9月30日(月)に初等教育学科の特殊研究講座を開催しました。
今年度は画家・絵本作家・鳥の巣研究家としてご活躍されている、鈴木まもる先生をお招きし
「絵本と鳥の巣のふしぎ-鳥の巣が教えてくれること」をテーマにご講演いただきました。
鈴木まもる先生は画家・絵本作家として「せんろはつづく」「火の鳥 いのちの物語」(金の星社)、「みんなあかちゃんだった」「だっこ」(小峰書店)「ピンポンバス」(偕成社)等の多数の著書があります。
絵本作家であるだけでなく鳥の巣の研究の第一人者でもあり、鳥の巣に関する本も多数出版されています。
「絵本作家が鳥の巣の博士になったというところに鳥の巣の一番の不思議があります。その不思議の秘密が分かると世の中の色々なことの原因がわかります」
ということで話が始まりました。
講演の前半では、絵本作家というのはどのような仕事なのか、絵本作家になった経緯など、先生の幼少期のお話しを交えながらお話しをしてくださいました。
子ども時代、同じ字を何度も書くのが苦手で、想像の世界に入り込んでしまったという例です。
現在の学校教育では「あ」が教科書のお手本通り書けることが良いこととされる傾向があるが、
自由に感じたり考えたり色々な子どもがいてよいということを教えていただきました。
続いて、いくつかのきゅうりの苗を育てていたら、1つだけ地面を這って伸びるツルがあり、
何度も頑張って上に伸びるよう矯正しようとしたが、実はその苗はかぼちゃであり、
地面を這って伸びるのは正常な育ち方で、思い込みしないようにというお話をしてくださいました。
学生からは、
全ての子どもが同じように育つわけでない、育ち方に正解や間違いはない、人間は生まれながらにその人なりの生き方があることを学んだ。
将来、このことを心に刻みながら、子ども一人ひとりと丁寧に関わっていきたいと感じた。」
という感想がありました。
「こうあるべきだ、こうに違いない」と決めつけるのではなく、色々な子どもがいてよい、
自分らしく生きることが大切で親や先生は温かく見守ることが大事ということを教えていただきました。
次に、「みんなあかちゃんだった」(小峰書店)が作られた経緯をお話ししてくださいました。
「絵本を子どもに読むことは、心の安心を感じる場所を作ることだし、
子どもがこれから生きていく世界は安心できる場所だと伝えることでもあります」
小学校教諭、幼稚園教諭、保育者を目指す学生にとって、「絵本」「読み聞かせ」について改めて考える機会となりました。
後半は、先生が持参して下さった鳥の巣を実際に紹介してくださいました。
鳥の巣を触らせていただいたり、先生が世界で発見された鳥の巣の写真を見せていただいたりと大変貴重な機会となりました。
「鳥の巣は、お母さんのおなか」
講演に参加させていただいた学生からは
一つのことについて探究心を持って深く関わることは、自信を持って相手に伝えられる力にもつながっていくと感じた。
自分の選んだ道の中で多くのことを学び、吸収しようとすることやその姿勢を大切にしながら、自分の選んだ道と向き合っていきたい。」
という感想もありました。
鈴木まもる先生
貴重なご講演をいただき、誠にありがとうございました。