〈日文便り〉
5月27日(月)の日本語教育Ⅰ(日本語文法論)の授業で、外国籍児童が多く在籍する公立の小学校教員でいらっしゃる佐々木先生をゲストスピーカーとしてお迎えしました。
佐々木先生は本学の初等教育学科の卒業生です。
在学中から熱心に日本語教育の授業を履修して日本語教育課程修了証(※注1)を取得し、
卒業後は板橋区内の公立小学校で教員として働いていらっしゃいます。
卒業後も秋桜祭(※注2)の時に毎年のように研究室を訪ねてくださり、小学校現場での外国籍児童を
とりまく現状についてのお話を聞かせてくださいました。
この話は、学生も聞くべきだ。教員という道を選ぶ学生でなくても、現在日本社会で起こっている現状を知る必要がある。それを通して日本社会への、日本語教育への興味関心を深めてほしい。……とずっと願っていたので、このたびようやく実現の運びとなり、ワクワクしながら当日を迎えました。(運動会の振り替え休日という貴重なお休みの日にお時間をいただき、本当に感謝しております…!!)
当日は質疑の時間も20分たっぷりと取ることができたのですが、学生からの質問が止むことなく、大変活発な質疑応答が行われました(中には2回挙手した学生もいましたね!)。学科・学年を問わず、多くの学生が高い関心を持って受講したことがうかがえます。
学生からの感想を一部紹介します。
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今回、実際の現場での日本語教育について知ることができ、大変有意義な時間を過ごすことができました。(中略)日本人の児童が異文化について素朴な疑問を持ち、直接、該当児童に言ってしまい、トラブルにもなることがあったとおっしゃっていましたが、先生方が向き合って説明をすることで、幼い頃から多文化共生社会に適応し、尊重できる力を早くから身につけられると思いました。それらは今後、さらにグローバル化していく社会にとって必要なことであると思います。日本語教育と一括りにしても、文化や考え方などを理解し、学校という場において、日本人生徒にも説明し、教えることも日本語非母語話者が学習しやすい環境づくりにもつながるのだと思いました。
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留学生や外国籍の方に対する支援に興味があるので、今日のお話しはとても興味深く貴重なものでした。
個人的に児童へのサポートが主であると思っていたので、保護者へのサポートもしっかりとされているという事が印象的でした。(中略)(補足:ラマダン時における給食の時間の過ごし方の話に関連して)日本人にとって馴染みのない文化だからこそ、単に「日が昇っている間飲食をしない」という一概の認識ではなく、その文化が各家庭、対象ではどのような対応が取られているのか認識を持っているのかを十分に確認することが重要だと学びました。今後、海外にルーツを持つ人と関わるときにはその国の人だから、文化をもっているからと一概にせずに、そういう文化があるけれどもこの人はどうなのだろうかと個人単位で考え、接していきたいと思います。
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佐々木先生、本日は貴重なお話をお聞かせくださり、本当にありがとうございました。
(植松容子)
※注1:本学の日本語教育課程は日文が開設していますが、他学科の学生も履修できます。
履修のルールに沿って26単位以上を履修することで、「日本語教育課程修了証」が発行されます。
※注2:秋桜祭は本学で毎年11月に開催される大学祭のこと。ホームカミングで卒業生も多く遊びに来ます。今年の秋桜祭は11月9日(土)、10日(日)に開催されます。
大学の雰囲気や学生の活動がよく分かるので、受験生の方も是非お気軽にお越しください!