6月19日に大学院生の私(アナリン)他、研究生(キムヒョジュ/ホウゲン)が、本学附属高校にあるお茶室にて、高校の留学生たち(エマさん、サンディカさん)の送別会をかねてお茶会をしました。
去年12月に初回の送別茶会をその時の高校留学生三人のためにも設けました。その時もお茶の精神が入っている四字熟語「一期一会」について説明しました。今ここに意識をしなければ逃してしまうかもしれない瞬間に新しい出会いがあること、毎回同じ人、道具、お茶、お菓子が揃ったとしても、同じ瞬間を再現できないのだと説明しました。二回目のお茶会でも、高校生と院生がこの貴重な場を共にできたことにあらためて感謝の意を込めて「一期一会」のことばについて話しました。
裏千家のお稽古をしているアメリカ人亭主の私(アナリン)は、チョコチップのクッキーをお茶のお菓子として持ってきたところ、イタリア人高校生はホストファミリーの家で夜中までかかって、初めて作ったという「どら焼き」を持ってきていました。翌週に帰国してしまうフランス人高校生のために頑張って作ったそうです。
典型的な薄茶の「お干菓子」も用意されていました。この日は、富山県高岡市の国吉りんご風味の落雁にしました。この日のお茶室で薄茶を初めて飲んだ大学院生のキムヒョジュは韓国出身で、ホウゲンは中国の内モンゴル出身です。この二人もお茶の精神や抹茶とお菓子のことを知り、そこに色々な発見をしたと言っていました。落雁は抹茶の中に入れて飲むのではなく、お茶を飲む前にいただくのだということ、ヨーロッパ出身の高校生たちは、畳の部屋は中国や韓国にもあると思い込んでいたことも知りました。
キムヒョジュ: 「日本に来てからもうすぐ5年になりますが、茶道体験は今回が初めてでした!いろいろな作法があることは聞いていましたが、その所作の一つひとつに意味が込められていることを知り、とても感動しました。お茶を一服いただきながら、今この空間を共にしている人々や物のすべてに感謝の気持ちが湧いてきました。韓国とは全く異なる、日本独自の茶の文化に触れることができ、日本文化をより深く理解する貴重な時間となりました。これからも機会があれば、ぜひ体験してみたいと思います!」
ホウゲン:「お茶会の中で、何度か「一期一会」という言葉が出てきました。実は、私は以前もこの言葉を見たことがありましたが、なかなか読み方が覚えられなくて、「イキイカイ?」と読んでしまったことがあります。今回の活動では、アナリンさんが点ててくれたお茶や、高校生たちが心を込めて用意してくれたお菓子をいただきながら、「この瞬間、この出会いは一生に一度なのかもしれない。だからこそ、大切にしなければならない」という意味が、心に深く残りました。みんなの優しさや、国を越えて集まったこの時間こそが「一期一会」なのだと感じた一日でした。この気持ちをこれから大事にしていきたいと思います。そして、もう「イチゴイチエ」の読み方は、絶対に忘れません!(笑)」
この日、私は濃厚な風味が均等に広がる無農薬の鹿児島産お抹茶を使いました。お客さんが自分で選んだお茶碗で一服飲んでから、高校留学生も茶道具を使って抹茶の点て方を初体験しました。
2年アナリン