食安全マネジメント学科の授業紹介です。「バイオテクノロジーと食品」では、片田百合子先生(株式会社農林中金総合研究所)に外部講師として12月18日にお越しいただきました。
講義のテーマは「代替タンパク質と食品業界の動向―精密発酵技術の最前線―」です。
片田先生は、農林水産業および食品産業の動向を調査している専門家です。
代替タンパク質の代表として大豆ミートやプラントベースフードが有名ですが、今回の授業では、食品業界でいま大注目される次世代タンパク質をつくる「精密発酵」技術に焦点を当て、世界の食品業界における最新の動向を学生に伝えていただきました。
食品ビジネスで大注目される「精密発酵」とは何でしょう?
英語でprecision fermentationと呼ぶ「精密発酵」は、簡単にいうと、微生物による発酵を利用して特定の成分(タンパク質や脂質など)を生成する技術です。
食品以外に医薬品の分野でも利用されます。古代から人類が築いてきた「食品の発酵」を、最新のフードテックに応用した「精密発酵」を利用することで、動物を介さずに、乳タンパク質や卵白タンパク質、さらに甘味タンパク質をつくることができます。
片田先生の講義では、精密発酵をめぐる食品・素材分野の動向として、グローバル企業の市場への参入状況および各国の規制(安全性審査)を解説していただいた上、主要企業と具体的な製品パッケージを紹介していただきました。
精密発酵技術を利用した乳製品の開発は、アメリカのPerfect Day社が先行しており、ビーガンミルクであることやアニマルフリーの表示が製品パッケージからしっかり読み取ることができます。
今回の講義を通して、新しい食料生産技術によってつくられる食品・素材が、食料危機や環境問題に対処するうえで急速に進化していることが伝わったと思います。
それに加えて、食経験がない新しい食品(ノベルフード)の販売には、安全性の確認が非常に重要です。食品の開発は技術と安全性の両側面がそろって成り立つことを、授業を通して認識を深めていただけたでしょうか。