了後はじんわりとしたあたたかい気持ちになれると思います。
寂しさを感じた時や心を休ませたい時などにぜひ読んでみてください！
次は最近麻雀にハマっているSIさんです
(CC)