こんにちは、松田忍(日本近現代史)です。
高校生や大学生にお奨めの本をちょくちょく紹介していこうかなと思います。
1冊目はつい最近刊行された新井勝紘『五日市憲法』(岩波新書、2018年)です。
今から50年前の1968年。鼠か蛇か虫かなにが出てくるか分からない開かずの蔵。所蔵者のご好意により、入ることを許された色川大吉ゼミの学生たちがその扉を開ける。まず先発隊が飛び込みDDT(殺虫剤)をまき、落ち着いた頃を見計らって、学生たちが蔵に入る。学生時代の新井氏が、ボロボロの風呂敷包みを開くと「日本帝国憲法」と書かれた紙の綴りがでてきた。この偶然の出会いが、研究者となることを考えていなかった一学生を歴史学の道へと誘っていくのです。
今では私擬憲法の1つとして、広く識られている「五日市憲法」発見と解読のストーリーを丁寧に分かりやすく記した本です。卒論執筆時に偶然出会った史料に秘められた多くの謎に魅せられて、多くの人の助けを借りながら、歴史像を構築していくお話しは、まさしく歴史が誕生する現場!ものすごーくワクワク本するです!高校生にもお薦め!!