伝統工芸品の材料

 

 これはなんでしょう?頁岩という岩石です。これを細かく砕き、ミクロン単位の泥状にしたものを乾燥したのが「砥の粉」です。京都の山科が産地で、以前はレコードの原料にもなり、大量に生産されていたそうです。

 私が中学生の時は、技術家庭の時間の「本立て作り」に、塗料を塗る前に滑らかにする目止め材として使いました。

 日本を代表する伝統工芸品である漆器の製作にも、下地材等として使います。漆器の原材料を求めて、数年前に山科の砥の粉製造工場見学に行ってきましたが、生産に携わっているのは数軒のみになってしまったとのこと。

 

 祖先から引き継がれてきた伝統工芸品を守ることは、このような原料やその製造方法、そして道具作り等も継承していく必要があります。歴史文化学科では日本文化・歴史を、歴史学、考古学、民俗学、地理学、文化財学等多方面から追及します。