こんにちは、松田忍(日本近現代史)です。
2020年度入試用の大学案内にて、日本近現代史ゼミ(日本史演習B)が取りあげられることになり、昨日はゼミ風景を撮影して頂きました。
プロのカメラマンに大学案内掲載用のきちんとした写真を撮っていただいたあと、撮影に立ち会っていらしたアドミッション部のN田さん(職員さん)にお願いしまして、ゼミ風景を撮っていただきました。
さてこのゼミ風景写真にはいくつかの本当と少しの嘘があります。このブログは受験生もご覧になっていると思いますので、解説します。
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①机をまるく囲んで話し合う
本当!
ゼミは議論をして考える力を鍛える場です。そのためには、みんながお互いの顔を見ながら、意見を述べ合っていくことが大事です。他の学生が良い質問を出したら悔しくもなるし、失敗したら恥ずかしくもなる。でも、議論の場で揉まれることでしか、考える力は成長できないからね!
私は「質問を出す力」もとても大事だと思っていますし、鍛えたいと思っています。そのためのいくつかのコツも指導して、議論の中で「歴史学の考え方」を身につけられるようにしています。
ちなみに、松田ゼミの場合には90分の授業時間で2人の学生が研究報告します。各回のゼミでは、「報告時間20分+質疑応答25分」を2回繰り返し90分となるのが基本スタイルです。各報告者にはA4で8ページ分を基準とする分量の配付資料を用意してもらっています。質疑応答には学生全員が参加して、研究報告での疑問点やさらに深められそうな論点を探っていきます。
1人目の報告が面白かった場合、議論が白熱して、2人目の報告時間が短くなってしまうこともしばしば笑 そうならないように教員の責任のもと、時間調整は頑張っているのですが。
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②笑顔あふれる談笑風景
半分本当で半分嘘。
研究内容に関する議論をするときには、ありえないくらい真剣勝負です。「研究報告が論理的に組み立てられているかどうか」「研究報告に欠けている部分はどこにあるのか」「研究の今後の課題はなにか」を徹底的に議論します。報告したゼミ生の研究を「ゼミ生+松田」のみんなで応援して、育ててあげる場所、それがゼミです。
もしかしたらみなさんの中にはなにか発表するときに「質問がでないほうがいいなぁ」「質問がでると怖いなぁ」と思うことがあるかもしれません。でも松田ゼミにおいては「質問をもらえることは、関心をもってもらえたということであり、良い研究報告だった証拠である」「関心を持たれなければ、質問もでない」という意識を徹底しています。
逆に聞き手の立場からすると、質問をすることは報告者に対する「愛情表現」ですね。「あなたの研究に関心を持っていますよ!」というメッセージですから。
一方で、真剣勝負をするからにはゼミ生の間に「信頼関係」がないと絶対にダメだと松田は考えています。
なので出来る限り議論の外側では談笑して、お互いのことをわかり合っておきたいな~と思っています。そのためにゼミ旅行とかもやっています。毎週顔をあわせて話しあうわけですので、ゼミ生同士の関係は濃密で仲がよいですよ!
正式の『大学案内』にはどっちの写真が使われるんだろう?和やか系か、真剣系か?
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③ホワイトボードに書き殴られた、やたら主張の激しい筆跡
本当です!
学生の報告内容や質疑応答の内容を全員で共有して理解を深めるために、ホワイトボードにガンガンまとめていきます。今回の報告は「戦後日本の道徳教育において、1960年代に出された『期待される人間像』がもった意味について」です。
研究意図が明確であり、しかもたくさんの作業量がかけられた、とても良い報告でしたので、ホワイトボードに書き殴る松田のテンションもあがっています笑
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④机の上に積まれた本
半分本当で半分嘘笑
今回の報告者は写真一番奥の学生です。彼女の手元に積まれている数冊の本はガチです。報告時には予想もしない角度からの質問や、引用した論文についてさらに深く突っ込むような質問も飛び交います。報告を担当する学生は参考文献をしっかり用意して、質問に応えられるようにしてゼミに臨みます。
それ以外の本はちょっと撮影用に見栄を張った部分もある……カモ?
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ということで松田ゼミの紹介でした。最後にカメラ目線でパシャリ。