卒業論文てどんなことを書いているの?

<日文便り>
卒業論文提出まで、残り約1か月半になりました。
私のゼミの今年の学生が、どのような卒論を書いているのか紹介します。
日本語学のゼミで、現代の日本語について研究している学生です。

★スポーツ実況で、選手がミスしたときにどのように解説が行われるかを競技ごとに分析
★「ちゃった」は、一般には事態が良くないことを示す一方で、「宝くじが当たっちゃった!」のように使われるのは、なぜか。
★歴代のタカラジェンヌの芸名にどのような特徴があるか
★「高くない」と「安い」など、否定と肯定がどのように使い分けられているか
★画像生成AIが画像をどのように生成するか、語彙体系から考える
★ケーキのネーミングと説明文が、店の形態やケーキの種類でどう異なるか
★独話にはどのような特徴があるのかを対話との比較から考える
★敬語の誤用をテーマに日常の言語運用について考える
★笑いはどのようなときに起き、何をおもしろいと思うのかを表現から考える
★キャッチコピーの特徴を音象徴や構成から考える
★漫画「ONEPEACE」の登場人物の役割語の特徴と漫画での表現特性
★「とか」が単独で使用されるときの表現の特徴

どうです? 日本語学の研究は、とても身近な素材を扱っていることが分かると思います。たくさんのデータを自分で集め、それを整理・分析して考察を加え、ゼミで他の人の意見をもらいながら説得力のある卒業論文にするわけです。
このような過程を経て、さまざまなことを客観的に捉え、表現する力を身に着ける(はず)。
なにもないところから始めて、最終的には、みんな2万字以上の卒業論文にしあげ、達成感を味わう(はず)。

4年のみんな、1か月半後、(はず)がとれていることを、センセーは祈るばかりです。

(嶺田明美)