新任の湯上 良先生にインタビューしました!

こんにちは。

今回は西洋史ゼミ3年のメンバーが、担当の湯上良先生にインタビューをしました。

 

-「先生の専門分野を教えてください。」

湯上先生「西洋史とアーカイブズ学を専門としています。具体的には近世から近代のヨーロッパにおける情報管理について研究をしています。」

 

-「なぜそれを学ぼうと思ったのですか?」

湯上先生「ヴェネツィア大学の学部生の時、ヴェネツィア共和国では、さまざまなものに税金をかけていたことを知りました。その中で、同共和国の最大の税収であること、そして、ワインが好きだったこともあり、ワインの税金について勉強をしました。勉強していく内に、中には数値が一致していないものがあったり、書類に書かれた情報のやり取りがうまくいっていないものがあったりすることがわかりました。当時の情報管理はどのように行われていたのか気になったことがきっかけです。」

 

-「ワインの税金についての勉強から広がっていったのですね。その中の1つにアーカイブズ学があったのですか?」

湯上先生「そうですね。情報管理や書類のやり取りについて調べていると必然的に『昔の情報をどのように管理・利用し、現在に継承されたのか』という話になってきました。また、国立ヴェネツィア文書館の書庫で大量に所蔵されている古い文書を見て、こうした話も面白いと思い、研究をさらに発展させる形で始めました。」

 

―「どうしてヴェネツィアに行こうと思ったのですか?」

湯上先生「日本の大学を卒業後に就職した会社では、海外営業部の中近東アフリカ担当になりました。しかし、当時の急激な市場環境の変化を目の当たりにし、このまま「体育会系出身で、体力があります」だけでは通用しない状況になることを予感しました。一念発起し、ずっと興味を抱いていたヴェネツィアで、自らを鍛えなおすため、留学することにしました。」

 

―「日本の大学ではどのようなことを学んでいましたか?」

湯上先生「大学ではトルコ語を勉強して、トルコの近現代史を専攻していました。元々はヴェネツィアに興味があり、歴史的にトルコとの関係も深かったこともあり、当時まだできたばかりのトルコ語学科に入りました。」

 

―「日本にいる時はどのような学生でしたか?」

湯上先生「主にグラウンドにいました(笑)。アメリカンフットボール部に所属していたので、大体週に5日から6日ほど活動していました。1990年代からすでに科学的トレーニングが行われていて、練習時間も綿密に管理されていました。」

 

―「アルバイトなどはされていましたか?」

湯上先生「家庭教師をやっていました。チームの5回生コーチになってからは日雇いのアルバイトも経験しました。途中から飲食店の厨房のアルバイトもやりました。最初は結構大変な職場でしたが、徐々にスピード感にも慣れていきました。」

 

-「留学についてお聞きします。ヴェネツィアにはどのくらいの期間留学されていましたか?」

湯上先生「2001年から2015年までの13年間半です。特に学部での勉強は大変でした、専門分野以外にもイタリア文学史や方言の授業なども履修しなければなりませんでした。」

 

-「イタリアでの暮らしについて教えてください。」

湯上先生「指導教授が若くして亡くなるなど、大変なこともありましたが、イタリアの暮らしは、面白いハプニングばかりでした(笑)。ヴェネツィアは古い建物が多く、水道管なども壊れる場合もありますが、修理屋が中々来てくれないこともありました。しかし、イタリアで暮らしたことで良い意味でいい加減さが身についたのかもしれませんね。」

 

―「話は変わりますが、今の歴文の学生の印象はどうですか?」

湯上先生「学部生とこれだけ多くの授業をやるのはほぼ初めてで、大学院生との反応の違いを感じています。また、日本では、女性が8割を占める大学を卒業したのですが、女性が10割の環境は、やはり全く違うことに一番驚きました。出席管理も厳しいですが、授業開始の時間に履修者の皆さんが揃っている光景は、壮観です。」

 

―「休日は何をされていますか?」

湯上先生「YouTubeを見たり、スポーツを観たりしています。去年からは朝に軽く走ってもいます。基本的に身体を動かすことが好きです。あとは家にテレビを置いていません。イタリアで過ごしていた時にテレビを観なくなったことから、テレビのない生活でも大丈夫になりました。案外、気楽です。」

 

―「最後に今後西洋史を学ぶ人たちに一言お願いします。」

湯上先生「西洋史を学ぶと世界が広がることはもちろん、西洋文化を取り入れた日本自身を学びなおすことにもなります。アメリカや日本も元々はヨーロッパで作られた仕組みを多くの分野で取り入れています。特にイタリアは、先進国の行きつく先の一つの姿でもあると思っています。まだまだ日本が学ぶことはたくさんあると思います。」

 

先生ありがとうございました。

ヴェネツィアでのお話や学生時代の経験など、貴重なお話を聞くことが出来て、楽しかったです。

西洋史に興味のある方は、ぜひ湯上先生の授業を履修してみて下さい。

 

以上