平成31年度新任教員研修報告 [2019年04月11日(木)]

日時:平成31年3月23日(土)13:00~15:40
対象:平成31年度新規入校者
参加者:新任教員11名、副学長1名、各部長・次長5名、FD推進委員3名
内容:
平成31年度4月着任予定者計11名を対象に、本学の建学の精神および教育の特色・学生支援の制度についての理解を深めることを目的として新任研修が行われた。冒頭の司会者からの本研修会の目的及びプログラムの概要説明に続き、以下のとおり実施された。
1.「本学のFD活動について」
緩利誠 FD 推進委員長より本学 FD 活動(FDの目的、授業改善アンケートおよび報告書、FD講演会等年間のスケジュール、授業公開)についての説明が行われた。また、授業改善アンケート結果については、教員評価には使用しない点、FDサロン、FD講演会について、新任者は参加対象である点、確認がなされた。
2.「教学全体にかかわる取り組みについて」
森部康司教務部次長から教学全体に関わる取り組み(グローバル化、地域連携)について、大学の4ポリシーの設定、本学独自の文化講座・学寮、キャリア教育の取り組みなどの概要説明の後、資料およびUP SHOWA画面を用いて授業運営上の留意事項について確認・解説が行われた。参加者からは、授業における学生への効果的なフィードバックの方法などの質問があり、GoogleClassroomを活用する事例が紹介された。
3.「学生の進路・キャリア支援体制について」
磯野彰彦キャリア支援部長から、本学のキャリアデザイン・ポリシー、キャリア支援システム(キャリア教育、キャリア支援プログラム、社会人メンター制度)、学科ごと・支援センターの取り組み、インターンシップ、2種類の就職率についての説明があった。参加者からは卒業生に対する支援や、資格を取得した学生に対するキャリア支援についての質問があった。
4.「本学の入試・学生募集等について」
藤島喜嗣アドミッション部長からはアドミッション部、アドミッション・ポリシー、入試スケジュール、入試業務、広報業務(オープンキャンパス、授業見学会、出張講義、ブログ、SNS)についての説明と協力の依頼があった。

休憩をはさんで後半は以下のとおり実施された。
5.「学生支援・クラス運営について」
鈴木円学生部長により、本学の学生支援の大枠(学寮研修、CA制度)の説明、心構えの確認後、学生便覧(大学での生活)を資料として、各種届(公欠願)、UP SHOWA 、学内放送・掲示板、キャンパスマナー(通学路)、ハラスメント、個人情報保護、災害防災マニュアル、障がい学生への対処、集団守秘についての説明があった。
6.「国際交流・留学について」
柏木厚子国際連携本部部長から、昭和ボストンの紹介、CIEによる留学生との交流プログラム、長期留学・サマーセッション・協定大学についての説明の後、SSIP、テンプル大学との単位互換やダブルディグリープログラムについて説明があった。
7.「本学の研究支援について」
最後に吉田昌志副学長から、学内の教員研究費、海外学会発表支援助成金(2019年度~)、各自の応募による研究助成金、科学研究費などの学外研究費について、さらに研究倫理教育や関連委員会などの研究支援体制および研究費執行ルールについての説明があった。
 
研修会終了後、学内見学を希望した参加者に、1号館(総合教育センター・教学支援センター)、ソフィア、学園本部館、図書館、創立者記念講堂、グリーンホール、西門を簡単に案内した。
 事後のアンケートからは、「昭和女子大学の教育の特色や制度について、その概要を知ることができた。」といった回答が多くみられた。他、UP SHOWAの活用法や科研費他研究支援についての情報を詳しく知りたい、フォローアップ研修を半年後に実施してほしいなどの意見が寄せられた。

平成30年度FDサロン報告(平成30年10月10日実施) [2018年11月01日(木)]

日 時:平成30年10月10日(水)15:00~16:00
場 所:学園本部館3階 大会議室・中会議室
テーマ:あらためてアクティブラーニングを問う ― 学生の能動的参加を促す教員の工夫と葛藤
 
■第1グループ
「アクティブなシンガポール人が日本の大学でアクティブラーニングを進める奮闘記」
発題者:現代教養学科 シム チュン・キャット / 司会・記録:日本語日本文学科 笛木美佳
参加者:23名
 
 シンガポールの高校までの教育を簡単に紹介された後、日本の大学生に対応した授業の工夫について、現代教養学科2年生必修科目「現代教養入門Ⅲ」を例に話された。その後、2冊の参考書(『SEVEN MYTHS ABOUT EDUCATION』『アクティブラーニング 学校教育の理想と現実』)をご紹介、日本はアクティブを〈活動的な学び〉ととらえてきたが、〈主体的・能動的な学び〉なのであって、「ラーニング」が重要であると締めくくられた。
 会場からは、上記科目のルーブリックの項目設定や教員同士の調整について、基礎がないとアクティブには展開できない科目の対処法、アクティブラーニングを受けていない教員の戸惑い、知識の獲得が最優先の科目・外国語科目のアクティブラーニングの導入法などについて質問が出た。
〔文責:笛木美佳〕
 
■第2グループ
「資格取得を目的にモチベーションを高め、やる気を持続させるためには」
発題者:管理栄養学科 石井幸江 / 司会・記録:環境デザイン学科 下村久美子
参加者:10名
 
 管理栄養学科では所属する学生全員が管理栄養士の資格取得を目指している。しかし、目的意識には個人差もあり、早い時期から資格取得の明確な目的意識を持たせることで積極的な取り組みを行うことができる。また、モチベーションを維持していくためのサポートが重要であることから、模擬試験、学生個々に向けた面談、情緒的サポート、Eラーニングの導入、合宿による学習指導、特別講師による講義を実施している。また、ゼミでは、学生達は自主的にグループ学習を行い、学生同士で教え合うことで学んでいる様子もみられ成果を上げている。ラーニングピラミットで提唱されている“教え合うことによる効果的な学習”となっている。つづいて参加者から所属学科で取得できる資格やその取り組みについての事例なども紹介された。大学教育はあくまで基礎的な知識の上に専門性を高めて成り立つものであり、資格の取得のみに力点を置かれることも懸念せねばならない。そのうえで、学生の目的意識を高め学習意欲を引き出す必要があるなど意見交換し終了した。
〔文責:下村久美子〕
 
■第3グループ
「専門科目と一般教養科目のアクティブ・ラーニング:苦手な教員による実践例の紹介」
発題者:現代教養学科 常喜 豊 / 司会・記録:英語コミュニケーション学科 金子弥生
参加者:17名
 
 常喜先生は動物生態学がご専門で、専門科目と一般教養科目におけるアクティブ・ラーニングの実践例をご紹介された。アクティブ・ラーニング実践のため、学生にはポイントだけを伝え、言いすぎないことを心がけている。その結果、例えば専門科目の「東京社会調査研修」では自然庭園を活用した自然教育イベントを学生自ら企画し実践した。教員は自分が「楽しい」と思うことをテーマに選び、学生と共に動くことで教員自身の勉強になりかつ学生のすばらしさに気づくことができる。履修者100名を超える一般教養科目ではアクティブ・ラーニングを取り入れるのは難しく、フィールドワークを入れた中間レポートを課し、その学術的価値を学生に示すこと以外のアイディアがなかなか浮かばないとのことで、大人数クラスでのアクティブ・ラーニングに対する提案、意見をフロアに求めたところ、発表時間1分で毎回数人の学生に発表せる授業、ITを利用した特殊研究講座の紹介などがあった。また、専門科目と一般教養科目でのアクティブ・ラーニングの目的は同じなのか、資格のための授業などアクティブ・ラーニングを取り入れることが難しいものもなるなどのコメントが寄せられた。
〔文責:金子弥生〕



平成30年度 FD講演会報告(6月20日実施) [2018年07月25日(水)]

開催日:平成30年6月20日(水)16:30~17:35
場 所:学園本部館3階 大会議室
テーマ:ライト・アクティブラーニングのすすめ:大・中人数講義型授業での主体性学びの自然な引き出し方
講 師:橋本 勝教授 富山大学 教育・学生支援機構教育推進センター副センター長
参加者数:177名

 橋本氏は「橋本メソッド」の橋本先生として知名度が高く、大・中人数の講義型授業において、学生の主体性を引き出し、自然に積極的な授業参加を促すライト・アクティブラーニングの紹介とその効果を、今回は現在開講中の120名を上限とする「2018現代社会論」という授業を例にとり、話された。参加者はライト・アクティブラーニングを疑似体験しながらの講演をうかがった。
 新学習指導要領では、アクティブラーニングは、1)主体的、2)対話的、3)深い学びと定義されている。だが、大人数講義型授業や、所謂「『スムーズな』卒業や就活優先のカリキュラム」、資格試験・国家試験合格率等の評価という「日本特有な大学事情」を考慮すれば、特に教養科目においては「個々の学生にとって負担」が軽くなるよう構成されたライト・アクティブラーニングこそ大学にふさわしい授業形態なのではないか。そもそもアクティブラーニングのポイントは、学生および教員にとって能動的であるか否かであり、そのカギは「楽しさ」にある。楽しさは学生・教員がともに楽しいと思ったときに感じるものであり、楽しいからこそ学生が思わず能動的、換言すれば主体的に行動してしまうのである。学生を能動的に学ばせるためのキーワードは、1)競争原理、2)ゲーム感覚、3)遊び心、4)相互刺激、5)楽しさである。「楽しさ」を味わうことで、学生は知らず知らずのうちに幅広い知識を身に着け、「深い」学びへと導かれてゆくことが多々ある。大学では、強制的に勉強するのではなく、主体的に、楽しく学ぶべきである。学生が新しい発見をしながら楽しく学ぶためには、教員が知っていて学生が知らないことのあるテーマを選ぶのは効果的である。「2018現代社会論」の授業の進め方については、紙面の関係上、ハンドアウトを参照にされたい。
 フロアからは、意欲や実力に差のある学生をどのように評価するのかという質問が出た。成績としては、チーム点と個人点がある。チーム点は、授業での各チームの発表を基準に基づき上限55点で評価する。チーム内であまり貢献していない学生も同じ点数となるが、誰かを使えばよい成績が取れるか考えるのは、一つの処世術でもあるという観点からの評価である。個人点では、意欲の高い学生を満足させ、且つ意欲の低い学生をやる気にさせることに心配りしている。方法としては、「シャトルカード」に毎回授業で学生が記載したコメントを評価、教員のコメントを必ず付けて返却する、その他、試験点などを活用している。
 橋本先生の多人数討論型授業は、すべての回を公開している。事前予約なしでもよいが、事前に連絡すれば当日のテーマ等をお知らせくださるとのことである。また、先生のご著書、『ライト・アクティブラーニングのすすめ』(ナカニシヤ出版)のご紹介があった。

平成30年度新任教員研修報告 [2018年04月11日(水)]

日 時: 平成30年3月24日(土) 13:00~15:40
場 所: 大学1号館2階会議室A(2M01)
参加者:新任教員16名、副学長2名、各部長4名、FD推進委員長、FD推進委員2名
 
平成30年度4月着任予定者計16名を対象に、本学の建学の精神および教育の特色・学生支援の制度についての理解を深めることを目的として新任研修が行われた。冒頭司会者からの大学組織の説明に続き、緩利誠 FD 推進委員長より本学 FD 活動(授業改善アンケートおよび報告書、FD講演会等年間のスケジュール、授業公開)についての説明が行われた。また、授業改善アンケート結果の個人的公表は認められていない点、確認がなされた。
 
続いて井原奉明教務部長から教学全体に関わる取り組みについて、4ポリシーの設定、本学独自の教育(文化講座・学寮)、積極的単位認定の説明の後、資料に基づき授業運営上の留意事項の確認・解説が行われた。参加者からは、個人情報の扱い(個人PCを用いてのデータ取得やレポートの保管など)、感染症以外の病欠等の扱い、ツールとしてのスマホ・PCの授業中の使用について、授業時間延長の際の学生への対応について質問が出された。
 
磯野彰彦キャリア支援部長からは、本学のキャリアデザイン・ホリシー、キャリア支援システム(キャリア教育、キャリア支援プログラム、社会人メンター制度)、学科ごと・支援センターの取り組み、インターンシップ、2種類の就職率についての説明があった。
 
藤島喜嗣アドミッション部長からはアドミッション部、アドミッション・ポリシー、入試スケジュール、入試業務、広報業務についての説明と協力の依頼があった。
 
休憩をはさんで後半では、鈴木円学生部長により、前提として本学の学生支援の大枠(学寮研修、CA制度)の説明、学生意識調査の結果の紹介、心構え(「すべては学生のために」)の確認後、便覧を資料として、UP SHOWA 、各種届、キャンパスマナー、ハラスメント、個人情報保護、障がい学生への対処、学生相談室(含 集団守秘)についての説明があった。参加者からは、アスペルガー症候群・発達障害等の大学の方針、および学生対応について質問があった。
 
増澤史子副学長から、ボストン昭和の紹介の後、【送り出し】として、長期留学・サマーセッション・協定大学について、【受け入れ】としてSSIPについて説明があった。文科省グローバル人材育成事業(S評価)、テンプル大学ジャパンの誘致、学生による国際交流活動にも触れた。
 
最後に吉田昌志副学長から本学の研究支援について、学内の教員研究費、各自の応募による研究助成金、科学研究費などの学外研究費について、さらに研究倫理教育や関連委員会などの研究支援体制について、研究費執行ルールについての説明があった。さらに、新任教員に対して新入生のガイダンスに出席するよう、奨励がなされた。
 
会終了後、学内見学を希望した参加者に、1号館(総合教育センター・教学支援センター・ソフィア)、本部館、図書館、創立者記念講堂、グリーンホール、西門を簡単に案内した。参加者から、共同研究室の場所、特任の研究費について質問があった。
 
事後のアンケートからは、「昭和女子大学の教育の特色や制度について、その概要を知ることができた。細かい点については、詳細なマニュアルを必要な時に参照すればよいということがわかり、安心している」といった回答が多くみられた。他、「授業改善アンケートの自由記述の事例」「科研費、助成金の使用」「図書館の文献利用」などについても説明がほしかったとの意見が寄せられた。

平成29年度FDサロン報告(平成29年10月11日実施) [2017年10月30日(月)]

日 時:平成29年10月11日(水)15:00~16:00
場 所:学園本部館3階 大会議室・中会議室
テーマ:「ルーブリック評価の導入と実践に向けた可能性を探る」

■第1グループ:レポート評価
発題者:日本語日本文学科 横山紀子/司会:日本語日本文学科 笛木美佳
[参加者26名]

 第1グループでは、「日本語教育学」と「第二言語習得研究」がご専門で、言語能力評価のための基準をルーブリックで示すプロジェクトに携わってこられた横山紀子教授に、ルーブリック評価の実際についてお話しいただいた。
 まず、評価の基準となる表についての説明があった。縦軸の「評価の観点」と横軸の「達成度」によりできる枡目の中に「達成の目安になる内容」を記載することで完成するが、横軸の「達成度」は1、2、3、4と記載する場合もあるが、A、B、C、Dや、「達成」「もう少しで達成」「もう少し頑張れ」等のメッセージでもよいとのこと。
つぎに、ルーブリック評価の実際について、授業時に使われた評価表に基づき、「評価の観点」4つの各得点のウエイトや「達成度」の適度な段階数、評価内容に関する記述の適切さの評価方法等について具体的な説明があった。
 さらに、ルーブリック評価の特徴に関して、①教員と学生が評価の観点を共有できる、②学生の自己評価の能力を育てる、③「教育目標-教育活動-評価」の一貫性を確保しやすいという3点が紹介された。特に①に関しては、レポート課題の提示と同時にルーブリックも提示し、高い評価をもらうためには何が必要かを学生に認識してもらうことが重要であり、②に関しては、学生に自己評価を提出させることで自己評価の姿勢を育てることも重要であるとの指摘があった。また、③と関連するが、実際にルーブリックで評価してみると、「学生には何が難しいのか」がわかるほか、「自分の指導法の適切さ」を考える機会にもなるとのことであった。
 つづいて参加者は、「ルーブリックの特徴について賛同できる点」、「ルーブリックの実践について疑問に思う点」、「実際のレポート課題を評価するルーブリックを作ることを想定した場合、どんな困難や障害があるか」について小グループで話し合いを行った。最後に、参加者から出された「学生の自己評価とギャップが生じた場合はどのように対処するのか」、「ルーブリック評価表を作ることで評価が固定しないか」、「評価表を見せることで、やる気のない学生が『(最高評価でなく)この程度でよい』と考えないか」、「達成度が中間段階の場合の評定は」、「学生の達成度を上げていく方法は」などの質問に発表者がコメントし、終了した。
〔文責:清水 裕〕

■第2グループ:プレゼンテーション評価
発題者:英語コミュニケーション学科 井原奉明/司会:管理栄養学科 海老沢秀道
[参加者25名]

 第2グループでは、最初に、現在、英語コミュニケーション学科2年ゼミで実施している授業の中で、特にプレゼンテーションに関する部分を抽出して授業の評価方法、学生の学習方法、授業の進め方を中心に報告があった。複数の教員が同じシラバスで行う授業であり、教員間で到達目標として「論争的なトピックについて情報・資料を収集して意見を構成し、説得的なスピーチの技能を習得する」ことを共有している。授業方法は、学生が与えられたトピックから1つを選び、4名程度のグループに分かれて段階を踏んでプレゼンテーションのためのアウトラインを作成していく。学生には事前に評価の方法を開示し、評価方法を念頭に置いて学生はプレゼン準備できるようにするのがポイントである。また、説得力のあるプレゼンをするために、伝える「目的」をはっきりさせ、テーマ、大まかな目標、ゴール、アウトライン(四部構成からなる意見提示方法)を作成する。授業時には、グループ別にエビデンスを使った論証ができているか、チェックシートを使用しながら確認、今後の論旨を考える。教員は、学生が事前に調査してきたことをグループで話し合っている間、各グループを回って、適宜、アドバイスを与えるが、その際、「教えすぎない」ことを心掛ける。あえて「わからない」部分を残し、学生に考えさせる工夫をし、提出物などを確認しながら、「わからない」点が解決できたかを確認、わからないままにしておかないことを心掛けることが重要であるとのことだった。
 つづいて参加者は発題者からの方向を受けて、小グループで話し合いを行った。参加者からは、ルーブリック評価に従ったプレゼンを準備することで、学生の独創性がなくなるのではないかという意見がでた。これに対しては、2年ゼミということもあり、まずは学生にプレゼンの見本を身につけさせることを考えているとの回答があった。また、学生の伸びしろを評価するのか、最終プレゼンの出来を純粋に評価するのかとの問いには、理想的には両方を評価するのがよいのでは、との回答だった。その他、ルーブリック評価とは何かを全員で話し合い、終了した。
〔文責:金子弥生〕

■第3グループ:デザイン評価
発題者:環境デザイン学科 桃園靖子/司会:ビジネスデザイン学科 薬袋貴久
[参加者7名]

 第3グループでは、桃園靖子教授から、環境デザイン学科で担当しているデッサン、立体造形、プロダクトデザイン演習、発想とイメージなどの授業で取り組んできた、学生のスキルや発想力などを伸ばすために実施している工夫と評価方法について、学生の作品を示しながら報告がなされた。先生が担当しているプロダクトコースの授業では、プロダクトデザインをしていくために必要な、基礎的なテクニックと発想力、思考力、プレゼンテーション力が習得できるように工夫している。例えばデッサンでは、まず鉛筆による基本的なデッサンでの立体表現を学んだ後、空間を意識して濃淡の彩色による表現する手法を学んでいく。課題の過程でプレゼンテーションを入れ、学生同士がお互いの作品を見ることで、自分に不足しているところに気が付くようにアドバイスをしながら、制作過程での様子を見て評価することを取り入れている。デザイン分野では、デザインのプロセス、テクニック、プレゼンテーションを中心となるが、各々計画的に行っているかどうかも評価対象としている。評価は感覚的な思考で難しい点もあるが、評価軸をもって評価してくことを心がけている。評価する項目は、デザインプロセス、デザインテクニック、プレゼンテーション、思考力、展開力、構成力、計画力についてとし、配点は細かく5点刻みで評価していく方法を実施している。レクチャーの後、参加者から成果物だけでなく、その過程を評価する点は、デザインだけではなく取り入れていくことが必要である、グループ活動での評価の際は学生個人の成果を評価するために、各々の役割をあて取り組み方を評価するなどグループワークでの評価方法などにで共有事項が多いなどの声が寄せられた。
[文責:下村久美子]

平成29年度 第1回FD講演会報告(6月21日実施) [2017年07月04日(火)]

開催日:平成29年6月21日(水)16:30~17:30
場所 :学園本部館3階 大会議室
講師 :濱名 篤 氏(関西国際大学 学長)
テーマ:「3つのポリシーの実質化とアセスメントによる質保証
参加者数:179名

 濱名篤先生は、文部科学省中央教育審議会臨時委員などを兼職されておられ、高等教育論、教育社会学の専門家である。講演の要旨は次の通りである。
 大学教育に関する内部質保証のPDCAサイクルが提示され、3つのポリシーに基づく、計画に対して、アセスメントポリシーによる評価が求められている。本日の焦点はこの評価方法を中心とする。
 質保証の可視化の方法は、一元的な尺度や一律の定量化が妥当かどうか、抽象度の高い、検証不可能な評価で社会が納得するのだろうか?問われているのは、学位プログラム+大学全体が優先であるが、個々の学生の評価も含まれる。そこで、ポリシーの設定は検証できることが必須条件である。また、評価の方法は目的に合わせて、多元的・複眼的に評価することが必要である。例えばKPI(Key Performance Indicator)による目標管理と質保証、戦略指標ダッシュボード作成による、到達度を数値で示した事例や、定量指標による実証としてTOEIC®のスコアの上昇で示した例がある。海外ではミクロ(科目)、ミドル(科目群・コース)、マクロ(一般教育全体)として目標を設定し、IRが卒業生の中からサンプリングし、教員からなる評価チームを編成し、各チームがそれぞれの学修成果に焦点を当てた評価活動を実施し、評価チームごとの結果についてコンセンサスをつくり、レポート作成後、学内に配布する事例もある。
 関西国際大学(KUIS)では、開設以来これまで主体的な学びのための教学マネジメントの構築に向けて、様々な取り組みをしている。KUIS学修ベンチマーク、卒業認定と学位授与の方針(DP)、CP(1学科)、AP、さらにこれらの評価事例で紹介していただいた。たとえばDPの評価については、毎学期の自己評価とアドバイザー面談を実施し、学生個々の成長を自覚させ、その評価をクラスアドバイザーがアドバイスする形式で行っている。その他、ルーブリックを活用したアセスメント、海外での学習成果の重層的・多元的評価の到達事例など、様々な評価方法について紹介いただいた。
 これらの経験から、PDCAサイクル、教育単位の中でのつながり(学年、学科、大学~企業・社会・地域など)が重要であるなどに気づいた。アセスメントの基準と方法として、測定可能な目標設定、評価方法は直接と間接を組み合わせること、私学の独自性は全国標準を取り入れるだけでなく、独自性を活かすためのルーブリックを活用した多元的な評価の可能性を探るべきである。大学教育改革の方向性は汎用性を持った「知識・技能」「思考・判断力・表現力」「主体的態度」といった学力3要素を育成できる大学教育の質保証のメカニズムの確立を目指すことにある。学習成果の可視化は必然であり、今後さらに要求が強まるであろう。講演後、質疑応答が行われ盛会のうちに終了した。 

以上

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平成29年度新任教員研修報告 [2017年04月14日(金)]

日 時: 平成29年3月25日(土) 13:00~15:40
場 所: 大学1号館2階会議室A(2M01)
参加者:新任教員10名、副学長、各部長4名、国際交流センター長、FD推進委員長、FD推進委員2名

平成29年度4月着任予定者および平成28年度9月入校者計10名を対象に、本学の建学の精神および教育の特色・学生支援の制度についての理解を深めることを目的として新任研修が行われた。冒頭司会者からの大学組織の説明に続き、吉田昌志FD推進委員長より本学FD活動(授業改善アンケート、FD講演会等年間のスケジュール)についての説明が行われた。
続いて井原奉明教務部長からはまず授業運営の基盤として、この5年間の大学の中期目標、ディプロマ・ポリシー、到達目標、カリキュラム等について説明があった。その後、配布資料に基づいて授業運営、教室設備、UP SHOWAの活用、出欠席、試験等について具体的な解説があった。参加者からは成績評価における平常点と試験点の配点比率、絶対評価・相対評価について質問が出された。
森ます美キャリア支援部長からは、本学のキャリアデザイン・ポリシー、キャリア教育、キャリア支援プログラム、社会人メンター制度、教員および職員のキャリア支援体制についての説明があった。
続いて藤島喜嗣アドミッション部長からはアドミッション部、アドミッション・ポリシー、入試スケジュール、入試業務、広報業務についての説明と協力の依頼があった。
休憩をはさんで後半では、山崎洋史学生部長による本学の学生支援、学寮研修、クラスアドバイザー制度、ハラスメント、保健管理室、障がい学生支援室、学生相談室についての説明があった。
そして西川寿美国際交流センター長から本学の国際交流・留学についての説明があった。本学の学生が海外に留学する派遣留学生、受け入れ留学生の状況、留学生の科目等履修生への対応、学生による国際交流活動などについての説明が行われた。
最後に小原奈津子副学長から本学の研究支援についての説明が行われた。研究費に関する内容としては、学内の教員研究費、教育活動と研究活動の両立、各自の応募による研究助成金、科学研究費などの学外研究費について、そして研究倫理教育や関連委員会などの研究支援体制についての説明があった。参加者からは学内研究費について備品の購入は可能か、学内研究助成金応募採択のタイミングと学外研究費との関係について質問があった。またサバティカル制度の有無についても確認する質問が出された。
全体で2時間を超える研修であったが、参加者からは熱心に参加する姿勢がうかがえ「具体的な話がうがかえた。」「充実した内容であった。」といった感想や、「学生支援の諸制度、CA業務、ハラスメント」「予算執行や納品検収」について説明がほしかったとの意見が寄せられた。

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平成28年度 第3回FD講演会報告(2月15日実施) [2017年03月09日(木)]

日時:2017年2月15日(水)15:00-16:00
場所:80年館西棟6階コスモスホール
講師:Karen M. Bowely (Program Director at Showa Boston)
   John C. McCarthy (Director of Curriculum at Showa Boston)
通訳:小西卓三(英語コミュニケーション学科教務部委員)
テーマ:Outcome-based Curriculum Design
共催:英語コミュニケーション学科、FD推進委員会

 “Outcome-based curriculum”について講演するにあたり、まず、”Outcome”とは何かについて説明したい。”Outcome”とは、学生が学習を通して作り上げた成果のことであり、”Outcome-based curriculum” とは、教員がその成果をルーブリックに沿って同じ基準軸で評価することができるカリキュラムであり、それがこのカリキュラムの特徴である。
 このカリキュラムのポイントは、5つある。第一に、学生が授業終了時までに何ができるようになっているべきかを事前に理解してそれを達成する努力をすること、教員は学生のレベルに合わせて達成可能は目標を立てることである。第二に、教員は、学生の成果を通しで学生が何を学んだかを理解し、それを共通基準で評価できるシステムを構築することである。第三に、学生のレベルにあった達成可能な目標を立てること、第四に、関連性、例えば、エッセイを書くに際して、エッセイ作成に必要な様々なステップが授業で学んだ内容を関連しているかを確認することである。最後に、学生が与えられた課題を完成させるのに十分な時間を取れるよう授業前に教員は計画をたてることである。
 このカリキュラムの利点について説明する。このカリキュラムは”Best Practice”の考え方と一致しており、学生は学期末までに達成できることを考え学習することができる。授業で達成すべきこと、その評価基準を学生に示すことで、透明性を保つことができる。また、同一科目では異なるレベルのクラスであっても基本的に学ぶべき内容は同一である。例えば、引用の仕方など、基本的に抑えるべき知識をカバーするということである。同じクラスのセクション(例:ライティングのクラスでアドバンストクラスのセクションが5つある等)では同じ成果を求められるという一貫性を保つ必要がある。そして、こうしたカリキュラムを継続することで、実際のデータに基づいて今後の方針を決定することができるのである。
 このカリキュラムを実行するにあたり、ボストンではFD活動として、専門家を招いて”outcome”について学び、教員同士が担当科目について真剣に意見交換して理解を共有している。また、認証評価者からの助言で、FD、プログラム開発、学生の達成度、カリキュラムという4つのコミッティを設けた。次に、学生に適した”outcome”(成果)をコミッティが中心となって作り上げ、教員および学生の評価システムを使用することとした。まに、教員採用に際しては、”outcome”を十分理解してもらうよう、”outcome”についての質問をする、シラバスのテンプレートに”outcome”に関する記載を明記することで、ボストン校の教育方針を徹底させている。
 教員に”outcome-based”のカリキュラムを受け入れてもらうために、FDとしてサポートしている。また教員間のコンセンサスを取り、例えば授業がうまく運ばない場合は、教員間で話し合い、全員で変更すべき点を検討し必要に応じて変更している。学期末には教員は必ずミーティングに出席し、次年度に向けてのフィードバックを行っている。
 最後に、このカリキュラムでは、学生と教員が互いにパートナーとして授業を進めていくことが大切であり、学生は教師が求めているもの、教員はどこに学生を導いていくべきかを理解することが大切である。
 講演後は質疑応答も行われ、ボストン校と東京校でよい情報交換の場となった。

以上

平成28年度第3回FD講演会アンケート結果

平成28年度 FDスキルアップセミナー(12月21日実施) [2017年01月13日(金)]

日 時:平成28年12月21日(水)15:30~16:30
場 所:学園本部館3階 中会議室
講 師:鈴木円准教授(人間社会学部初等教育学科)
テーマ:「Google Classroomを活用した授業の実践報告」
参加者数:48名

 Googleサービスの一つである「Google Classroom」を活用した授業の方法について、初等教育学科の鈴木円准教授から実践事例の紹介・報告がなされた。まず初めに「Google Classroomとはなにか?」という基本的な事項の説明があり、次のような長所(メリット)が提示された。例えば、①クラウドベースのサービスでディバイスを問わずにアクセスできることの便利さ、②学内アドレスでのみアクセスするがゆえのセキュリティ面での有利さ、③他の多彩なGoogleアプリと組み合わせて活用できることの発展性、および、④他の類似サービスに比べると、比較的機能が限定されており、シンプルだからこその使い勝手のよさ、などである。
その後、「Google Classroom」の活用にあたっての条件や基本的な利用の仕方について、実際の事例をもとにした丁寧な解説があり、授業での活用方法が紹介された。例を挙げれば、授業資料(PDF)や動画ファイルの共有、参考資料の紹介、課題の提示、クラウド上でのコメントのやりとり、および、採点の入力などである。また、他のGoogleサービス「Google Form」と組み合わせることで、より効率的な事前学習の課題提示と即時的なフィードバックが可能であることも、ご自身の事例をもとに披露された。発展的な利用法として、学生相互が意見交換・交流することも可能であるということであった。
 鈴木先生ご自身は、授業内ではあまりICTは使わず、チョーク&黒板を基本とし、授業外学習で「Google Classroom」をはじめとするICTをご活用されているということであった。授業内でICTを使うと学生たちの意識が拡散してしまう、というのが主たる理由である。授業のハンドアウトをいちいち印刷・配布したり、コメントペーパーを配布・回収し、その後、集計したり、コメントづけしたりというアナログなやり方に比べると、デジタルの方が便利だからこそ「Google Classroom」も利用されているということであった。ただし、ICTはあくまでもツールであるという理解をはじめ、サービスの内容や機能もどんどん変わっていくことには注意が必要である、クラウドサービスであるがゆえのデータ消去などのリスクも理解しておかなければならない、などの諸点についても、あわせて注意喚起されていた。ご講演後は質疑応答が行われ、セミナー終了後も様々なやりとりが交わされていた。中高部の先生方も参加してくださり、盛況のうちに終了した。

以上

平成28年度FDスキルアップセミナーアンケート結果
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平成28年度 第2回FD講演会報告(12月7日実施) [2017年01月13日(金)]

日時:平成28年12月7日(水)15:00~16:00
場所:学園本部館3階 大会議室
講師:臼倉美里(東京学芸大学専任講師)
テーマ:「授業運営のアイディア―海外に興味を持たせるために」
参加者数:52名

 東京学芸大学専任講師、本学非常勤講師の臼倉美里先生に、英語を専門としない者も含め、日本で学ぶ学生が英語を使えるようになるアイディアをご紹介いただいた。
 自己紹介の後、先生が実践なさっている授業運営方法とそのポイントをいくつか参加者も実際に体験しつつ講演を伺った。
日本に住みながら世界との結びつきを考える際に大切なのは、国単位というよりはさらに小さな点から世界に目を向け、世界とのつながりを考える、所謂「グローカル化」がポイントである。英語を通して、学生たちに世界への興味を持ってもらうためには、まず、自分の国に興味を持たせる必要がある。つまり、自国との相違を理解することで、他国を知る方法である。その例として、「目玉焼きに何をかけるか?」という問いを、授業では英語で学生に話し合わせているという。今回は、参加教員が日本語で質問しあった。その結果、塩と胡椒、ソース、チリソース、醤油など、予想以上に様々な答えが返ってきた。そこには出身地、国籍などの相違が反映されており、参加者は自分とは異なる人が存在することに気付くきっかけになる。英語で質問させる場合のポイントは、自分のよく知っていることを題材に選ぶこと。そうすることで発言すべき内容を考えることなく、英語を使うことに集中する環境を作ることができる。また、同じ内容を扱った英語表記と日本語表記のニュースを比較し、両者でどのような相違点、同じ表現があるかを確認することでも日本と他国の立場の相違を理解することができることを確認した。
 その他、身近なところから国際比較を行う方法としては、教室の座席の国際比較を行った。現在、国際比較のための材料として利用できるサイトがあり、これらを利用して各国の特徴を比較、討議することができる。また、英語の歌を使って、文法の確認やヒアリング力の向上に利用できることを参加教員で実践した。
 最後に、海外に興味を持たせるために役立つ教材としては、NHK World(ウェブサイト)や『日本のことを1分間英語で話してみる』(広瀬直子著、中経出版)の他、TUNAGARU Japan、Tokyo Girl’s Update など、学生の身近な話題を扱ったサイトの紹介があった。

以上

平成28年度第2回FD講演会アンケート結果
第2回FD講演会