2023年度 ヨーロッパ歴史文化演習Bについて

西洋史の湯上です。

今年度末にヨーロッパ歴史文化演習が再開されます。期間は、2024年3月8日(金)に羽田を出発し、15日(金)に羽田へ戻る旅程です。すでにForm経由での申込みも開始され、申込み期限は、11月6日(月)までです。詳しい要項は、7号館5階歴文教授室やCIEでチラシを配布していますので、ご覧ください。また、7号館5階の学生ホールにも掲示してあります。

申込みURLは次の通りです。https://kitos-001.jp/swu_2024europe/Entry/RegTop.aspx

本ブログでは、授業の具体的な内容について紹介したいと思います。

本授業の特徴は、2022年度から始まったアーキビスト養成にも関連し、観光大国でもある一方で、アーカイブズ大国でもあるイタリアの各機関も訪問する内容となっていることです。イタリアは、ヨーロッパの母とも言うべき国で、イタリアを通じてヨーロッパの歴史・文化の源流を学び、体感しましょう。また、出発前に事前講義や説明会を日本で行います。

羽田を出発し、乗り継ぎが比較的スムーズなミュンヘンを経由して、まずはローマに入ります。到着当日は、すぐに宿泊先で休んだ後、翌日はゆっくりとローマを観光します。10日に高速鉄道でフィレンツェに移動し、ウフィツィ美術館を巡ります。

11日は、街の大聖堂とともに、本旅程の目玉の一つ目である国立マルチェッリアーナ図書館を訪問します。同図書館は、いわゆる「図書館」ではなく、中世にも遡るような古典籍類も扱っている、歴史ある図書館です。司書でもあり、アーキビストでもあるルーカ・ファルディ館長を始めとした専門職の先生方の講義を受け、書庫を含め館内を見学します。ファルディ館長は、昨年まで長年にわたり、トスカーナ州内の国有以外のすべてのアーカイブズを管轄する国の機関、文書図書保護局で副局長を務められ、州内のあらゆるアーカイブズや図書を熟知された方です。夕方には、ヴェネツィアへ移動します。

12日は、二つ目の目玉である国立ヴェネツィア文書館を訪問します。イタリア共和国内で最も多く、フランス革命以前の旧体制国家のアーカイブズを所蔵しています。1797年に滅亡したヴェネツィア共和国で作成されていた文書類を主として構成されている書庫は、書架総延長80㎞近くにも及び、圧巻の一言です。アーキビストのモニカ・デル=リオ博士による講義を受けた後、書庫を含め館内を見学します。また、ヴェネツィア大学での講義や、総督宮殿、サン・マルコ寺院、サン・ロッコ大同信会など西洋史特論の授業でもお馴染みの場所を二日間かけて解説付きで訪問します。

14日朝にヴェネツィア空港を発ち、フランクフルト経由で翌日15日に羽田に戻るという旅程となります。イスラエルやウクライナ情勢等が気になりますが、京王観光から熟練の添乗員も同行し、安全が確保されています。西洋史やアーカイブズに興味のある方はもちろん、ヨーロッパに関心をもつ方々の申込みをお待ちしています。

以上