遅ればせながら [2011年11月23日(水)]

日本美術史担当の植松勇介です。専門はもちろん日本美術史ですが、もう少し細かく分ければ工芸史、さらに細かく分ければ金属工芸史です。現在は鏡を研究しています。

「研究テーマは鏡です」と自己紹介すると、「卑弥呼の鏡?」とよく聞かれます。卑弥呼の鏡とされる三角縁神獣鏡は古墳から出土するものなので、小生の研究領域からは外れます。小生が扱うのは飛鳥時代から江戸時代、つまり、歴史時代の鏡です。

「鏡って何を研究するんですか?」という質問も多いですね。まずは製作時期。金属の質、形状、文様の種類や表現方法などからその鏡がいつ鋳造されたのかを推定します。次に文様。何が表されているのかを判別し、それが象徴する意味まで掘り下げていきます。そして用途。鏡は化粧道具として使用されるだけでなく、川や池に投げ込まれたり、墓や経塚に埋納されたり、神社や寺院で礼拝の対象になったりします。信仰の場における鏡の役割も考えなければなりません。

鏡の研究を進めていくためにはやはり現地に足を運んで実物を熟覧することが大切だと思います。文献や写真だけではわからないところも少なくありませんから。

先日も静岡県西伊豆町のとある神社に伝来した鏡を14面調査させていただきました。本学の研究紀要『學苑』でその成果を発表するべく、ただいま原稿を執筆中です。