被団協運動に関する研究報告をおこないました! [2019年04月14日(日)]

こんにちは、松田忍(日本近現代史)です。

2019年4月13日に主婦会館プラザエフにて開催された《被爆者運動に学び合う 学習懇談会》シリーズ12におきまして「被団協運動の「再生」を問う―被団協関連文書№8の史料解読を通じて―」と題する研究報告をおこなって参りました。

集まってくださった方は、被爆者に加えて、戦後の運動にご興味がある方、日本史研究者など約30名。「戦後史史料を後世に伝えるプロジェクト―被団協関連文書―」に参加している学生も5名が聞きに来てくれました。

内容としては、1960年代における日本被団協の運動の停滞と「再生」を扱いました。年配の方でしたら、おそらく「原水禁運動が分裂して社会党系と共産党系に割れて、ごたごたしていた時期」としてご記憶の時代ですね。国際情勢としても、安保問題、米ソなどの核実験競争、ベトナム戦争の進展など大きく揺れ動く時期です。

この時期に作成された被団協文書(特に内部対立を如実に示す議事録や書簡など)を年代推定しながら読み込み、原水禁運動の分裂に連動して被爆者運動も内部対立する中、日本被団協の組織のロジックが変わり、被爆者の日常に根ざす新しい組織原理をつかみ取っていく点を論じました。

この勉強会で報告するのは2度目でありますが、私の方では被爆者運動の歴史的展開と戦後史における意義を議論しようとしているのに対して、聞き手の被爆者の皆さんは報告で示された歴史像からアイデアを得て「どのように現在の運動に生かしていくか」に主たる関心があり、どんどん話が「脱線」していくのはもはや「お約束」!!

しかし「脱線」のなかから、研究には欠かせない当時に関する重要なご記憶がどんどん掘り起こされてきたりして、非常に不思議な感覚です。とても楽しく議論ができました。

参加した学生たちには、議論を聞くことによって、「運動史を研究する立場」(松田)と「運動する立場」(被爆者)との違いを体感してもらい、現代に近い生々しい時代を研究する近現代史の「難しさ」と「面白さ」を感じとってくれていると嬉しいなぁと思いました。

また被爆者以外の方からも有益なご助言を多数いただきました。ここに記して感謝申し上げます。