【授業紹介】有職故実 [2019年06月10日(月)]

こんにちは!歴文3年の淵です(^^)

今回は久保貴子先生による授業「有職故実」についてご紹介いたします。

そもそも有職故実とは、古来の先例に基づいた朝廷や公家、武家の行事や法令・制度・風俗・習慣・官職・儀式・装束などのことを指し、転じてそれらを研究することを指します。

この有職故実が学問として成立するのは江戸時代と言って差し支えないようですが、その起源は平安時代まで遡るようです。授業では、宮中の制度・儀式・装束などの有職全般にわたる平安時代の形成過程を学ぶとともに、それ以降の廃絶、中絶、復活や再興など歴史的変遷にも着目しています。

「有職故実」は上級生優先ですが、2年生から履修することができます。開設学科である歴史文化学科や日本語日本文学科の学生だけでなく他学科の学生もたくさん履修しており、文系理系問わず人気の授業です。

先生が配布してくださる資料プリントを使用する講義型の授業で、実際の宮中ではどのようなものが使用されていたか写真で見ることができます。

有職故実というと、私たちには関わりのない昔のことのように思えますが、実は現代に息づいているものも多くあるようです。そのことを意識しながら、様々な事柄の萌芽・形成・転変の過程を学び、歴史の連続性を認識していきます。

4月15日に行われた最初の授業では、有職故実の定義から説明が始まりました。有職とは、知識があることであり、故実とは古の事実、制度・儀礼上の古例習慣(先例)を指すそうです。そのため有職故実とは先例を研究して知る学問であると言えます。以上から有職故実の指す範囲は生活一般であると考えられ、非常に懐の広い学問といっても差し支えないかもしれません。

平安時代初期の有職故実という学問の萌芽は、701年に制定された大宝律令を研究することがきっかけであったようです。794年の平安京遷都以降に日本の制度が具備されて以降、文化は奈良朝の唐風から和様化の一途をたどります。その際に時の権力者であった摂関家の意向を反映した先例が時代と共に増加し、その例を踏襲する子孫による家流が誕生しました。そして各家が禁中行事を中心に様々な分野でどのような様式で事を運んでいったかを記す日記を作成していきました。つまり、有職(先例の知識のある)の家というのは多数の日記を収蔵している家なのです。

日記も様々な分野の有職があります。

院政期以降、政治や社会の変化に伴い故実が複雑化していきます。また武家の台頭から行事の改廃・中絶・再興もあり、往時の盛儀を復活するための努力が垣間見える書が大江匡房「江家次第」です。常に“以前はどうであったか”を気にかける学問であるため、「故実(先例)」を記す書の量は膨大です。

1340年に書かれた北畠親房の「職原抄」では、官職の肩書きやその起源、定員など政治的理念に関することがらが記されています。これは、武士に官位を希望された際に対応するために作られたものとされています。

そのほかにも後醍醐天皇「建武年中行事」や一条兼良「公事根源」など年中行事に関する有職書や、源雅亮「雅亮装束抄」など装束に関する有職書などがあります。

これらの書を通じて今の儀式の在り方や、今に伝わる物の起源を学ぶのが有職故実という学問である、というのが初回の授業の落としどころとなっていました。

毎回の授業の先生の熱のこもった説明は大変聴き応えがあります!興味のある方、ぜひこの授業を履修してみてください!とても楽しいですよ~!!