【環境考古学】遠隔授業を行いました!

 

環境考古学担当の佐々木です。環境考古学は、隔週で2限連続、4・5限の授業です。

2限連続の授業というと大変に感じるかもしれませんが、半分くらいは実習を行って手を動かしながら、自然科学分析を習得します。授業も大学だけでなく、教育委員会や埋蔵文化財センターのご協力を得て野外実習も行っています。

さて、5月後半からは土器圧痕のレプリカ法を習得する講義と実習を行っています。圧痕とは土器の表面に見られるくぼみのこと。

このくぼみの中には土器作りの際に粘土に入ったタネやムシの痕跡であることがあります。このくぼみに歯医者さんなどで使われているシリコンを入れて型をとって、何の痕跡かを調べる方法がレプリカ法です。 

この方法は、日本だけでなく、世界でも注目されています。実習では粘土板に現在の穀類を埋め込んだプレートを使用しています。このプレートとレプリカ採取キットを用いた授業をラオス国立大学の考古学専攻の授業と同時に行いました。

同時に行う手段は、スカイプです。ラオスと日本は2時間の時差がありますので、実習時間を合わせて行いました。写真のスクリーンにはラオス国立大学の2年生を対象とした環境考古学の授業が映し出されています。

実習中の様子や作業の様子を見ながら、こちらでも作業を。シリコンを注入する注射器を抜く際の空気のポン!という音などが聞こえ、あ!今、音が聞こえた!と受講生もリアルタイムでラオスに繋がっていることを実感しながら授業を行いました。

授業の後は、片付けに残っていた女子学生さんとガールズトーク!ラオスには女子大学がないので、日本に女子大学があることにびっくりしていたようです。ラオス国立大学にはシンという民族衣装をもとにした制服があり、ラオスの女子学生がみんなかわいい!と受講生が絶賛していました。ラオスの女子学生さんからラオスにぜひ来てね!と言われましたよ。またタイミングを合わせて、スカイプを用いた合同実習や講義を行って、いつかは実際に会って合同で調査ができたらいいなと思っています。

授業の実施にあたっては、JICAシニア海外ボランティアでラオス国立大学に派遣されている川島秀義さん、ラオス国立大学考古学専攻のSouvannahong LADTANAPHIM先生、 Sommay SINGTHONG先生のご協力を得ました。