<受験生の方へ>
能登半島地震や羽田空港の事故など、新年を迎えたものの、落ち着かない日々が続いています。被害に遭われた方に謹んでお悔みお見舞い申し上げます。
このような状況ではありますが、受験生のみなさんは、どうぞ体調を整え試験に臨んでください。
今日は私の専門の日本語教育について少し書きたいと思います。みなさんの同級生に外国出身の方はいますか。外国出身の高校生の中には、日本語の力が十分についていない中で進路選びをしなければならない人がいます。今、日本のさまざまな地域で、高校、教育委員会、NPO(非営利組織)が協力して支援をしていますが、その数は不足しています。
小中学校を含む公立学校全体の日本語指導が必要な子どもの数は年々増加し続けています。国境を越えて「移動するこどもたち」はこれからも増えていくことでしょう。高校では、23年度から日本語学習を卒業単位に3割程度まで認定できることになりました。しかし、これはまだ一歩にすぎません。支援や環境づくりはこれからますます必要となります。
日本語の力は人それぞれですが、進路選択やキャリア形成に不利にならないよう、学校での支援もとても大事です。もし近くに日本語で困っている人がいたら、優しく話しかけてみてください。何らかの事情であなた自身が外国に住んだことを想像してみてください。
日本語能力だけで人が判断されないためにも、日本語母語話者(日本人)一人ひとりの理解が重要だと考えています。
来年度から日本語教師は国家資格になります。これは長年日本語教育に携わってきた者からみれば画期的なことです。日本語教育の発展が社会支援につながると考えていますが、国家資格をどういかしていくかが今後、社会全体で問われていくことになります。
国籍を問わず、みなさんそれぞれの受験がうまくいくことを心より願っています。
(近藤彩)