TUJの日本語の授業にゼミで参加

〈日文便り〉

私のゼミでは、日本語教育の中でも会話のやり取りに見られる特徴について、実際の会話データを分析しながら学んでいます。
会話データ分析は、収録した会話を文字化して客観的に分析することにより、普段はすぐに消えてしまう会話にも色々な特徴があることを明らかにすることができます。
その特徴をふまえて日常生活の会話を見直し、次に活かしていくことも可能です。

実際、ゼミの学生が、隣のテンプル大学ジャパンキャンパス(TUJ)のビジターセッションに参加し、TUJの学生さんと交流をするという経験も、客観的に見直すことにつながりました。
ビジターセッションでは、最初に、TUJの学生さんから、なぜ日本に留学してきたのかを話してもらいました。

 

ゼミ生からは、TUJの学生さんの話す内容はもちろん理解できたものの、あまり会話が盛り上がらないこともあったという少々残念な感想も出てしまいました。
そこで、教科書(中井・大場・寅丸2022)の第8章「留学の体験談の分析」で、体験談を語ることに求められる要素を確認し、ビジターセッションでは何が不足していたのかを話し合いました。
この点は、TUJの日本語の先生にもお伝えし、次は満足のいくビジターセッションにしたいと考えています。
このように会話を見直すことは、ビジターセッションだけでなく、今後の交流活動や就職活動、地域での話し合いなどにも応用ができると考えられます。
このように、会話データ分析の手法を学ぶことで自らの会話を、冷静に、客観的に見直し、次につなげる能力を養っていってもらいたいと思っています。

参考文献
中井陽子・大場美和子・寅丸真澄(2022)『身近な会話を分析してみる』ナカニシヤ出版

(大場美和子)