古代エジプトを専門にしている吉成です。
AO入試の面談などで、古代エジプトの勉強をしたいので歴史文化学科に来たいという生徒さんとたびたび出会います。自分の専門を勉強したいと思っていてくれると嬉しくなって、注目していると、そういう人達は入学後、いつの間にか熱がさめてしまうのか、別の分野に興味を持ったり、勉強以外のことに熱中したり、あの時の決意はどこに行ってしまったのだとガッカリすることが多々あります。
どうしてなんだろうと少し考えてみました。
古代エジプトへの興味や関心はテレビの映像を通して持つ場合が多い様です。入学後、「ヒエログリフ入門」の授業で語学、「古代エジプト史」の授業で歴史学という風に学問としての手ほどきを受けると急激に夢がしぼんでしまい、手続きや予備知識の獲得がとても面倒なものに感じられて、こんなことなら古代エジプトの勉強なんかしなくていいやと思ってしまうらしいのです。大学で研究をするための訓練は受けたくない、夢やロマンだけでやって行きたいと言うのは研究者になる場合に限らず、少しはまともな卒業論文を書くつもりがあるのなら、止めて欲しいと思います。
若い間に出来るだけ頑張って自分のすそ野を広げておけば、頂きが高くそびえる山を築くことが可能になるでしょう。ともかく勉強したいと言ったら、その言葉に責任を持って大学時代を過ごして欲しいとつくづく思っています。