ブックリレー第28回

インスタグラムで始まった「日文生ブックリレー」をブログでも掲載しています。
今回で第28回目です。

日文のインスタグラムは以下の通りです。日ごろのイベントなどをアップしています!
是非覗いてみてください。
日文アカウント:@swu_nichibun_official

本を通じて日文生同士はもちろん、受験生の方とも繋がっていければ嬉しいです。
今回も3年のお2人です👩

①SIさん🐛

こんにちは、最近麻雀にハマっているSIです。
一向に役が覚えられなくて苦戦していますが、楽しくてついつい暇さえあればやってしまいます(笑)
今回、私が紹介する本は、三秋縋『恋する寄生虫』です。
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何から何までまともではなくて、しかし、紛れもなくそれは恋だった。
「ねえ、高坂さんは、こんな風に考えたことはない?
自分はこのまま、誰と愛し合うこともなく死んでいくんじゃないか。
自分が死んだとき、涙を流してくれる人間は一人もいないんじゃないか」
失業中の青年・高坂賢吾と不登校の少女・佐薙ひじり
二人は、社会復帰に向けてリハビリを共に行う中で惹かれ合い、やがて恋に落ちる。
しかし、幸福な日々はそう長くは続かなかった。彼らは知らずにいた。
二人の恋が、〈虫〉によってもたらされた「操り人形の恋」に過ぎないことを———。
(裏表紙あらすじより引用)
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『三日間の幸福』や『君の話』など三秋縋さんの作品は男女の恋愛模様を独特な世界観で描いている作家さんです。
本作の『恋する寄生虫』は恋愛と寄生虫がテーマとなっており、SFにも近い斬新な作品になっています。
寄生虫は人間の頭の中にも多数存在していることを知っていましたか?
しかもその中には寄生虫自身が生きていくために都合よく宿主である人間の意識を操っているのだとか・・・。
何だか現実離れした話ですよね。
もし自分の頭の中に寄生虫がいたら、これまで自分が感じた幸福や自分が下した決断が本当に自分だけのものなのか、
自分らしさとは何なのか考えさせられますね。物語には「フタゴムシ」や「アニサキス」など様々な寄生虫が登場し、その生体について語られています。
寄生虫と聞くと、気持ち悪い印象がありますが、「宿主をコントロールする」という寄生虫の話は特に興味深い内容です。冒頭から登場する様々な伏線が、終盤にかけて綺麗に回収されていくのも魅力です。
また、物語の結末の捉え方は人によって変わってくると思います。
読んだことがある人も、これらか読む人も結末を考えながら再読してみて下さい。今、小松菜奈さんと林遣都さん主演で映画化
もされているので、読書が苦手な人はぜひ映画の方もご覧下さい!

次は、GREEN DAYとRainbowの曲を聞くことにハマっているMKさん、お願いします!⁡

②MKさん🎸

こんにちは。
最近Green DayとRainbowの曲を聴くことにハマっているMKです。
Green Dayはパンクロックバンドで、Rainbowはハードロックバンドです!
オススメの曲はGreen Dayより「Boulevard Of Broken Dreams」、Rainbowより「Catch The Rainbow」です。
どちらもYouTubeなどで聴けるのでぜひ聞いてみてください🎶
さて、今回紹介するのは、米澤穂信『追想五断章』です。
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【あらすじ】
大学を休学中の菅生芳光は、伯父の古本屋で居候をしている。
基本的な業務しかこなさない彼に、ある日奇妙な依頼が舞い込んでくる。
曰く、「死んだ父親の書いた五つの短編小説を探して欲しい」とのことであった。
芳光は依頼人の出した金額に惹かれ、依頼を受ける。
しかしそれは、ただの本探しには留まらず、依頼人の父親が生前引き起こしたある事件の真相を紐解くこととなる。
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作中でも説明がありますが、この五つの短編小説は結末のない「リドルストーリー」というものでした。
芥川龍之介の『藪の中』がそれに代表されるでしょう。
結末をはっきり書くのではなく、読者にその結末を想像させるという手法をとるもののことです。
「結末がない」ということがどれほど作品の雰囲気を変えてしまうのかを実感できます。
芳光が探すのは人ではなく本ですが、
小さな手がかりを切っ掛けに物事をたどっていく様はまさに探偵小説のようで、とてもワクワクさせられます。
ぜひ読んでみてください!次は最近寒いので布団が定位置になっているYNさん、お願いします✨

(CC)