【授業紹介】歴史学概論 2015 [2015年07月22日(水)]

こんにちは、松田忍です。

歴史学概論について紹介します。歴史学概論は歴文1年生が全員履修することになっている必修授業です。これから歴史学を学んでいくみなさんに「高校の歴史と大学の歴史学はなにが違うのか」「歴史を研究するためにはこれからの授業でどんな力を身につけていく必要があるのか」「歴史を学ぶことは社会といかなる関係にあるのか」などを考えてもらうための授業です。

松田が担当する歴史学概論では、みなさんに具体的な問題に即した問いをたくさん投げかけます。たとえば「歴史博士ってどんな人のことを指すと思う?」とかね。そしてその問いかけに答える過程で、上記のことをじっくり考えてもらっています。

一つ前の記事にある出雲さんとの対談(2つ目のファイル)で話題になっていたように、そのなかで3年生の先輩7名を読んで「歴史学はいかなる点で社会に必要なのか、あるいは必要ではないのか」といった題材で徹底的に討論してもらい、その討論の様子を1年生に聞いて考えてもらうという授業をおこないました。

授業の様子はこんな感じです。

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すでにゼミに入り、自らの研究テーマを定めつつある3年生ですから、もう自分の意見というものをしっかり持っています。他の3年生の意見に対して賛成したり、反対したり、とにかく積極的に議論を発展させていってくれました。一人が話すたびに、次から次へと次の学生の発言があり、とにかく異常に楽しい授業でありました!!

松田自身も司会をしつつ真剣に議論に参加したため、全ての発言を記録することはできていません。ただそれぞれの3年生が名言を出しまくりだったので、記憶に従って紹介してみます。

必ずしも歴史が社会の役に立つ必要はないと思う。歴史との関わり方はいろいろあって良い。

必ずしも歴史が社会の役に立つ必要はないと思う。歴史との関わり方はいろいろあって良い。それが歴史を学ぶことの深さだ!

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歴史は全てのものの土台だ!歴史があって人間がいる!歴史なしに人間は存在できない。歴史をもっていることは人間が人間であるための条件だ。

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歴史資料には熱がある!私が学んでいる考古学では埴輪にも須恵器にも熱がある!モノには確かにそのモノを作った人間がかつて存在したという事実が刻み付けられている。歴史は人間を学ぶ学問だ!

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歴史を学ぶ上で知識も大事だけど、視点はもっと大事!自分の視点がない人は、海外に出ようと思っても、対岸に着く前に太平洋に出てすぐのところで溺れてしまう。

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教職を目指すものとして、伝える歴史を学びたいと思っている。

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歴史は人間社会を秩序づけるもの。歴史なしには秩序を持った固まりとして過去をみつめることはできない。

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自分が興味のある歴史があるならばその現場で考えたい。私の場合はそれがトルコ。トルコにいって1ヶ月暮らして、トルコにおける英雄アタチュルクの重みに気づいた。

熱く熱く語りかける3年生に感化されて、1年生もメモを取りながら熱心に聞き入っていました。

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当日の1年生たちの感想をちょこっとだけ紹介します。

今日の授業は本当に本当に面白かったです。今まで生きてきた中で最も面白く、内容の深い授業でした。

特にMさんの「被害者側と加害者側の歴史」という意見に共感して正直鳥肌が立ちました。OさんとBさんの意見と同じなのですが、グローバルと叫ぶ以前にまず自国の歴史を知るべきであると思います。松田先生がOさんにつっこんでいた「高校までの知識ではダメなのか」というのに対して私は不充分だと思いました。なぜなら高校までの歴史教育は日本が被害者側でおこなった歴史だけを学ぶからです。やはりそれでは自国の歴史を学んだとはいえないと思う。加害者側の立場で歴史を学ぶことで初めて歴史を学ぶということだと思います。そしてそこからBさんがおっしゃった「探究心」も生まれてくるのではないかと思いました。

今日の授業を受けて最近どこかモヤモヤしてた気持ちがふっとびました。また1から歴史を学びたくなりました。とても貴重な授業、意見をありがとうございました。M先輩、O先輩、B先輩とお話ししてみたくなりました。

圧倒された…。歴史に対してあそこまで自分の意見を持って討論できるのはかっこいいなと思った。とらえ方はそれぞれ違うとしても、自分のなかで“歴史とは何か”の答えを見つけることが大切なのかなと思った。自分の軸を作るのと作らないのとでは形にできるかが変わってくるんだなーって。私は就活とかにおいて、歴史知識が実用的になるとは思っていなかったけど、歴史の知識が大切なんじゃなくて、その視点とか自分の解釈を築けたということが歴史を学んだ結果なんだなと思い、それが大切なんだなと思った。

私はM先輩やO先輩がいっていた“私たちは歴史の上に立っていて、歴史は地面なんだ”という意見に納得しました。私は「歴史学は社会の役に立つ必要があるか」と問われた時、必要があると思っていて、でもなぜ?と言われたら説明できない状態でした。しかし“地面”と言われ、今までのなぜ?の部分が解放されました。また“被害者の歴史か加害者の歴史”や“史料には熱がある、教科書は取捨選択”など今まであまり考えたことのない意見を聞くことが出来てよかったです。M先輩とO先輩の意見に賛同しまくりでした笑

先輩が話すシリーズの授業はとてもおもしろい。Mさんの歴史は地面という言葉がとても印象に残った。私も歴史が自分にとってどんなふうに役に立つか考えていこうと思った。高校のときの先生から就職に役に立たない歴史を大学で学ばせてもらうなんてぜいたくだよって言われたのを思いだしたので、歴史学をしっかり自分のものにしようと思った。

先輩方の意見を聞いて、「歴史を知ることは人間である条件」という言葉が自分のなかで強く響いた。確かに高校まで学んできたことや今大学で学んでいる歴史は自分の財産にもなるし、情報収集や知識などを何一つ知らなければ人間の条件として成立しない。歴史を学び、自分のものにしていくことこそ、「人間の条件」と言えるのではないだろうか。今回の先輩方の意見を聞けて、とても良かった。今日の授業で前よりも歴史を好きになれた気がした。

すごくレベルの高い討論で、何年後かの自分がこんなに自分の意見を述べることができるのかなと思いました。大学の歴史の授業では自分の視点が求められるという意見がありましたが、私も前期の授業を受けて感じました。自分の意見をもっと言うことは社会で必要とされることだと思います。歴史学は社会の役に立つ必要があるかと言われると、今の私の中には社会の役に立つ=就職というイメージがあります。就職先に歴史を生かせるかというと正直少ないと思います。でも歴史を学ぶなかで、情報を選び自分の意見を持つ力を身につけられるような気がしています。直接的には生かせることは少ないですが、間接的には生かせることが多いのではないかなと思いました。

まず先輩方のトーク力や考え方に感動しました。私が一番納得した話は「歴史は地面であり、自分が立っている地面を知らないのはおかしい」です。役に立つ、立たないとかそういう考えで歴史は学ぶべきではないとこの授業で考えました。また、自分の国の歴史について知らないのにグローバル化はできないという考えにも納得しました。授業の前にも、歴史学は必要だと思っていましたが、明確な理由がありませんでした。しかし今回の授業でたくさんの意見を聞いて自分の意見も少し固まってきたような気がします。先輩からの言葉を受けて、自分の与えられた状況下で自分の能力を高めることのできる大学で頑張っていこうと思います。

歴史学がこの世の中を秩序立てているという言葉に納得しました。歴史学を学んでいる時、世の中の役に立つという実感はないし、先輩がいっていたとおり、歴史学は素晴らしいという考えをおしつけるのはおこがましいが、歴史学が少なからず自分の役には立っているのかなと思いました。そして人間性がどんどん豊かになっていくんだと思いました。

今回の討論会は本当に勉強になりました。「歴史学は社会の役に立つ必要はあるか?」について私はYESだと思います。やはり自分たちの歴史を知らないまま、社会にでることは怖いですし、もし過去の過ちを繰り返してしまったら元も子もない。歴史を知らない人がたくさんいる世の中が将来良くなっていけるかと考えていくと少し難しい、いや無理だと思います。今すぐ歴史を使うことはできませんが、今後自分自身で歴史を生かしていかなければいけないなと思いました。

先輩方の討論はまさに白熱でアツかったです。「歴史は地面」「史料には熱がある」などの名言も歴文で3年間学んできたからこそ生まれたのだと思います。「視点が変わる」ということは歴史学においてとても大切なことだと再認識しました。以前授業で「自分の価値観」は必要かというテーマがありましたが、それとも深く関わっているのかなと思います。

1年生もなかなか良いリアクションを返しているよね!

私自身はこの日の議論に結論はなくてもいいと思います。「なんのために歴史を学ぶのか」を胸に秘めつつ、高いモチベーションをもって、授業をしながらみなさんと一緒に歴史を学んでいきたいと思っています。

こんな熱い議論をしている歴文に飛び込んでみたくならないかい?受験生のみなさま、この歴文で歴史を一緒に学ぼうぜ!