こんにちは、松田忍です。
1月10日の卒論提出日から約1ヵ月経ち、2月3日には今年度の日本近現代史ゼミ最終回を迎えました。
最終回は例年通り卒業論文集を作成しました。
これまで濃密な議論を重ねてきて、お互いの問題関心の意外なつながりなどを楽しんできた2年間でありました。単純に名前の五十音順に論文を並べるのではなく、わかり合えた想いをベースにして、「研究書」的な目次にしたいねと話し合って決めたのが、以下の構成です。15本の論文が並びました。
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松田ゼミ(6期生) 卒業論文集
Ⅰ 国民統合への希求
帝国在郷軍人会と機関誌『戦友』にみる「良兵良民」
大正~昭和初期における内務官僚の国民統合論
Ⅱ 現代日本における沖縄の位置 ―愛国心と差別との相克―
沖縄戦における日本軍の沖縄住民スパイ視について
戦後沖縄における国民教育
Ⅲ 近現代日本社会を生きた人びと ―女性・青少年・市民―
美が映し出す戦前の日本社会―「美」と「健康」の一致を巡る女性美の変遷―
戦後東京における不良少年―法制度・取締・実態―
寂しき市民―戦後日本における四つの市民運動より―
Ⅳ 戦時と統制 ―産業・労働分野における秩序形成の「実験」―
戦前期電燈事業における公営の論理とその展開
軍事作戦の中の民間人―太平洋戦争期における船舶及び船員の徴用を通じて―
太平洋戦争時における日本の女性労働―女子挺身隊を中心に―
雑誌『演劇界』に見る戦時下の演劇統制
石炭産業から見る戦後日本経済の復興
Ⅴ 「帝国」の周縁 ―朝鮮、満洲、そして移民―
植民地期朝鮮における言語政策―朝鮮語の規範化と国語常用運動―
中東鉄道から見る一九二〇年代から一九三〇年代の日ソ間の外交関係
太平洋戦争時における在米日本人―強制収容と収容所生活の実態―
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卒論のテーマは各自が自由に選び、史料と格闘しながら絞り込んできたものであります。しかし同じ時代を生き、同じ時間を過ごした15名に共通するいくつかの問題関心が浮き彫りになっていて、そのこと自体が真剣に研究に取り組んだ証のような気もいたします。
もちろん期限のある卒論ですから、やりきった論文も後悔が残る論文もそれぞれあります。ただお互いがお互いの研究をリスペクトして励まし合い、最終的に、このような卒論集を編むことができたことは本当に嬉しく思っています。
さぁ、いよいよみなさん、ご卒業です!4年間歴文で培った力を武器にして、それぞれの進路で活躍していってください。頑張れ!
そして嬉しいことや辛いことがあったとき、いつでもまた帰ってきてください。歴文はいつでもみなさんをお待ちしております。