〈日文便り〉
こんにちは、日文の山田夏樹です。
現在4年のゼミ生は、年明けの卒業論文提出に向けて、懸命に執筆しているさなかです。
論じるテーマは様々ですが、扱われる作家名、作品名を列挙すると、以下になります。
芥川龍之介「鼻」「羅生門」
太宰治「パンドラの匣」
三島由紀夫「金閣寺」
安部公房「(霊媒の話より)第未定」「デンドロカカリヤ」「水中都市」「R62号の発明」「パニック」「鉛の卵」
大江健三郎「飼育」「個人的な体験」
吉本ばなな「キッチン」「TUGUMI」「ミトンとふびん」
辻村深月「凍りのくじら」「ぼくのメジャースプーン」「名前探しの放課後」
長谷川町子「サザエさん」
水木しげる「ゲゲゲの鬼太郎」
藤子・F・不二雄「モジャ公」
林明子「こんとあき」
A.A.ミルン「くまのプーさん」
ディック・ブルーナ「うさこちゃん」シリーズ
時代もジャンルも文体も内容もバラバラで、まったく統一感がなく、それぞれが好きなことを、それぞれ好き勝手に論じている! という状況です。
でもそれがとても楽しいのです!
卒論執筆のための「演習Ⅲ」という授業では、中間発表の形で各自の興味関心が毎回示され、その都度それぞれの反応が質問、意見などの形で示されます。それは、非常に刺激的な場となっています。
周囲から示されるコメントは、執筆者によるものではないので、書いている本人からすると「そういうことじゃないんだよな…」と思うこともあるかもしれません。
でも、「私が書いているこの論文は、外からはそう見えるのか…」と認識することは、とても大事だと思います。
結果的にそれらのアドバイスを取り入れるかどうかとはまた別に、周囲からの反応に耳を傾けること自体には、客観的に自らの論を見つめ直すためにも、大きな意味があると思います。
このようなことを繰り返しながら、徐々にそれぞれの論が固まっていき、論として完成に向っていきます。
ぜひ、手応えが感じられ、達成感の得られる良い論文として、提出されることを願っています。
(山田夏樹)