鎌倉散策

 

比較女性史論ゼミの掛川です。11月に入り、ゼミの3年生SさんとYさんと一緒に鎌倉に行ってきました。まずはSさんの卒論テーマのために土曜日しか開館しない吉屋信子記念館です。お庭にはとても見事な石蕗の花がたくさん咲いています。吉屋さんがお好きだったそうです。近代数寄屋建築の第一人者と呼ばれる吉田五十六さんの、洗練された美的趣味と工夫に満ちた和風モダンの建物の心地よさにに驚かされました。吉屋さんは吉田さんに3軒も依頼したということで、よほど趣味にあったのですね。この長谷の家は、昭和37年に奈良の尼寺のようにと望まれて、設計に当たったそうです。五十年以上たっているのに、とても保存状態が良くてきれいなおうちです。午前中のまで人の少ないうちだったので、監視員の方にくわしくお話を伺えてとても良かったです。落ち着ける素敵な空間でした。谷戸を背後に控え良い立地です。

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そこから鎌倉文学館までは徒歩で5分ほど。特別展「ビブリオ古書堂の事件帖」を開催中でした。現実に文人ゆかりの地は多く、鎌倉にはとにかく大勢の文人達が住んでいたので、保存の手が回らないのだそうです。この文学館自体が旧前田邸で、青い屋根が特徴的。ステンドグラスで飾られたおしゃれな建物。広いお庭には秋薔薇が盛りでした。鎌倉にちなんで命名された薔薇を探すのは楽しいです。

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「大姫」と名付けられた薔薇は、悲劇の情熱を感じさせる赤でしたし、三島由紀夫の「春の雪」は白く可憐な小さい花をたくさん咲かせていて、今にも消える生命と運命のはかなさを象徴しているようでした。

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長谷寺は大勢の参拝者で賑わっていました。長谷寺の観音ミュージアムでは開館1周年ということで、長谷寺縁起絵巻を公開中でした。この展示は是非見たかったのです。とても興味深い展示でしたし、絵巻1巻の複製を自由に広げて見られて嬉しかったです。観音像についてもハイテクを用いて理解が深まるように工夫されていました。長谷寺は高台に位置しているので、由比ヶ浜を一望できます。夕日に照らされて三浦半島もよく見えました。高徳院の大仏まで近いので続けてさらに歩いて行きました。英語は勿論フランス語も耳に聞こえてきますし、アジア系の集団も記念撮影をしています。露天の美男の阿弥陀如来はいつ来てもいいですね。江ノ電で鎌倉駅まで帰り、鶴岡八幡宮に寄りました。日没後のライトアップされた段葛をゆっくり歩き八幡宮に着くと、神式の結婚式が終わったところでした。白無垢の綿帽子の花嫁さんが印象的でした。

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