こんにちは。歴史文化学科4年野沢春佳です。新年度が始まりましたね。1年生の皆さん、ご入学おめでとうございます。
今回は、今年度歴史文化学科に赴任された鶴岡明美先生の下を訪れ、突撃インタビューしました。
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――鶴岡先生が単独でご担当になる授業を教えて下さい。
前期は演習の他日本美術史基礎と日本美術史概論を担当します。日本美術とか日本文化って日本に住んでいて触れているようで触れていないものだと思うんです。高校までの授業でも歴史の政治面が中心で、文化は軽く触れて終わりという傾向があるでしょう。でも、皆さんにはぜひ一度は知ってもらいたい。勉強してもらいたいです。授業の中でも、専門的なことがらに加え、背景にある歴史や文化にも満遍なく触れていくようにしています。ぜひとっていただきたいですね。
――第一回の授業を終えての学生の印象はいかがでしたか?
今年度は一年生のクラスアドバイザーも受け持っているのですが、真面目な学生が多いですね。きちんとした礼儀正しい方が多いという印象です。協力的でコメントもたくさんいただけるのでうれしいです。
――鶴岡先生のご専門は日本美術史ですよね。
そうですね。特に江戸時代後期から幕末の作品に興味を持って研究・調査をしています。
――ぜひ詳しく教えてください。
最初私が興味を持ったのは、実景(実際に存在する景色)を題材にした作品です。実景というのは、今はスケッチなど当たり前に使われる表現ですね。日本が開国して伝わった技法だと考えられているんですが、江戸中期にはもうすでに実景の作品が描かれているんですよ。それが面白いなぁと、谷文晁という画家の作品を中心に学位論文を書きました。
――最初ですか?その後どのようにご研究は広がっていらっしゃるのですか?
実景については一区切りついたところで…次に別のテーマを探しました。そこで取り上げたのは黄表紙の挿絵です。黄表紙というと戯作という文学のジャンルで、挿絵を取り上げた研究はあまり盛んではないんですよ。そこで挿絵の中に描かれている看板や屏風などの文言に焦点を当てて研究してみようと。
――どうして、戯作を取り上げようと思ったんですか?
黄表紙は当時のトレンドブックのような立ち位置でもあった大衆向けの読み物のです。文学作品としての研究はたくさんされているのですが、挿絵はほとんど触れられません。でも、挿絵の中にもユーモアやパロディがたくさん盛り込まれてるんですよ。全ての作品を通して、様々な点から研究ができるのではないかと、今も試行錯誤をして研究をすすめています。
――(実際に黄表紙の作品を説明していただいて)一ページの中で文章と挿絵が密接に関わっているんですね。挿絵というと児童文学とか絵本をイメージしてしまうけど全然違いますね…!
でしょう?今の学生さんはイラストとテキストの融合を抵抗なく受け入れられる世代になってきてますからね。興味持ってくれるんじゃないかな。
――他にも何か取り組んでいらっしゃるんですか?
実は今足立区立郷土博物館の文化財調査にも参加させていただいてるんです。これまでの調査の成果を「美と知性の宝庫足立―酒井抱一・谷文晁とその弟子たち―」という展覧会で紹介しています。5月22日まで開催しています。最初に取り上げた谷文晁の作品やお弟子さんの作品が足立区にはたくさん残されていて…。これから調べを進めることでもっと新しいことが分かっていくかも…と期待してるんです。
――ちなみに、お休みには何をされてるんですか?
私趣味がないんですよ(笑)。もともと絵をみることが趣味で、美術館や博物館を訪れていたんですけど、でもそれ仕事になっちゃったから(笑)面白そうな展覧会があれば京都でも秋田でも、日帰りでどこへでも行っちゃいますね
――旅行お好きなんですか?
「どこかへ行ったりするのは好きですね。乗り物だと鉄道が好きです。」
――鉄道ですか!?
飛行機より電車派です。青函トンネルとかすごいんですよ。本州と北海道だと景色が全く違うんです。そういう景色がすこしずつ変化していくことが分かるのがすごくいいんです。鉄道旅行の醍醐味ですね!
――では、最後に学生に一言お願いします。
まだまだ分からないことがあるので、助けてもらいたい気持ちでいっぱいです。どうぞよろしくお願いします。
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「研究のことになると熱く語ってしまうんです」と鶴岡先生。とても楽しい時間を過ごさせていただきました!ご協力ありがとうございました!