2月6日(土)の修士論文発表会の後に、修了生臨床心理事例研究会(卒後研究会)が開催されました。
心理学専攻では、現場で働く心理学専攻修了生や学部心理学科卒業生がさらにスキルアップしていけるように、年に数回卒後研修プログラムとして「卒後研究会」を開催しています。当日は現役の大学院生も参加し、授業で学んださまざまな心理的支援のアプローチについて現場での実践から学ぶとともに、今後のキャリアのモデルに触れる貴重な場となっています。
今回は、心理学科助教の岩山が、「現場で使える認知行動療法の考え方~医療・教育領域における事例および連携の実際をもとに~」と題して、現場での臨床経験をもとに認知行動療法のふだん使いについて発表しました。
認知行動療法(CBT)は、治療効果が実証的に確認されているエビデンス・ベーストな治療法として紹介され、最近注目を集めています。さまざまなマニュアルや治療パッケージが開発され、関連書籍も多数ありますが、そのまま目の前の方に当てはめようとしても上手くいきません。当日は、認知行動療法の考え方を現場の臨床実践に活かすポイントについて具体例を用いながら解説しました。
院生の皆さんからは、「認知行動療法のイメージが変わった。これまではかたいイメージがあったが、クライエントの日常に沿って実践するということで身近に感じられた」という感想をいただきました。また、修了生の方からは、ホームワークの出し方や子どもへのアプローチ上の工夫点など、より実践的なご質問をたくさんいただきました。
当日は現役院生、修了生、教員合わせて約20名もの方々にご参加いただきました。今回は感染症対策のため、オンラインも併用したハイブリッド形式だったこともあり、全国各地から修了生の方にもご参加いただき、近況報告も行っていただきました。さまざまな現場で働いている先輩方の姿を見て、院生の皆さんも現場の雰囲気をそれぞれ感じ取っていたようです。
今後も臨床現場での実践を適宜伝えていければと思います。
(心理学科 岩山)