2020年度FDサロン報告(2020年10月7日実施) [2020年11月16日(月)]

日 時:2020年10月7日(水)15:00~16:00
場 所:Zoomミーティング
テーマ:ICT利活用・オンライン授業作り

■第1グループ
タイトル:「オンデマンド形式による実験・資格授業の壱例」
発題者:管理栄養学科 桝田和彌 専任講師 / 司会・記録:管理栄養学科 調所勝弘

昭和女子大学のオンライン講義は、3つの授業タイプ(A・B・Cタイプ)があるが、先生は学生の周辺機器等を含めた受講状況、自身の担当科目の内容等を考慮してオンデマンド形式(Bタイプ)を選んだとのこと。また、実際に講義動画を作成するにあたって、他大学、放送大学及びYouTube等の情報により講義形式を模索し、講義動画については、時間及びデータ量と、画質より音質に注意を払うなど考慮し作成した。そもそも、実験科目の講義動画についてはノウハウもなく、わからないことが多かったが、試行錯誤を繰り返し、何とか作成し配信した。配信後、学生の反応は良好との声が多く得られた。
サロン参加者から、作成にあたりどのぐらい時間がかかったのかとの質問があり、先生の回答は、かなり労力が必要であるということだった。今回の話題提供は、オンデマンド形式の授業について、詳しく説明していただき、わかりやすく今後の授業の参考となる内容であった。

■第2グループ
タイトル:「講義型授業(大人数)の場合の実践例」
発題者:ビジネスデザイン学科 長屋真季子 専任講師 / 司会・記録:日本語日本文学科 笛木美佳

基礎的な経済学の知識を習得することを目的とした講義型の科目(92人、159人、81人、44人)について、ZoomとUPSHOWAのみを用いた授業の実践例を説明された。信頼関係の構築を念頭にクイックレスポンスの実践(メール・問い合わせ・チャット)と理解度の把握を常に心がけたこと、学生の集中度を考慮して授業時間を20分刻みの3分割(トピック+クイズタイム)としたこと、投票機能を使って問題演習・解説・理解度確認(教師のみならず、学生自身も自分の理解度の相対的立ち位置の確認可)をしたこと、試験は少々難しめの問題を加えたtake home exam方式で行い問題なく実施できたこと等を話された。その後ブレイクアウトセッションで、長屋氏の発題をヒントに、参加者同士各自の実践例を語り合った後、全体のディスカッションに移行、「教科書・副教材と授業との関係」「take home exam方式の不正行為対策」「投票機能の保存のしかた」「書画カメラの利便性」「ブレイクアウトセッションの効率的な発表のさせ方」「チャットの保存の方法」など、さまざまな意見交換がなされた。

■第3グループ
タイトル:オンライン授業における学生間コミュニケーションについて
発題者:英語コミュニケーション学科 カーリン清佳 専任講師
/ 司会・記録:英語コミュニケーション学科 鈴木 博雄

 話題提供者が英語コミュニケーション学科1年生対象の「基礎ゼミ」(2020年度前期)で実施したオンライン授業における、学生間のコミュニケーションを活性化させるための授業実践について体験談を報告した。具体的には以下の内容であった。①授業中、学生どうしで雑談をさせることは、アイスブレークを導く効果がある。②授業内外のグループ学習による情報・経験の共有や意見交換は論理的思考力を向上させるうえで有益である。③グループプレゼンテーションによる発表の機会を設けることにより、学生間のコミュニケーションを充実させることができる。上の学生間コミュニケーション促進の工夫に加え、教員と学生のコミュニケーションを強化する方策として、①学生シートを作成し、個々の学生の考え方、趣味等を調べてから授業を進めた。②学生からのコメントや質問に対するフィードバックを積極的に行った。
以上の話題提供の後、質疑を行った。質疑後は参加者が3~4名にブレークアウトし、意見交換を行った。

■第4グループ
タイトル:オンライン講義での演習授業の実例
発題者:環境デザイン学科 三星安澄 特命講師 / 司会・記録:環境デザイン学科 下村久美子
 
 先生ご自身の演習授業組み立ては冒頭のアイスブレイク、次に学生同士が話せる場、最後に教師と学生が話す講評の3構成とし、メリハリをつけ授業内で学生が自ら参加する雰囲気作りに取り組んでいる。授業課題は自宅内での観察力や分析力で提案・製作するなど、オンライン環境を生かし臨機応変に考案し、提出物に対する評価は個々にコメントを返している。オンライン授業では学生の萌芽を見出しづらく、学生と信頼関係を築くことが難しい点は課題である。実例を紹介いただいた後、意見交換に移った。学生作品の共有方法など具体的事項についての質疑応答や、参加者から実践例を紹介いただき情報交換を行った。

人材育成の目標・方針、教員に求める能力 [2020年09月30日(水)]

大学が定める「求める教員像」に則りFD活動を行う。

求める教員像

建学の精神ならびに教育目標を十分理解したうえで、教員としての職務と責任を自覚し、以下の項目について実践する教員であること。
(1)大学及び各学部・研究科等の教育方針と3つのポリシーに基づき、熱意をもって学生の教育・指導を行うこと。
(2)優れた研究業績をあげ、その研究成果を学生に教授し、また広く一般にも発信することによって、社会に積極的に貢献すること。
(3)大学並びに所属組織において、より効果的な運営に向けた取り組みに協力し、本学の目的を達成するために尽力すること。

2020年度FD講演会 [2020年07月23日(木)]

開催日:2020年6月17日(水)16:30~17:30、
場所:Zoomウェビナー
テーマ:「After コロナを見据えた学びを求めて」
講師:平井 聡一郞 氏 (株式会社情報通信総合研究所
ICT リサーチコンサルティング部 特別研究員)
参加者数:210名

コロナ禍後、従来の教育環境がICTを中核とした環境にどのように移行していくのかということについて、同災害発生直後の教育実態に鑑みながら講演が行われた。要旨は次の通りである。
第1に、コロナ禍のような非常事態に対応できる、ICTを中核とした教育環境の整備が益々重要になる。同災害に対応するための教育手段として導入された、初等中等教育における同期型のオンライン授業の成功事例は熊本市に見られるものの、同授業の全国的な導入は限定的であり、従来の紙媒体の非同期型授業が行われているのが実態である。コロナ禍に対応した教育が効率的に実施されていないのは、ICTリテラシーの低さと非常時に対する危機意識の不足が起因している。この反省が、知識伝達中心の一斉授業から多様な学びを可能にするGIGAスクール構想の実現を加速化するであろう。
第2に、今後、学習者が主体的に考え、行動する能力を獲得するための効率的な教育環境が整備される。その結果、我々が現在携わっている仕事のバリエーションは大いに変化し、コミュニケーション、クリエイティビティ―、スペシャリティーが一層重視される社会に移行する。
第3に、ICT教育により、知識集約型の学習はAIに担わせ、技能集約型の学習はロボットに担わせることになる。つまり、知識はオンデマンド、技能はAIドリル、探求力はオンラインというような学習手段の分別が鮮明になる。学習量よりも、むしろ、学習方法を学ばせることに主眼を置く教育環境が整備され、知識のインプットよりも、能力のアウトプットを重視したアプリも開発される。
第4に、ICT教育によるコミュニケーション能力の育成については、現行のコミュニケーション教育に劣らない効果が期待できる。確かに、コミュニケーション能力は、ICT教材に頼るよりも、むしろ、人と人が対面して意思疎通することにより向上すると考えられる傾向がある。しかし、オンラインとオフラインの異なる場面においてコミュニケーション能力を発揮できるICT環境の整備は、スーパーゼネラリストの育成につながると考えるべきである。
 最後に、上の4つの視点は次のように総括できる。ICTによる学習は自力で行動をコントロールできる能力の育成につながる。主体的な行動制御能力を備えた人材の社会進出により、効率的なテレワーク社会の到来が期待される。
講演中Zoom画面を利用した質疑応答も行われ、盛会のうちに終了した。 
以上

2020年度新任教員研修報告 [2020年04月29日(水)]

日時:2020年3月28日(土)YouTube配信
対象:2020年度新規入校者
内容:
2020年度4月着任予定者を対象に、本学の建学の精神および教育の特色・学生支援の制度についての理解を深めることを目的として新任研修を行った。冒頭、緩利誠FD推進委員長より今回は新型コロナウイルス感染予防の見地から、ビデオ視聴の形で行う旨、断りがあった。
【前半】
1.「本学のFD活動について」
緩利誠 FD 推進委員長より本学 FD 活動(FDの目的、授業改善アンケートおよび報告書、FD講演会等年間のスケジュール、学科内FD)についての説明が行われた。2020年度「ICTの利活用」をテーマとして企画されているFD講演会(6月17日)、FDサロン(10月7日)について、新任者は参加対象である点、確認がなされた。

2.「教学全体にかかわる取り組みについて」
井原奉明教務部長から、方針(教育目標と3ポリシー、3つの特別重点目標)、心構え(授業に関わる全般の説明、教職員WEBの紹介)、授業運営上の留意事項(カリキュラムツリー確認、受講学生数の調整、出欠確認、休講と補講対応、成績評価について、UP SHOWAの紹介)、個人情報の取扱いについての説明がなされた。

3.「学生の進路・キャリア支援体制について」
磯野彰彦キャリア支援部長から、本学独自のキャリアデザイン・ポリシー、キャリア支援システム(キャリア教育、社会人メンター制度)、就職支援・就職の実際(2種類の就職率、就職先・ミスマッチの検証、学科の強みを活かした就職、卒業生の努力)についての説明があった。

4.「本学の入試・学生募集等について」
藤島喜嗣アドミッション部長から、アドミッション部について、アドミッション・ポリシーについて、入試業務(入試の種類とスケジュール、受験者数の推移、新任教員への依頼事項:入試問題作成と採点・監督・判定原案の作成)について、広報業務(オープンキャンパス、授業見学会・出張講義、大学案内・学科HP)についての説明があった。

【後半】
5.「学生支援・クラス運営について」
鈴木円学生部長より、本学の学生支援としてCA制度、学生相談室、障がい学生支援室があり、学科も含めてチームで支援を行っている旨、説明がなされた。さらに学寮研修についての説明があった。学生との距離の取り方について、教員はあくまで学生の自主性伸長のサポートを担うとの心構えの確認後、キャンパスハラスメントについての注意がなされた。

6.「国際交流・留学について」
志摩園子副学長(グローバル推進担当)から、グローバル教育について(スーパー・グローバルキャンパス、短期の多様な留学プログラム、長期認定留学制度、SSIP、昭和ボストンの様々なプログラム、テンプル大学ジャパンとの連係)、それらを支える国際交流センターと教員組織によるサポート体制について説明がなされた。

7.「本学の研究支援について」
吉田昌志副学長(研究担当)からまず、事務関係については研究支援課、学科によってはメンター教員、および教務部委員・学科長が相談窓口になることが示された。その上で研究支援について学内の研究費(教員研究費・研究旅費)、研究助成金(3つの助成金と科研費奨励金、海外学会発表支援助成金)について説明がなされた。ほか科研費等の紹介と、研究費受給その他の事務手続きの案内があった。さらに研究倫理教育について説明があった。
以上

2019年度FD講演会② [2020年03月01日(日)]

開催日:2020年1月22日(水)16:30~17:30
場所 :グリーンホール
テーマ:「外国人留学生の学習に関する理解を深めるために」
講師 :
・山崎 真伸氏   国際交流センター(CIE)次長
・西川 寿美氏   日本語日本文学科教授、文学研究科言語教育・コミュニケーション専攻主任、チーフ留学生コーディネーター
・大場美和子氏  日本語日本文学科准教授
・植松 容子氏  日本語日本文学科専任講師
司会: 笛木 美佳氏 日本語日本文学科准教授
参加者数:172名

 

本講演会は、グローバル化に向けた取り組みとして、外国人留学生の学習に関する理解を深め、現状を知ることを目的として開催した。概要は次の通りである。

 

Ⅰ.留学に関する国際的な潮流(CIE:山崎氏)

日本政府の方針「留学生30万人計画」は2017年に達成している。世界的にも留学生は増加している。留学生の留学形態としては、2つの形式がある。A:伝統的な留学:海外の大学・大学院での学位取得が目的、通常2-5年の長期留学(Degree Seeking(正規留学生))、B:海外の大学・大学院での単位修得が目的、通常1年未満の短期留学(Non Degree Seeking(非正規留学生))である。世界と日本に共通してB形式の留学が多くなってきている。正規留学生は高度外国人材として期待されている一方、就労を目的とする留学生には大学として注意が必要である。

 

II.本学における留学生の現状(西川氏)

本年度の留学生の現状について、日本語能力試験(JLPT)分布や留学形態(正規、短期)、過去5年間の留学者の推移、本学の留学生に対するサポート体制についての紹介があった。本学でも留学生が増加している。特に短期留学生が増えている背景には、本学から交換留学する学生が増加していることによる。留学生の科目等履修の留学生が増えているので履修科目調査への協力をお願いしたい。本学では留学生のための学習支援として日本語チューター、会話/言語交換パートナーなど、様々なサポート体制が用意している。

 

III.日本語能力試験と専門日本語の違いについて(大場氏)

JLPTは原則として日本語を母語としない人を対象に、日本語能力を測定し、認定することが目的であり、大学や大学院の学習を保証するものではない。大規模試験のためマークシート形式で行われる。大学ではN1のための勉強をするより専門分野の語彙を覚える方が大切であると考えられる。専門分野毎に用語解説が開設されたサイト(日本語読解学習支援システム)があるので活用を推奨する。受け入れ側としてはどのような留学生を受け入れ、育成していくのかという学科の方針をふまえ、教育の在り方を検討する必要がある。その際、専門的な学習をサポートする専門知識のある教員が入ることが望ましい。

 

IV.留学生の授業履修における実際(植松氏)

N1~3の日本語レベル、留学生の授業での様子について具体的に紹介された。例としてリアクションペーパーは一部の留学生にとっては短時間で提出を促すのは困難な場合もあるため時間をおいて提出させるのが効果的である。また、留学生からは授業中の専門用語が難しいとの声もある。まずもって留学生自身の自助努力が求められるが、ピアサポートをはじめ、独習のためのWebサイトや公開されている授業動画の活用などのサポートも必要となる。特に専門分野の学習支援では留学生に情報を提供し、活用を促した方が良い。

以上の講演後、質疑応答の時間が設けられ、盛況にて終了した。

以上

 

2019年度FDサロン報告(2019年10月9日実施) [2019年11月14日(木)]

日 時:2019年10月9日(水)15:00~16:00
場 所:学園本部館3階 大会議室・中会議室
テーマ:グローバル時代における教養教育の在り方を考える

■第1グループ
「『グローバル化って何?』から始めるグローバル時代の教養教育」
発題者:総合教育センター 森本直子 / 司会・記録:英語コミュニケーション学科 鈴木博雄
[参加者:21名]

発題者は、自身の経歴がグローバルな生き方に結びついていることを紹介した後、教養教育におけるグローバルな人間育成の在り方について、主として以下の5点を語った。第1に、在留外国人の出身が英米圏主流ではないことから、英語力がグローバルな思考の基準になるわけではない。第2に、講義内容に限定されず、学問に対する教員の姿勢を学生に示すことで、多様な価値観を認識させたり、自分の常識が世界の常識ではないことを自覚させ得る。第3に、刑事裁判の傍聴等、本物を見せることが、社会で起きている問題や自分の生き方を考えさせる契機となる。第4に、学生間でノートを回覧させることで、クラスメートの関心や考え、文章力を知る機会を与える教育を実践している。第5に、教養教育で体幹を鍛えることにより、変化に動じず、逆境にも折れない人間が育成される。以上の話題提供を受けて、ディスカッションに入り、「何をもってグローバル化したと言えるのか。」「学生を授業に巻き込むためには、日常と結び付けて考えさせる。」「教養教育は自由人の育成である。」等、活発な意見交換がなされた。
〔文責:鈴木博雄〕

■第2グループ
「グローバルな発言力を鍛えるには?~災害が増加する世界に生きる世代の防災力を高めながら~」
発題者:ビジネスデザイン学科 小西雅子 / 司会・記録:環境デザイン学科 下村久美子
[参加者7名]

小西特命教授が担当している授業「世界の環境と防災」「ビジネス交渉学」での工夫を具体的に紹介いただいた。授業形式はアクティブラーニング型で、テーマはグローバルな(例えば持続可能なSDGsについてなど)課題とし、さらにその課題がいかに自分の競争力につながるかを説き、学生が主体的に考え、より現実社会で役に立つかを自覚し自分のこととして取り組めるようにしている。学生のグローバル社会における発言力をつけるために発声練習を取り入れ、質問の仕方を伝えるなど、発言力も評価対象としている。さらに、実社会とのつながりを実感するために学外(例えば大使館など)に赴き学生がプレゼンテーションを行う。このような場でのプレゼンテーションは学生のやる気を起こさせる機会にもなっているようだ。以上の話題提供をいただいたのち、出席者からは、アクティブラーニングの受講人数や実施する教室形態、多人数でアクティブラーニング形式の授業をする際のTAの必要性など具体的な質問や意見交換がなされた。

〔文責:下村久美子〕

■第3グループ
「人生の『武器』としての歴史学―歴史学研究者としての教養教育への取り組み―」
発題者:歴史文化学科 松田忍 / 司会・記録:日本語日本文学科 笛木美佳
[参加者:10名]

中教審の2002年答申「新しい時代における教養教育の在り方について」を確認された上で、「グローバル時代」の前後で教養教育は変わるべきものではないこと、学生と「一期一会」の教養科目の特性ゆえ、学生に対して一歩踏み込んで、他流試合(自らの専攻分野の「真の価値」を問う戦場)をなし得ると話された。そして、学問の最先端(エッセンス)を話す、論点の軸は示しつつ、学生に徹底的に考えさせ、知識を有機的に結合していく姿勢を養うべく授業を展開なさっていることを、担当科目の実例を挙げつつ、説明された。ディスカッションでは、学生に「考えさせる」、「考える頭を作る」、「そのきっかけを与える」という点が強く共有され、その他「正解は求めないのか」「資料配付のタイミングはいつか」「授業後にも考察を継続させる工夫は何か」等、活発に質疑応答が交わされた。
〔文責:笛木美佳〕

2019年度FD講演会 [2019年07月10日(水)]

開催日:2019年6月19日(水)16:00~17:00
場所 :グリーンホール
テーマ:「TUJの教学マネジメントとその実際―大学における学びの
日米比較を中心にして―」
講師 :島田敬久 氏 (テンプル大学ジャパンキャンパス
アカデミック・アドバイジング・センター ディレクター
/学部課程カリキュラム開発コーディネーター)
参加者数:183名

本講演の要旨として、次の4点を挙げる。
第1に、カリキュラムと質保証の関係について、シラバス、コースナンバー(ナンバリング)、カリキュラム編成の3つの視点から説明がなされた。シラバスは、どのような知識やスキルが身につくかを保証するための、大学と学生間で交わされる「契約書」であり、履修科目決定の効率化を促進する「指導書」として明示された資料という捉え方をする。各教員から大学に提出されたシラバスは当該部門によってチェックされ、不備があれば差し戻される。シラバスには授業レベルの指標としてのコースナンバーが明記され、カリキュラム体系の中の位置づけが分かる。また、体系化されたコースナンバーにより、他大学のカリキュラムとの比較も容易になる。ただし、コースナンバーは、履修制限を行ったり、低学年の学生による上級科目の履修を妨げるものではない。なお、シラバスの集合としてのカリキュラムを編成するうえで、大学のミッションとの整合性及び科目配置の経済性(例えば、類似科目が並置されていないかについての配慮がなされているか)の観点を持つことが重要である。
 第2に、ファカルティ・ディベロップメントについて。教授法 (Pedagogy)、カリキュラム開発、その他関連する分野の研究・実践に関するコンサルテーション、ワークショップ開催や研究費の補助を積極的に行っている。
第3に、履修計画指導については、原則としてアドバイジング・センターが一元的に担当している。アドバイジングは任意であるが、全学生に対し、1セメスターにつき最低1回の面談を働きかけている。履修計画指導におけるアドバイジングで推奨するのは、「秋・春両学期 (15週)、15~16単位履修(4~5科目)」、「夏学期 (10週)、9~12単位履修(3~4科目)」を目指すことや、コースナンバーから難易度を予測しつつ履修計画を立てることなどである。
成績不振者 (GPA<2.00) には1~2科目での履修を推奨し、その後徐々に科目数を増やしていくように指導している。さらに、中間成績評価で「手遅れ」になる前に学生にアプローチすることが、ドロップアウトする学生数の減少につながっている。
第4に、教職員の協働体制(CARE Teamとカリキュラム開発チーム)について。前者はアドバイジング、学生サービス、障がい学生支援、カウンセリング、教員の代表メンバーで構成される。後者は、教員・職員 (アドバイザー) 双方から働きかけ、科目間の連続性に配慮しつつ協働でブラッシュアップしていく。
講演後、質疑応答が行われ盛会のうちに終了した。

平成31年度新任教員研修報告 [2019年04月11日(木)]

日時:平成31年3月23日(土)13:00~15:40
対象:平成31年度新規入校者
参加者:新任教員11名、副学長1名、各部長・次長5名、FD推進委員3名
内容:
平成31年度4月着任予定者計11名を対象に、本学の建学の精神および教育の特色・学生支援の制度についての理解を深めることを目的として新任研修が行われた。冒頭の司会者からの本研修会の目的及びプログラムの概要説明に続き、以下のとおり実施された。
1.「本学のFD活動について」
緩利誠 FD 推進委員長より本学 FD 活動(FDの目的、授業改善アンケートおよび報告書、FD講演会等年間のスケジュール、授業公開)についての説明が行われた。また、授業改善アンケート結果については、教員評価には使用しない点、FDサロン、FD講演会について、新任者は参加対象である点、確認がなされた。
2.「教学全体にかかわる取り組みについて」
森部康司教務部次長から教学全体に関わる取り組み(グローバル化、地域連携)について、大学の4ポリシーの設定、本学独自の文化講座・学寮、キャリア教育の取り組みなどの概要説明の後、資料およびUP SHOWA画面を用いて授業運営上の留意事項について確認・解説が行われた。参加者からは、授業における学生への効果的なフィードバックの方法などの質問があり、GoogleClassroomを活用する事例が紹介された。
3.「学生の進路・キャリア支援体制について」
磯野彰彦キャリア支援部長から、本学のキャリアデザイン・ポリシー、キャリア支援システム(キャリア教育、キャリア支援プログラム、社会人メンター制度)、学科ごと・支援センターの取り組み、インターンシップ、2種類の就職率についての説明があった。参加者からは卒業生に対する支援や、資格を取得した学生に対するキャリア支援についての質問があった。
4.「本学の入試・学生募集等について」
藤島喜嗣アドミッション部長からはアドミッション部、アドミッション・ポリシー、入試スケジュール、入試業務、広報業務(オープンキャンパス、授業見学会、出張講義、ブログ、SNS)についての説明と協力の依頼があった。

休憩をはさんで後半は以下のとおり実施された。
5.「学生支援・クラス運営について」
鈴木円学生部長により、本学の学生支援の大枠(学寮研修、CA制度)の説明、心構えの確認後、学生便覧(大学での生活)を資料として、各種届(公欠願)、UP SHOWA 、学内放送・掲示板、キャンパスマナー(通学路)、ハラスメント、個人情報保護、災害防災マニュアル、障がい学生への対処、集団守秘についての説明があった。
6.「国際交流・留学について」
柏木厚子国際連携本部部長から、昭和ボストンの紹介、CIEによる留学生との交流プログラム、長期留学・サマーセッション・協定大学についての説明の後、SSIP、テンプル大学との単位互換やダブルディグリープログラムについて説明があった。
7.「本学の研究支援について」
最後に吉田昌志副学長から、学内の教員研究費、海外学会発表支援助成金(2019年度~)、各自の応募による研究助成金、科学研究費などの学外研究費について、さらに研究倫理教育や関連委員会などの研究支援体制および研究費執行ルールについての説明があった。
 
研修会終了後、学内見学を希望した参加者に、1号館(総合教育センター・教学支援センター)、ソフィア、学園本部館、図書館、創立者記念講堂、グリーンホール、西門を簡単に案内した。
 事後のアンケートからは、「昭和女子大学の教育の特色や制度について、その概要を知ることができた。」といった回答が多くみられた。他、UP SHOWAの活用法や科研費他研究支援についての情報を詳しく知りたい、フォローアップ研修を半年後に実施してほしいなどの意見が寄せられた。

平成30年度FDサロン報告(平成30年10月10日実施) [2018年11月01日(木)]

日 時:平成30年10月10日(水)15:00~16:00
場 所:学園本部館3階 大会議室・中会議室
テーマ:あらためてアクティブラーニングを問う ― 学生の能動的参加を促す教員の工夫と葛藤
 
■第1グループ
「アクティブなシンガポール人が日本の大学でアクティブラーニングを進める奮闘記」
発題者:現代教養学科 シム チュン・キャット / 司会・記録:日本語日本文学科 笛木美佳
参加者:23名
 
 シンガポールの高校までの教育を簡単に紹介された後、日本の大学生に対応した授業の工夫について、現代教養学科2年生必修科目「現代教養入門Ⅲ」を例に話された。その後、2冊の参考書(『SEVEN MYTHS ABOUT EDUCATION』『アクティブラーニング 学校教育の理想と現実』)をご紹介、日本はアクティブを〈活動的な学び〉ととらえてきたが、〈主体的・能動的な学び〉なのであって、「ラーニング」が重要であると締めくくられた。
 会場からは、上記科目のルーブリックの項目設定や教員同士の調整について、基礎がないとアクティブには展開できない科目の対処法、アクティブラーニングを受けていない教員の戸惑い、知識の獲得が最優先の科目・外国語科目のアクティブラーニングの導入法などについて質問が出た。
〔文責:笛木美佳〕
 
■第2グループ
「資格取得を目的にモチベーションを高め、やる気を持続させるためには」
発題者:管理栄養学科 石井幸江 / 司会・記録:環境デザイン学科 下村久美子
参加者:10名
 
 管理栄養学科では所属する学生全員が管理栄養士の資格取得を目指している。しかし、目的意識には個人差もあり、早い時期から資格取得の明確な目的意識を持たせることで積極的な取り組みを行うことができる。また、モチベーションを維持していくためのサポートが重要であることから、模擬試験、学生個々に向けた面談、情緒的サポート、Eラーニングの導入、合宿による学習指導、特別講師による講義を実施している。また、ゼミでは、学生達は自主的にグループ学習を行い、学生同士で教え合うことで学んでいる様子もみられ成果を上げている。ラーニングピラミットで提唱されている“教え合うことによる効果的な学習”となっている。つづいて参加者から所属学科で取得できる資格やその取り組みについての事例なども紹介された。大学教育はあくまで基礎的な知識の上に専門性を高めて成り立つものであり、資格の取得のみに力点を置かれることも懸念せねばならない。そのうえで、学生の目的意識を高め学習意欲を引き出す必要があるなど意見交換し終了した。
〔文責:下村久美子〕
 
■第3グループ
「専門科目と一般教養科目のアクティブ・ラーニング:苦手な教員による実践例の紹介」
発題者:現代教養学科 常喜 豊 / 司会・記録:英語コミュニケーション学科 金子弥生
参加者:17名
 
 常喜先生は動物生態学がご専門で、専門科目と一般教養科目におけるアクティブ・ラーニングの実践例をご紹介された。アクティブ・ラーニング実践のため、学生にはポイントだけを伝え、言いすぎないことを心がけている。その結果、例えば専門科目の「東京社会調査研修」では自然庭園を活用した自然教育イベントを学生自ら企画し実践した。教員は自分が「楽しい」と思うことをテーマに選び、学生と共に動くことで教員自身の勉強になりかつ学生のすばらしさに気づくことができる。履修者100名を超える一般教養科目ではアクティブ・ラーニングを取り入れるのは難しく、フィールドワークを入れた中間レポートを課し、その学術的価値を学生に示すこと以外のアイディアがなかなか浮かばないとのことで、大人数クラスでのアクティブ・ラーニングに対する提案、意見をフロアに求めたところ、発表時間1分で毎回数人の学生に発表せる授業、ITを利用した特殊研究講座の紹介などがあった。また、専門科目と一般教養科目でのアクティブ・ラーニングの目的は同じなのか、資格のための授業などアクティブ・ラーニングを取り入れることが難しいものもなるなどのコメントが寄せられた。
〔文責:金子弥生〕



平成30年度 FD講演会報告(6月20日実施) [2018年07月25日(水)]

開催日:平成30年6月20日(水)16:30~17:35
場 所:学園本部館3階 大会議室
テーマ:ライト・アクティブラーニングのすすめ:大・中人数講義型授業での主体性学びの自然な引き出し方
講 師:橋本 勝教授 富山大学 教育・学生支援機構教育推進センター副センター長
参加者数:177名

 橋本氏は「橋本メソッド」の橋本先生として知名度が高く、大・中人数の講義型授業において、学生の主体性を引き出し、自然に積極的な授業参加を促すライト・アクティブラーニングの紹介とその効果を、今回は現在開講中の120名を上限とする「2018現代社会論」という授業を例にとり、話された。参加者はライト・アクティブラーニングを疑似体験しながらの講演をうかがった。
 新学習指導要領では、アクティブラーニングは、1)主体的、2)対話的、3)深い学びと定義されている。だが、大人数講義型授業や、所謂「『スムーズな』卒業や就活優先のカリキュラム」、資格試験・国家試験合格率等の評価という「日本特有な大学事情」を考慮すれば、特に教養科目においては「個々の学生にとって負担」が軽くなるよう構成されたライト・アクティブラーニングこそ大学にふさわしい授業形態なのではないか。そもそもアクティブラーニングのポイントは、学生および教員にとって能動的であるか否かであり、そのカギは「楽しさ」にある。楽しさは学生・教員がともに楽しいと思ったときに感じるものであり、楽しいからこそ学生が思わず能動的、換言すれば主体的に行動してしまうのである。学生を能動的に学ばせるためのキーワードは、1)競争原理、2)ゲーム感覚、3)遊び心、4)相互刺激、5)楽しさである。「楽しさ」を味わうことで、学生は知らず知らずのうちに幅広い知識を身に着け、「深い」学びへと導かれてゆくことが多々ある。大学では、強制的に勉強するのではなく、主体的に、楽しく学ぶべきである。学生が新しい発見をしながら楽しく学ぶためには、教員が知っていて学生が知らないことのあるテーマを選ぶのは効果的である。「2018現代社会論」の授業の進め方については、紙面の関係上、ハンドアウトを参照にされたい。
 フロアからは、意欲や実力に差のある学生をどのように評価するのかという質問が出た。成績としては、チーム点と個人点がある。チーム点は、授業での各チームの発表を基準に基づき上限55点で評価する。チーム内であまり貢献していない学生も同じ点数となるが、誰かを使えばよい成績が取れるか考えるのは、一つの処世術でもあるという観点からの評価である。個人点では、意欲の高い学生を満足させ、且つ意欲の低い学生をやる気にさせることに心配りしている。方法としては、「シャトルカード」に毎回授業で学生が記載したコメントを評価、教員のコメントを必ず付けて返却する、その他、試験点などを活用している。
 橋本先生の多人数討論型授業は、すべての回を公開している。事前予約なしでもよいが、事前に連絡すれば当日のテーマ等をお知らせくださるとのことである。また、先生のご著書、『ライト・アクティブラーニングのすすめ』(ナカニシヤ出版)のご紹介があった。