【ネットでオープンキャンパス】学科紹介! その1

こんにちは、松田忍(日本近現代史)です。

8月19日のオープンキャンパスにておこないました学科紹介を、若干加筆しつつブログ上で再現いたします。当日お越しになれなかったも是非ご覧になって、志望校選びにご活用くださいませ。

【松田】
 みなさん、こんにちは。本日は、昭和女子大学人間文化学部歴史文化学科の学科紹介にお運びくださいまして、誠にありがとうございます。危険な暑さと呼ばれる猛暑日が続く夏となりましたが、この週末はいくぶんか涼しさも出て参りまして、少し秋の訪れを感じさせる季節となりました。

 秋が近づいて参りますと、受験生のみなさまにとっては気忙しい季節となりますね。いよいよ本番が近づいてきますが、今回のオープンキャンパスの機会も十全に活用して頂きまして、しっかりと志望校を見定めていってくださいませ。

 さて、今日の学科紹介は歴史文化学科3年生の吉村知華さんと一緒に進めていきます。まずは吉村さん自己紹介をお願いします。

【吉村】
 みなさん、こんにちは。歴文3年の吉村知華です。

 私は日本近世史ゼミに所属しておりまして、日本史の江戸時代を研究しています。また部活では剣道部に所属しておりますし、さまざまなプロジェクトにも参加いたしております。今日は私の体験を交えながら、歴史文化学科の特徴と魅力をしっかりと伝えられるよう頑張ります。どうぞよろしくお願いいたします。

【松田】

 吉村さん、よろしく!

【松田】

 さて今日は歴文の特色を4点に絞って紹介していきます。1つ目の特色は『3つの分野から幅広く学ぶカリキュラム』です。

【松田】

 歴史文化学科では、『歴史・地理』『美術・民族の文化』『考古・文化財』の3つの分野を学ぶことができます。それぞれの分野には日本史・西洋史・東洋史、美術史・芸能史・民俗学、考古学・博物館学・文化財など専門の教員が配されています。

 これらの幅広い分野を学ぶことができる大学は他にもあるかとは思います。しかし歴文の特色は、入学してそれぞれの分野の授業を受けてから、ゼミを選べることです。カリキュラムがコース制をとっていないため、100科目以上開講されている専門科目のなかから、自由に組み合わせて勉強を進めることができます。特に2年生までは「どのゼミに進みたいか」を意識しながら、もともと関心のある分野だけではなく、学んだことのない分野にも積極的にチャレンジして欲しいと思っています。

 そして3年~4年は専攻する学問に応じたゼミを履修し、卒業論文を執筆していくことになります。

 吉村さんの場合は、最初から日本史を学ぶって決めていたから、専門とする分野では迷わなかったのかな?

【吉村】

 いやいや、そんなことはないですよ。私は一般受験だったので、他大学も受けていましたが、受験の時点で考古学や近世、近現代とコースや専攻を選ばなければいけなかったのでかなり迷いました。

 受験生時代から、漠然と日本の歴史に興味がありましたが、どの分野、どの時代に絞るというのは当時はまだ決めてなかったので、分野の授業を取ってから研究することを決めていけるのは昭和女子大学の歴文のありがたさだと思っていました。

【松田】

 またどの分野を専攻することになっても、学問の基礎から発展まで、段階的に学んでいく仕組みが整っていますよ。

 歴文での学びを分かりやすく言うと、3つのSTEPで成り立っています。

 まずSTEP1では問いの立て方を学びます。関心のある分野の論文、歴史史料、実物資料などに触れて、問いを立てる技術を身につけていきます。また問いを立てるためには一定の知識が必要になりますから、そうした知識を得ておくことも大事ですね。

 次にSTEP2では、学問分野ごとに用意されている、問いを解くための方法を学びます。たとえば歴史学だったら文献調査が主になりますし、美術史だったら作品などの「モノを読み解く」技術が必要ですね。考古学だったら、発掘調査報告書を正確に読み解くために、発掘の現場を知っておくことも必要になるでしょう。さらに民俗学だったら文献調査に加えて、聞き取り調査などのフィールドワークが大事ですね。学問ごとに用意されている問いを解くための方法は「方法論」といわれておりまして、歴文では特に力を入れて教えております。

 そしてSTEP3では、研究成果を発信する方法を学びます。学問においては自分が納得するだけではダメです。自分が研究した成果をみんなに正確に伝える技術も必要になってきます。「知の共有」をするためには、根拠となる事実を正確にふまえた「誠実な議論」をするためのモラルと技術も必要になってきますね。具体的には口頭報告や論文、実験レポートの作成方法を学んでいきます。

【松田】

 歴文では3つのSTEPの学びを積み重ねることを意識しつつ、カリキュラムが編成されています。私が担当している日本近現代史を例として、カリキュラムツリーを説明いたしますね。

 ただこのスライドはあくまでも履修モデルなので、必ずその学年でそれぞれの授業を取らねばならないということはありません。ただ3年がはじまる3年次までに、専攻したい学問の基礎となる授業は全部取っておくように、学生たちには指導しています。

 1年生のときには大学の学びへとスムースに入ってもらうために、全員が履修する科目として歴史文化基礎と歴史学概論を用意しています。

 「歴史文化基礎(基礎ゼミ)」は、1名の教員に対して10名程度の学生がつく、少人数授業です。「大学での授業の聞き方」「調査の基礎的な方法」「プレゼンの方法」「レポートの書き方」「博物館の見学方法」などを実践的に学んでいきます。

 「歴史学概論」は、入学時点においては、授業やメディアなどから歴史を受け取る側の立場だった学生たちを、歴史を生産する側へといざなうための、さまざまな工夫を施したアクティブラーニング授業となっています。のちほど詳しく説明します。

 また日本近現代史を専門とするのであれば、基礎知識やそれぞれの時代を捉える感覚も必要ですよね。「日本近現代史」の授業を履修しておきましょう。

 2年生になると「方法論」を身につける学びを進めて欲しいですね。

 まずは「日本近現代資料解読」が用意されています。歴史史料を解読することは謎解きと似ています。当時の歴史背景をあわせて考えないと、史料の意味を正しく捉えることができないからです。この授業では、各自に割り当てられた史料の「謎解き」を実際にやってみることを通じて、史料を深掘りして理解する技術と方法を学びます。

 また「日本近現代史特論」も用意しています。この授業では、論文を読み解くための方法や論文から論点を立てて、研究の糸口をみつけるための方法を実践的に学びます。

 「日本近現代資料解読」も「日本近現代史特論」も、授業内で研究報告をしていただきますが、報告前には私と1対1の面談を必ずして、具体的な課題に即して、調査の方法を指導しています。

 そして3年次~4年次にはいよいよゼミに入って、研究報告と(ゼミ教員との)面談を重ねながら、卒業論文の研究を進めていくことになります。ゼミ生との議論を重ねるなかで、根拠を示しながら考えていく思考態度や、考えたことを共有していくための方法を実践的に学んでいきます。その先に、卒業論文の作成があるわけですね。

 新入生を無理なく段階的に鍛え上げていく仕組みが歴文にはありますよ。

 これは日本近現代史を専攻する場合だけれども、吉村さんが専攻している日本近世史でも同じようにカリキュラムが積み上げられているよね。

【吉村】

 はい、日本近世史の場合でも、古文書解読や史料解読の授業で史料の読み方を野口先生に教わったから、今も安心してゼミで勉強を続けられています。夏休み明けの10月から卒論のテーマを決めることになっているので、まだなにで卒論を描くかはハッキリしていないのですが、土台を作ることはできていると思うので、頑張っていこうと思っています。

 またカリキュラムツリーは単線的に積み上がっているわけではなく、複数のツリーを相乗りしながら、積み上げていくイメージですね。たとえば江戸時代を専門にしている私でも、松田先生の「日本近現代史料解読」を受けたことで、史料を深く読む方法を具体的に知る事が出来てとても役に立っています。

 ほかにも日本のことを知るために、西洋史や東洋史を知っておくことも必要だと思いますが、歴文のカリキュラムだとそれも自由にできますし、たまたま履修してみた科目からの気づきが自分の関心につながってくることもたくさんありますよ。

【松田】

 そういう意味でも、えり好みをせず、幅広く勉強を進めていって欲しいよね。そしてそれを実現できるのが歴文ってことかな。

学科紹介はまだ続きます!