本学では初となるカンボジア(プノンペン)での夏の短期海外研修プログラムが実施されました。協定校であるプノンペン王立大学での学生交流と日本語指導、市内の小学校で国際理解授業の指導など、約1週間という短期間に多くの実践活動が盛り込まれたプログラムです。
現地学生との英語によるプレゼンやディスカッションは現地の学生の英語能力は大変高いレベルで今回参加した学生にはハードでしたが、なんとか乗り切ることができました。学生たちは自分の能力の限界に挑んだことで、次の目標が心に刻まれたのではないでしょうか。
また小学校での児童への指導では、日本文化を楽しく伝達するために、日本の季節行事をテーマ(節句、七夕、こどもの日)として兜づくりや、折り紙でのこいのぼり、七夕飾りなどを一緒に作りました。日本人らしい丁寧な指導ときめ細かい教材の準備には子どもたちも、先生たちも驚いていました。
一方で日本人学生たちは、子どもたちの授業での集中力や熱心さに驚き、子どもたちの七夕の短冊にみる家族や他人への思いやりに、経済的には豊かでも日本では失いつつある人間的な力の差にもいろいろと気づきがありました。途上国に行って何かの支援をしてあげたり、日本の自慢話をするのではなく、対等な立場でお互いの国や社会を知り、支え合うことを考える機会になりました。
多忙なプログラムに全力で取り組み、途上国での慣れない環境、苛酷な暑さにもかかわらず、
全員病気やケガ、事故もなく無事に終えることができたことを、このプログラムに関わったすべての方に感謝したいと思います。短い期間ではありましたが、学生たちにとっては一生心に残る経験とすばらしい成長の機会となりました。
カンボジア海外教育研修プログラム
【日 程】2015年8月7日(金)~8月15日(土) 8泊9日
【渡航先】カンボジア/プノンペン
【目 的】
1.途上国が直面する課題とその社会的背景、社会・文化を理解する。
2.真に現地の人々に役立つ国際協力の方法(ODA、NGO、社会起業など)について理解を深める。
3.自らの意志で主体的に行動し、問題を発見し解決に向けて努力する力を身に着ける。
4.海外で異なる背景を人々とコミュニケーションする力(語学力を含む)協働する力をつける。
【参加学生数】6名
【引率】米倉雪子(担当教員)
プログラム概要
1)見学・訪問
カンボジアの歴史・文化・社会、国際協力の方法を理解のためのフィールドトリップ
見学・訪問先:国立博物館、王宮、ワットプノン寺院、セントラルマーケット、トゥール・スレン虐殺博物館、チュンエク大量虐殺センター、幼い難民を考える会(CYR)、ピダンクメールなどのNGO
2)日本語会話ボランティア実習
プノンペン王立大学日本語学科1年生を対象に日本語会話ボランティアの実践活動
3)プノンペン王立大学学生との国際交流(英語でのプレゼンとグループディスカッション)
日本の生活や文化、社会などについて日本人学生が30分、同様に英語学科のカンボジア人学生が自国について30分プレゼンを英語で行い、その後、質疑応答など交流した。
午後は、日本語学科の学生と同様のテーマを日本語で発表し合い交流した。
4)トゥク・ラーク小学校での日本文化紹介・交流活動
カンボジアの小学5・6年生(約30人)を午前、午後の2クラス対象に、七夕、子どもの日など日本文化の紹介・国際交流を行った