こんにちは。田中(文化財保存学担当)です。
先日の望秀海浜学寮研修初日の国立歴史民俗博物館見学について、せっかくですので、少し詳しくご紹介したいと思います。
今回、まず最初に講堂で、歴博の展示に関するビデオを聴講させて頂きました。その後、情報資料研究系准教授の島津先生に、歴博の社会的役割や活動概要についてご講義頂きました。膨大な量の資料・情報を扱う歴博では、専門性が高いだけでなく幅広い視野を持つ研究者が必要とされている、というお話や、歴博が最近取り組んでいる「総合資料学」についてのお話など様々な貴重なお話を伺うことが出来ました。日本の歴史資料に関する情報を整理し、また構築したデータを活用することの事例としてみせて頂いた「洛中洛外図屏風」人物データベース(「歴博乙本」に登場する1172人の人物像をキーワードで情報を検索できる)は画期的で驚きました。
講堂でのビデオ聴講と講演のお陰で、歴博の理念や具体的活動、展示への理解が深まり、今回、学寮初日ということで限られた時間でしたが、興味深く展示室を見学することが出来ました。
その後、教員と学生10名程度を対象に、歴博のバックヤード見学もさせて頂きました。様々な設備や貴重な分析機器を拝見させて頂き、また、歴博における文化財の科学的分析事例についても詳しくご説明頂きました。歴史文化学科は学芸員課程を履修している学生が多いのですが、見学を通して、保存科学の深い魅力や文化財保存の重要性を改めて認識することが出来、大変有意義な時間を過ごさせて頂きました。
今回、企画展示として「日本の中世文書―機能と形と国際比較―」が開催されていたのですが、歴史文化学科では、古文書の解読に取り組んでいる学生も多いため、皆真剣に企画展示に見入っていました。その他、常設展示も、各自思い思いに見学を楽しんでいました。
此のたびは歴博の皆様に大変お世話になり、また貴重な機会を頂きまして本当にありがとうございました。