授業風景

日向の高千穂に思いを馳せて [2020年07月14日(火)]

〈授業風景〉

今年は日本書紀編纂1300年にあたります。
古事記学会は神話のゆかりの地宮崎県で大会を開催する予定でした。
新型コロナウイルス禍により、どの学会も活動が大きく制限され、
記念の学会もやむを得ず延期となりました。

前期は授業がオンラインで実施され、受講している学生さんたちに共有資料を提示しながら、
講義の内容が伝わっているのか不安に駆られつつ、神話に興味をもってくれるとよいなあと
思いながら国生みから日向神話まで読み進めています。

学会出張の折に、今年こそ天孫降臨の舞台、高千穂に登ろうと楽しみにしていました。
2012年のゼミ旅行で宮崎・鹿児島県に出かけた折、
霧島連山の入場規制により登ることが出来なかったのです。
残念ながら今回も目的を果たすことは出来ませんでした。
2012年の写真を見ると、高千穂には少し雲がかかっています。

「天の八重のたな雲を押し分けて、いつのちわきちわきて、・・・
竺紫の日向の高千穂の久士布流多気に天降り坐しき。」と記されるのは、
古代人の神話的想像力のなせる記述かもしれません。けれども、神話の故地に立ち、
その風景の中に身を置くと神話の時空に誘われるような気がします。
  

地元では小学生が遠足に高千穂に登ると聞きました。
卒業したゼミ生の顔を思い浮かべながら、 コロナ禍が終息したら2時間半をかけて、
高千穂に登るぞと決意を新たにしました。 授業で神話を講ずる旅はまだしばらく続きます。

(KR)

授業風景「中古文学ゼミ」源氏絵貼交屏風 [2020年03月11日(水)]

〈授業風景〉

令和最初の年末に、図書館で大型古典作品として購入された六曲一双の「源氏絵貼交屏風」を観覧し、王朝の雅な世界に魅せられました。屏風には豪華な金地に小型源氏絵(約15×13cm)四枚と五枚を交互に配して、六曲一双で、ちょうど『源氏物語』五十四帖から各一図、金銀泥彩色画面の源氏絵五十四枚が貼られています。
このような小画面源氏絵屏風は多くの場合、物語の順序を追って貼り付けられるが、本図書館の屏風は、物語の順に配される場合とそうでない場合があります。例えば、右隻第一扇はまさに「桐壷」「帚木」「空蝉」「夕顔」と並べられていますが、第二扇も「若紫」「末摘花」「紅葉賀」「花宴」「葵」の順につづくはずですが、「若紫」と「紅葉賀」の間に「末摘花」の代りに、「玉鬘」衣配りの場面が挿入されています。また、第四扇には「匂兵部卿」「紅梅」「竹河」、いわゆる「匂宮」三帖が挟まれており、第五扇と第六扇には殆ど宇治十帖で占められているなど、興味深い場面配置を見せています。
五十四帖にも及ぶ長大な物語のなかから、画家がどの場面を選び、文字による情景描写がどのように視覚化されたのか、画面構成と人物描写はもちろん、屏風における場面配置の意図にも画家の様々な思いが込められているはずです。その思いを読み解くのが中古文学ゼミ最大の楽しみとなっています。
(S.H)

中古文学ゼミでは、各自源氏絵を一場面取り上げ、描かれているものを読み解く研究を行っています。まず場面に該当する原文を探し出して精読し、その上で源氏絵の解釈に移ります。源氏絵に描かれているものは本文で語られていることと全て一致するわけではありません。本文に描写があるのに絵に描かれていないもの、という問題がゼミ内で多数ありました。結論から言うと、絵師がわざと描かなかったという解釈に至ったのですが、なぜ描かなかったかを考える時間はとても充実していました。当時の人々にとっては場面を見ればわかることや、暗示させるもののみが描かれていたことに気付いた時、あらためて源氏物語の情趣と源氏絵の奥深さを実感しました。(T.I)

絵を通しての研究は、本文から研究していくよりもその場面においての重要な事柄が見えやすいところがあり、研究をしていて大変面白く感じました。また、同じ場面を描いた源氏絵と比べてみると、人物の配置が左右逆にするなど構図が違うものや、描かれている花の種類が異なったりするところからは、描き手の源氏物語に対する解釈の違いなどが読み取れるところも大変興味深く感じました。大学の図書館で、実際に私達の課題であった屏風絵も見ることができたのは、大変貴重な機会であったと共に、絵の貼り方、貼られている順番について考えることができ、より深い学びへと繋がりました。(H.N)

日文新春落語会~林家きく麿師匠をお迎えして~ [2020年02月05日(水)]

〈授業風景〉

日文の開講科目「日本語学入門A・B」の授業で
落語家の林家きく麿師匠をお迎えし、「日文新春落語会」が開催されました。

これまでに落語を聞いたことがあるという学生はたくさんいたものの
実際に寄席に出かけたことがあるという人はほとんどいません。

今回は、TUJの学生の参加もあり、「初天神」「時そば」の二席を共に楽しみました。

教室につくられた即席高座を目の前に
皆、きく麿師匠の語りに知らず知らずのうちに引き込まれていきました!

以下、参加した学生の感想です。

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*私たちの反応を見て素早く対応して話してくださったのがすごいと思いました。教室中が一体となって笑い、夢中になって聞いていた様子が印象に残っています。また機会があったら自分でチケットを取って行ってみたいです。

*間の取り方や、人物のキャラクター付け、そばのすすり方、、、以前聞いた「時そば」と大分違う点があり感心しました。様々な人の同じ演目を集めて違いを分析などしてみたら、師匠の教えなどがわかって楽しそうだと思いました。

*聞く人に笑ってもらう、すなわち面白く話をするということは私たちが想像している以上に難しいことだと知りました。何気なく聞いていて複数の登場人物が出てきても、違和感なく話の展開についていくのに多くの工夫がされているのだと感じました。落語はもちろん、他の古典芸能でも間は重要であり、間は日々の鍛錬や経験によって身につくものだということを感じました。これを機に古典芸能の奥深さに触れる機会を増やそうと思いました。

*「時そば」は昔何度も見たものだったのですが、久しぶりに見てオチがわかっていてもやっぱり面白いものだなと感じました。子ども心ながらに、なんで2人目の人はもっと遅い時間にしなかったんだろうと思ったりもしていましたが、そういう少し抜けた人間味のある登場人物や「初天神」の子どものようなちょっとずる賢い人がいるから面白いのかなと思いました。

*きく麿師匠は、自分が見えない語りがよい語りであり背景と同化するのがよいと話していましたが、私は一つ目の話はすぐに親子が、二つ目は蕎麦屋と男性が思い浮かんだので、きく麿さんの良い語りが見えてきけたので大満足でした。

*質問の時間に、きく麿師匠がおっしゃっていた「笑わせようとすると自分が出てきてしまう」というのが印象に残りました。私が大好きな漫才、コントにも当てはまる部分があると思い、深い世界だと思いました。

*世間話のようなお話が始まると、話の節々で笑いが起き、お笑いのような「笑わせてやろう」と身構える笑い話とは違い、リラックスして聞くことができました。世間話から物語に入っていく入りが流れるようで、噺家さんの影がすーっと薄くなっていくのを体感して不思議な気分になりました。

*「初天神」で、親よりも子供の声が高く、無邪気で、細かなところまで伝わってきてすごいと思いました。子供が飴玉を口の中で転がしている様子や、親が団子の密をなめている様子は本当に目の前に本物があるのではないかと錯覚してしまうほど、言葉の調子や体の一部を使用した表現が上手でした。

*一人でたくさんの役をこなすうえで、誰がしゃべっているのかを客にわかってもらうための様々な技巧が見えました。例えば幼い子が話してるときは指を組んでもじもじしながら舌足らずで話すなど、話している人は同じでも、話し方、体の動きを変えるだけで全く印象が違って見えることに驚きました。

*私は落語を難しいものだと思い込み、毛嫌いしていたのですが、ストーリーが面白く、つい真剣に聞いてしまいました。食べず嫌いのものが本当に単なる食べず嫌いだったときと同じ感覚です。落語について説明をしていたのに突然ストーリーが始まっている現象、切り替えの早さに驚き、聞いている側は油断できないと思いました。人を自分の話に吸い寄せる力が私にもあればいいのにと思ってしまいました。

*今回の落語はどちらも内容は江戸時代あたりの出来事を描いており、出てくる基本的な言葉や口調に時代がにじみ出ていたと同時に、明らかに現代の言葉でアレンジされている部分も存在していて面白いなと思いました。

*扇子一つが箸になったりおいしい水あめになったり、見ていて錯覚を起こしそうになりました。小さな子がお父さんに一生懸命おねだりをする姿が、落語家さんを通して浮かんできました。子が父に話しかけるとき、父が子に話しかけるとき、父が店主に話しかけるときで顔の方向が決まっていたり、扇子をところどころ活用したりと、じっくり見ると気づくことが多くありました。そばをすする咀嚼音は上手すぎて苦手なくらいでした。噺の後にうかがったように、弟子、師匠という関係を大事にしているこの芸能はすごく面白くて、これからも残されていくべきものであると強く感じました。

*落語家を目指してから一体何杯のそばを食べたのだろうか。落語を見終わった後、ただただそばをすする動作のリアリティに驚かされました。一体舌をどう動かしたらまるで口の中にそばがあるかのようにすすることができるのか気になり、正面の席に座れなかったことを後悔しました。

*落語会のあと、「初天神」の台本をネットで検索して読んでみました。落語を聞いた時は面白かったのに、台本を読んだだけでは面白味を感じませんでした。そんなことからも噺家さんはすごいと感じました。

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落語のあとも、TUJの学生も含めたくさんの学生からきく麿師匠への質問が飛び交い、
皆が落語に魅了された大変充実した時間になりました。

林家きく麿師匠、ありがとうございました!

(IR)

授業風景「日本語学Ⅰ(音声と音韻)」柳家小せん師匠をお迎えして [2020年01月16日(木)]

〈授業風景〉

日文の開講科目「日本語学Ⅰ(音声と音韻)」に
特別講師として落語家の柳家小せん師匠をお招きしました。

まず初めに、落語ならではの日本語の表現や
道具や所作について説明を受けます。

その後、実際に
演目「御神酒徳利(おみきどっくり)」をききました。
(この日はいつもの教室が即席の高座に早変わり!!!)

以下、学生達の感想です。

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落語のすごいなと思うところは、一切聞いたことのない、登場人物の説明もない話でも、聞いているうちにすぐ理解できるところだと思いました。目線の使い分けや仕草が本当に細かくて、聞くだけでなく見ているのもこんなに面白いんだと思いました。くすっと笑えるところが多くて、気づいたら夢中になっていました!話すスピードが絶妙で、文章量がある分、ある程度早く喋っているのに、間がしっかりあるから聞きやすかったり、抑揚があるので一語一語聞こえるものだなぁと思いました。

扇子をはしに見立ててそばを食べる仕草は拝見したことがありましたが、扇子と手ぬぐいを両方使って手紙を書く仕草や扇子でたばこを表現しているのは初めて見たのでとても興味深かったです。衣装などは同じであるのに、言葉遣いや体の角度、動かし方で老若男女や職人、侍などを演じ分けていて感動しました。

話の切れ目がないのに、誰が話しているのか、今どのような状況なのかを説明しているのかの区別がわかりやすく、すらすらと頭に入ってきたことに感動した。性別だけでなく、身分の違いまで分かった。お客さんとの共同作業といわれるように、風景・情景などを想像しながら聞くことができ、絵本を読んでいるかのようだった。途中、会話の場面で相手が相づちしているかのように話していて、聞いている自分の中で会話を作っているかのようでした。

噺家さんは一人なのに、たくさんの登場人物を演じ分けていて、それが見ていながら不思議と伝わってきて目の前に何人もの人がいるようでした。また、扇子と手ぬぐいを使った仕草がとても興味深く、特にそろばんをはじくシーンは持っているものと聞こえる音がそろばんにしか思えませんでした。テンポの良い掛け合いも好きだけど、その中に時折ある“ポーズ”の部分でぐっと引き込まれる感じがしました。話し方、伝え方、そして日本語の面白さをたくさん見せていただいた貴重な時間でした。

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学生たちは実際に間近で落語をきき、
話し方だけでなく、表情や仕草、音の効果や間の取り方などの大切さを肌で感じ、
一気にお話の世界に引き込まれていたようでした。

そして、他の落語もききに行ってみたい!という学生の声も多く聞こえました。
寄席というと何となく敷居が高いイメージがありますが、
今はカジュアルに楽しめる場所も色々あるようですので、
これをきっかけに思い切って足を運んでみるのもいいかもしれません。

柳家小せん師匠、貴重な経験をありがとうございました!

(IR)

授業風景「日本語学Ⅱ 調査研究」 [2020年01月14日(火)]

〈授業風景〉

日本語学の科目の一つですが、内容はパソコンと向かい合っての作業が大半です。
データを集めて分析する、というのは研究の基本。
ただの作業結果の報告や感想に終わることなく、きちんと「研究」ができるよう、
3,4年生を対象に電子化されたデータの使い方や、統計の取り方を学んでいきます。

近年、データを基にした客観的な研究がなされるようになり、
日本語の研究でも数値やグラフを目にする機会が増えています。
そうなると、「数との付き合い方」もしっかり考えなければならなくなります。
きちんと数値化したら、客観的な議論ができるように見えますが、
実際はそう単純な話ではありません。

例えば・・・
ある単語について、2つの作品においてその出現頻度に差があるのかを調査するとします。
分母をそろえるため、作品Aも作品Bも1万語分、調査したとしましょう。
そして、調査対象とした単語は作品Aでは51回、作品Bでは49回出現した、
という結果が得られた場合を考えてみましょう。
この結果に対し、まずは「作品Aの方が多く出現する」と言えます。
しかし一方で、1万分の51と1万分の49って、「ほぼ一緒」じゃないか。
誤差みたいなものだし、両者の数値がぴったり一致する方が奇跡に近い。
だから、「AとBには差がない」とも言えそうです。
このように、数としては動かしがたく「51」「49」という「客観的な」結果が出ますが、
その「評価」の仕方には、主観が入り込む余地があります。
数さえ出せば客観的なように見えますが、結論をどちらに持っていきたいか次第で、
「一方が多い」とも、「両者に差はない」とも言えてしまうんです。
そこで本当は、「どのくらい差があったら、差があると認めるべきか」などまで決めていかなければなりません。

・・・こんなことを考えていくのがこの授業です。
紙と鉛筆ではなくパソコン画面、内容は国語というより数学、と、
いつもとはちょっと雰囲気の違う時間です。
とはいえ、受講生のすべてがパソコンが得意なわけでも、数学が得意なわけでもない。
むしろ、パソコンや数学から縁遠い学生たちが、自分たちの研究分野に必要な形で、
苦手だった分野の力をつけていく時間と位置付けています。
少人数、わからない仲間同士、という安心感もあって、活発に質問も出ます。
受講にあたっては数学もパソコンもできなくていい、わからないからできるようになるための時間です。
方法(料理の仕方)が身につけばいいので、調査対象となるデータ(食材)は自由。
この時間内に自分の興味のある研究対象の研究を進めることもできますし、
この授業の手法を使って、卒業研究につなげていった先輩方もたくさんいます。

作業をしながらなので自然と学生とのやり取りも増え、
いつもの講義とは違った時間が流れる授業です。

(SN)

芝居茶屋~文楽鑑賞それぞれの視点~ [2019年12月25日(水)]

<日文便り>

日文の開講科目「日本文学Ⅱ(古典D1) 江戸の芝居」では、12月上旬にご担当の東晴美先生引率のもと国立劇場主催の「文楽鑑賞教室」に行ってまいりました。「演劇鑑賞の醍醐味はその後のお喋りにある」という東先生の発想から鑑賞直後の教室は「芝居茶屋」を開きます。学生たちがそれぞれ違う視点から芝居について語る年末恒例のお楽しみでもあります。国立劇場で観た演目は「伊達娘 恋緋鹿子」、「平家女護島」の2つ。どのような切り口で、芝居を観ていたのか感想の一部をご紹介します。

    

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・「伊達娘 恋緋鹿子」で投げた刀をキャッチしたシーンで会場から一気に拍手が起こってその一体感に感動しました。「わかる!」「すごい!」と心の中で叫びました。

・船が遠ざかる程俊寛の命も遠くなると考えると船の役割は命の暗喩と解釈できます。

・どちらの演目も最後は絵画的な美しさで終わっていた。こういった場面を描いた絵画は
存在するのか興味がある。

・(文楽の人形は)3人遣いで動かしていることを忘れてしまうくらいなめらかな動きだった。

・奥さんに会いたくて江戸に帰りたかったのに奥さんが殺されて希望を失くした俊寛の芝居を
見て涙が出てしまった。刀を抜く瞬間の覚悟は想像を絶する。

・話し合うことまでが演劇鑑賞ということが印象に残りました。

・(人形遣いが)約10~20年かけてお客様を楽しませるために修行を重ねていることはただただ
感心します…

・「平家女護島」で俊寛を船に見送る引きのシーンから、セットの回転により一気に俊寛の迫力
あるアップのシーンに切り替わる場面は、映画を彷彿とさせる演出方法だなと思いました。

・今回の芝居茶屋で、自分では気づかなかった視点や次見るときどこに注目すればいいかという
ことを知ることが出来たので、学生のうちにまた観たいなと思いました。

・「思ふ男に分かれては所詮生きてはゐぬ体、炭にもなれ灰にもなれ」、「三世の契りの女房死  なせ、何を楽しみに我一人、末の月花見たうなし」、「焦がれても叫びても、あはれ訪ふ人と
てもなく昔は鷗」語りの表現がすごく素敵でした。強く印象に残りました。

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今年の授業も無事終わり、大学は冬期休暇に入りました。
1年間ブログをご覧くださった皆さま、どうもありがとうございました。
2020年も、日文生の活動の様子、先生方の研究など随時発信してまいります。

それでは、よいお年をお過ごしください!

(KM)

 

留学生対象「日本語」クラス その2 [2019年12月20日(金)]

〈授業風景〉

本学の留学生受け入れ制度のひとつで、半年間日本語力を強化する日本語集中プログラムの中より「コンテンツで学ぶ日本語」という授業の様子を紹介します。

前回に引き続き、後期から来日した留学生が、
「興味のある日本製品」というテーマで発表を行いました。
まずは発表を行うにあたり、注意するべき点や大切にすることをCAN-DOリストを使ってみんなで確認をしていきます。この日はガーさんとキムリーさん、2人の司会で発表が進められました。

今回もそれぞれが選んだ日本製品について、選んだ理由、製品の特長、企業の研究などを
具体的な数字や画像なども交えながら発表を行いました。

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グラディアさん<豆乳>
植物性でコレステロールもなく、抗ガン作用も期待されているため健康にとてもいい。
味も何種類もあり飲みやすく、自分も毎日飲んでいるので是非皆さんにもおすすめしたい。

 

ミンディさん<ウォッシュレット(温水便座)>
日本の寒い冬での温かい便座がとても快適で気に入っている。
日本での普及率は80.2%であり、トイレのイメージをよいものにしている温水便座は日本文化の象徴の一つだといえる。

 

ヴァレンティーナさん<ゲームボーイカラー>
世界中で3番目に多く売れたゲーム機。
自分も初めて持ったゲーム機で、これでイタリア語を学び、今も日本語の練習に大変役立っている。日本でしか買えないソフトもぜひ手に入れたい。

 

トゥさん<使い捨てカイロ>
使い捨てカイロは体を温めるだけでなく
血行をよくしたり体の痛みを和らげたりとたくさんの効能がある。
開封するだけで温かくなりコンパクトで持ち運びに便利なので、ぜひ皆さんにおすすめしたい。

 

チェンヒムさん<インスタントカメラ>
インスタントカメラの中でも、チェキはデザイン性が高く値段もお手頃で、使い勝手がいい。
旅行や写真を撮ることが好きな人、思い出を残したい、飾りたい、楽しみたい人におすすめ。

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日本で暮らす私たちにとって当たり前となっている日本製品について、
留学生が興味をもったきっかけや理由を知ることはとても新鮮で興味深く、
私たち日本人にとっても新しい発見がありました。

留学生は発表後の質問にも、調べた情報を伝えたり、自分の考えを述べることができました。
しっかりとした準備と練習の成果を感じられた素晴らしい発表となりました。

(IR)

留学生対象「日本語」クラス その1 [2019年12月19日(木)]

〈授業風景〉

本学の留学生の受け入れ制度のひとつに、半年間日本語力を強化する日本語集中プログラムがあります。今日は「コンテンツで学ぶ日本語」という授業の様子を紹介します。

後期から来日した留学生は、これまで「街でみつけたおもしろいもの」「SWUの良さを伝える」など様々な内容で日本語力を強化してきました。
今回の授業では「興味のある日本製品」というテーマで発表を行いました。

留学生がその製品を選んだ着眼点は実に個性的です。
暮らしを便利にするスマート製品、
自分に国にあったらいいなと思う製品、
好きなキャラクターグッズ、
日本ならではの製品、です。
それぞれ選んだ理由や感想だけでなく、製品の特長を捉えながら発表を行っていました。
また企業研究もきちんと行っており、
創業年、売上高、成長率などを必要に応じて説明を加えていました。

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ジュリアさん<炊飯器>
自分でよく料理をするので炊飯器に興味を持った。
スマートフォン対応で遠隔操作など高機能。
お米の種類により炊き方を変えるのが素晴らしい。

チャンさん<スマートウォッチ>
スマート機能の製品。
携帯代わりにもなり、これ一つで電話もメールもでき、音楽も楽しめて便利!

ガーさん<Nウォーム寝具>
温かく使いやすい。商品により価格帯に幅があり、電気も使わずエコ。
友人が使用していて自分も興味を持った。

モニーニアットさん<コラーゲンCゼリー>
半年前から摂取しはじめ、肌がきれいになりトラブルが減った。
企業にとって安定成長の製品であることにも興味を持った。

ヴィチェカさん<Suica>
小さく軽くデザインが良い。
交通に買い物に、レストランに、現金が不要。
母国でもこのようなシステムがあれば良いと思う。

キムリー<ランドセル>
日本の小学生がみんな使っているので興味を持った。
体にフィットするように作られており強度もある。

ヘジョン<ハローキティの商品>
日本を代表するキャラクター。
可愛くて親しみやすく人の心を捉える表情。
資産価値も高い。個人的にもとても好き。

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どの学生も何度も練習してきた成果が見られて素晴らしかったです。

(KW)

国語教材研究:思い出のおかし~サロン・ド・テで記憶にダイブ~ [2019年10月29日(火)]

〈授業風景〉

今日の授業のご紹介の前に、まず、学生たちのリアルな声をお聞きください。

~学生達に聞きました、思い出す国語の授業って?~

毎年4月、私が教職を希望する学生たちに聞くのが次の質問
「あなたの思い出に残る中学校高等学校の国語の授業って?」
その反応、ザ・ディープインパクトです。

「う~ん、思い出せない、国語の授業って何やってたんだろう?」
「教科書の作品を自分で読んでるときは、めっちゃ面白かったのに、授業やってるうちにだんだんつまらなくなった。」
「グループ活動が、すごーくイヤだった。一人ですぐわかることをみんなで話し合う意味ってないし」
「自分の意見を自由に言ってと言いながら、必ず先生は最後自分の答えを板書するから考えるの無駄って思った」
「先生の言う正解がいつもぼんやりしてモヤモヤした」
「漱石のこころで、Kはこの時どんな気持ちだったと思うと聞かれ、隣の席の子が、Kじゃないからわかりません。って言ったら、先生がキレて『たとえ、あなたがKじゃなくても、気持ちを想像しなさい。人の気持ちが分からない人は苦労します。相手の気持ちを思いやる、想像力がない人はだめです。』と、涙ぐみながら言ったのでクラスがシーンっとなって。なんだかわかるような、わからないような気がしました。」

「国語の授業」に対するコメントは、すこぶるシビア。
もちろん、ご心配いりません、国語の授業にワクワクした学生も沢山いますから。

「私は本を読むのが好きなので、先生の語る文学の話が大好きでした。内容はよく覚えてないけど先生が嬉しそうに好きな作品について語るのを聞くのが好きでした。」
「先生が自分の体験と絡めながら本文を解釈してくれたので、難しい評論文がよくわかった。具体的な例を示してもらえることで、抽象的な文章が少し理解できるような気がした。」
「先生が、ここは試験にでる、受験にでる、と毎時間本気で受験対策授業をやってくれたので国語の模試の成績が上がり嬉しかった」

ポジティブな「国語の授業」は、先生の話術による素敵な一人舞台的授業、もしくは、ザ・予備校型授業、どちらも、生徒達はギャラリー的なポジションにいたことは明らかです。

そこで私は考えました、
「学生の興味にスイッチが入り、仲間と一緒に協力し、よりよいアイディアが生まれ、
新たなものをつくりだすため本気度がアップする、そんな<国語の冒険>を目指そうと」
私の国語科教育法はこんな言葉で始まります。
「このレッスンのワークを通して世界の見方が変わることを目指します。あなたの経験・直感を全て取り込み<感じ・考え・動く>こと。皆が自由に発言し真剣に耳を傾けること。クリエイティビティを高めるためには、【一つの正解を求めない】【いろんな意見を取り入れ新しいモノを生み出す】が大切です。それがみんなでこれから旅立つ、国語教育法の冒険です」と。

 

思い出のおかし~サロン・ド・テで記憶にダイブしよう~

 

ということで、今日の授業テーマは「思い出のおかし~記憶に深くダイブせよ」です。
具体的ワークは「絵手紙の作成」。
今、国語の授業でプッシュされている「表現する力」を育てるため、先生方は、ミニ評論・エッセーをかかせることに必死です。テンプレを作ったり、ワークシートを作ったり、でも、どうしても書くことアレルギーの生徒が多くて困っているとの相談を受けます。そのときに、ぜひ、おすすめなのが、「思い出ダイブ作戦」

今日の授業のスタートは、かつて勤務していた農業高校の生徒たちの「緩和ケア病棟」をめぐるエピソードから。日赤緩和ケア病棟から絵手紙の講師として、農業高校の司書の先生が招かれたことを契機に、私と生徒は患者さんに出会い、そして、気づいたのです。みなさんの絵手紙に描かれる「おやつ」が語る物語の深さを。おやつを食べた時の、風のそよぎ、空気の匂い、聞こえてきた音、おかあさんの笑顔、うれしそうに語られる「おやつ」の思い出、そして、「おやつ」の絵手紙は、語り手そのものを表現するものだったのです。

私は学生たちに語ります
「自分の経験の中に深くダイブするとき、人は、はっとする思いに出会うことができます、そのはっとした心をキャッチするものをさがしてみましょう。ということで、今日のテーマは思い出のおやつ、さあ、記憶の海にダイブです。あなたがそのとき、何に出会い・何を経験し・何を感じてきたか、あなたしかわからない、あなただけの記憶にダイブして、じっくり目を耳をこらしてください。そのときの、ふわっとした気持ちを突き詰める、そんな気持ちで、心に、頭に浮かんだ、思い出のおやつ、そのふわっとしたイメージを絵手紙に描いてみましょう。目に見える形でかいたあとは、隣の人と<サロン・ド・テでおやつトーク>を行いましょう。トークの中で、思いが何かと化学反応を起こし、ステキな発見があるかもです」




<国語科教育法>のレッスンの中で、私は、ダイアローグ<対話>を大切にしています。
対話を通し、メンバー同士のワクワクが、新しい気づき、新たな認識につながるからです。
今日の授業で「おやつをめぐる」対話を通し、
気づいたこと、感じたこと、学生たちのコメントをいくつか紹介しましょう。

「話を聴いてもらい、いろいろなことを質問してもらうことで、忘れていた小さなことも、どんどんクリアーになっていきました。あのとき、妹と一緒に話した言葉まで、思い出しました」

「おやつ・・・とはじめは、ぼんやりしていたのですが、クッキーのことを思い出した時、どんな味だった?とか、どんな形だったときいてもらうことで、作っていた時の光景まで、くっきりと思い出しました。はかりにのせて、砂糖やバターの分量をはかることが、とっても大きな仕事をしているようで得意にならずにいられなかった、幼稚園のころの私の思いが、今ここで、はっきり思い出せたような気がしました」

「映像が具体的に浮かぶことで、言葉がうまれること、そして、友人の一つの絵から、新たな物語が生まれる瞬間を共有できたことがうれしかった」

 

「経験を言葉に変えるマッスルトレーニング」
思い出にダイブすることで言葉のインナーマッスルを鍛えよう、
そんなレッスンでした。それでは。

(AO)

日本語教育能力検定試験 夏期講座が始まりました [2019年08月23日(金)]

〈授業風景〉

こんにちは!日文の植松です。
本日から日本語教育能力検定試験対策のための夏期講座が始まりました。

この講座はピアサポートTA制度の一環で、教師役の学生(3名)が分担して
昨年度の日本語教育能力検定試験の過去問を解説していきます。
講師役の学生には、どのように解説していくかについて
事前に個別フォローアップを行い、講座当日は学生主体で進めていきます。

日本語教育能力検定試験の合格率は23%前後と、難易度が高い試験です。
聞き手に分かりやすく説明すること、問題の周辺知識を整理することを通して、
知識の定着を促して試験の合格を目指します。
さらに、日本語教育の現場においてもその知識を活用して考えられるようにするために、
文法であれば具体例、教育的な側面であれば具体的事例を提示することにも留意しています。

今年は日文の4年生と、言コミ(言語コミュニケーション専攻)の大学院生が
講師役に手を上げてくれました!

講座は本日を含めて3日間です。
受講生の中には2年生もおり、来年度以降に受験を視野に入れているようです。
学年を超えて切磋琢磨して学ぶ場となれば嬉しく思います。

(植松容子)