こんにちは、松田忍です。
卒業論文発表会が2月17日に開催されました。
この会は、優秀な卒論や後輩の参考になるであろう卒論を書き上げ、各ゼミから推薦された4年生が、1年生から3年生を聞き手として、研究を口頭発表する会であります。同時に、全提出論文をまとめた卒業論文概要集が配付され、下級生たちは今年の4年生がどんな卒論を書き上げたのかを知り、研究テーマとしてはいかなるものがありえるのかを学ぶことになります。
今日並んだ研究報告は・・・
「ナチ体制に反発した人物が、いかなる思想的背景を根拠に反発するようになったかを海外の先行研究を丁寧に踏まえながら論じた報告」(西洋史)、「日本で全く紹介されてこなかった連作絵画を、自力で同時代の美術史の流れに的確に位置づけた報告」(西洋美術史ゼミ)、「続縄文時代の2点の線刻壁画を手掛かりに、当時の地域交流に関する仮説を打ち立てる報告」(考古学ゼミ)、「近世文書を読み込み、水戸徳川家から派生した分家大名の位置づけに修正を迫る報告」(日本近世史ゼミ)、「宮崎県椎葉村に4度のフィールドワークをおこない、数十回の聞き取り調査を重ねて、食に関わる民俗の変容を解き明かした報告」(民俗学ゼミ)など8本。
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専門ならざる松田が、彼女たちの研究を正確に理解できたかどうかは分かりません。しかし、何れの研究も並々ならぬ情熱と作業量が注ぎ込まれ、正確な学問的手続きにのっとって仕上げられたことが力強く伝わって参りました。そして、昭和女子大学歴史文化学科が「学問の場」「研究の場」として機能しつづけていることを心より誇らしく思いました。
4年間歴文で鍛えられてきた彼女たちにとっては、スライドを用いた報告ももうお手の物ですね。様々なロジックを複雑に組み込んだ卒業論文を12分という短い時間で話すことは非常な難題です。しかし画像や図表を巧みに組み込んで、1年生にも分かりやすく伝えるような工夫が随所に凝らされており、下級生たちも最後まで真剣に聞き入っていました。
実際の卒論は文字だけで精緻に組み上げているのに、この日の報告では画像をふんだんに使っていた4年生(女性史ゼミ)もいました。伝えたいという気持ちがわかりますね。
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報告を終えたゼミ生の労をねぎらう師(大谷津先生)??
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報告を終えた4年生のみなさま、本当におつかれさまでした!