椎葉村へ行って来ました [2011年05月11日(水)]

 私は民俗学を担当している渡辺伸夫です。

  あなたは椎葉村がどこにあるかご存知ですか。
九州山岳地帯のど真ん中、宮崎県にある、熊本県と隣り合わせた山村です。
私は34年前の1977年から椎葉神楽の調査研究を進めています。その椎葉神楽が重要無形民俗文化財の国指定を受けて、今年20周年を迎えたのを記念して盛大なイベントが行われました。大型連休直前の4月29日(金)のことです。「椎葉の郷土芸能 その伝承を問う」というテーマのもとに、講演とシンポジウム、郷土芸能の夕べ、椎葉の文化財巡りなど濃密なスケジュールでした。私に与えられた役割は、シンポジウムにおける助言指導と郷土芸能の夕べの神楽曲目の解説で、これらはすべてテレビ生中継されました。

 私の話の内容は割愛しますが、
   右の写真をご覧ください。
 これは何でしょうか。
  

神楽の祭壇に供えられた猪の頭です。 

 

  尾前地区の神楽では、猪が奉納されると、その猪を仕留めた猟師によってシシマツリが行われます。猪狩りの山中の現場で行った儀礼を神楽の祭場で再現し、切り分けた猪肉を串にさして火に培り、それを参拝者に配るのです。300人を越す参加者は思わぬ趣向に大喜び。一切れずつ猪肉をいただきました。
ところがアナウンサーと私のマイク席は忘れ去られたまま、ひたすら神楽解説となりました。
 
  ところで椎葉村は、焼畑と猪狩りの伝承を書きとめた柳田國男の『後狩詞記』(1909年刊)によって、日本民俗学発祥の地として知られています。私も授業で椎葉村をよく紹介しています。今回のイベントには歴史文化学科の学生も参加し、椎葉村の山菜や猪肉など郷土料理にも堪能したようです。次回は夏休み中に椎葉行を予定しています。