本を買うと、文庫本でも単行本(ハードカバー)でも、帯がついています。
例えば、いま私の手元にある本、原田マハ『風神雷神 Juppiter,Aeolus』上(PHP文芸文庫、2022・12・6)には、
縦横無尽な想像力に操られた/マハさんの筆致に/すっかり魂を持って行かれた。/カラヴァッジョと宗達を/繫げてしまう発想には脱帽です。
漫画家・文筆家・画家 ヤマザキマリさん推薦!
とあります。なるほど、なるほど。
この帯、本を買うときのヒントになりますが、読むとき、読み終わったあと、どうしていますか。
引っかかって破れたりしますし、ちょっと邪魔に思って捨ててしまっていませんか。
でもでも……。帯はいろいろな情報が得られる宝物です。例えば、こんなふうに。
①今ならインターネットで簡単に〈越え/超え〉られる。そうではない時代だからこそ、「奇跡」になるのかな。
②現代は「想像力」「発想」に価値を求めているゆえのコメントだろうか。
③「テルマエ・ロマエ」の作者ヤマザキマリさんが「発想に脱帽」とは、説得力があるな。
これ、リアルタイムで手に取っているから、ありがたみが薄いのかもしれません。
もし50年後、100年後に目にしたら、この本がどんな時代に、どんな価値を期待されて世に送り出されたかのヒントになると思いませんか。
私は戦後から平成のはじめにかけて活躍した作家、遠藤周作を研究していますが、展覧会で遠藤の本が展示されているときは、必ず帯の文章を筆記してきます。出版社(売り手)の時代を踏まえた思惑を帯で知り、それと作家遠藤の描いたことの比較をすることも大切な研究の観点だからです。
ところで、ChatGPTに「本の帯は何の役に立ちますか」と尋ねてみました。いわく、
1. 購買意欲を高める(広告の役割)*以下、項目だけ
2. 本の内容を一瞬で伝える
3. 信頼性・話題性を付加する
4. 書店での視認性を上げる
5. 販促情報を後から追加できる
6. コレクション・文化的価値
まとめると、👉 帯は「本の短期的な魅力を最大化するための広告兼案内板」
「研究の資料として使う」はありませんでした。
そうです。大学の研究は、ChatGPTも把握していないこともするのです!
受験生の皆さん、共通テストも済み、いよいよ受験本番となりますね。
体調をととのえて、十分に力を発揮できますように。
……本の帯を眺めながら、皆さんのご入学を心よりお待ちしています。
(笛木美佳)