新年になっても

年越しそばをすすっていたら、
 そのうち そのうち
 べんかいしながら
 日がくれる

という相田みつをの詩を思い出した。
この詩は、足利の鑁阿寺(ばんなじ)にお参りした時、昼飯に寄った蕎麦屋の壁に貼ってあった色紙で知ったのだった。同道してくれた若い友人が、「そのうち、そのうちっていうのは弁解なんですね」と云ったので、「ああ、そうなんだ」と今さらながら思い知らされ、そのときは少し反省の気持ちも生じたのだった。しかし、以来、蕎麦をすすると決まってこの詩を思い出す。「そのうち、そのうち」。(仏教文化史担当・関口静雄)