開催日:平成26年2月13日(水)
場 所:学園本部館大会議室
テーマ:英語を母国語としない教員による英語での授業実施の実際
講 師:創価大学経済学部教授 勘坂純市氏
参加者数:75名
創価大学経済学部において2009年から開講されているJapan-Asia Studies program(JASプログラム)授業での実体験をもとにした講演が行われた。
JASプログラムはInternational Program(IP)を終えてTOEFL-ITP530等の基準を満たした学生を対象として、留学生と日本人学生が英語で日本・アジアの経済・社会を学ぶプログラムである。IPは英語による講義を受けるトレーニングであり、各セメスターでサバイバルが行われる結果、最終的には40~50名が残る。JASプログラムでは5~15人の受講生により、相当量のリーディングを課した上でのディスカッションに基づくインタラクティブな授業が行われる。
つづいて勘坂氏自身の授業が紹介された。英語による原稿は作らず、1回の授業で3~5センテンスを覚えて講義に臨む程度だが、講義資料(パワーポイント)作成に、日本語の講義の5倍ほどの準備時間をかけている。学生には10~15ページのリーディングを課して、それについての300語程度のessayを書かせ、すべて目を通し、コメントを付けて授業後に返却する。授業は講義、ディスカッション、講義をそれぞれ3分の1ずつの時間で行っている。つまり、ディスカッションを取り入れた講義科目の形である。履修学生は日本人と留学生が半々程度である。グループディスカッションについての評価が高く、留学生からは英語で友人ができるのが好評である。
英語の授業では日本人の授業内容理解度が低下するのではないかとの意見がある。しかし、日本語だとなんとなくでも受講できるが、英語だとそうはいかず、一から勉強する必要があり、学生の学習時間が増えた。
英語で授業を受けられるなら日本に来たい学生は確実にいるが、日本語が壁になっている。この試みは留学生を増やす意味でも重要である。
このあと質疑応答が行われた。
実地に即した、たいへん刺激的な講演であり、授業運営の上でヒントになることが多々含まれていた。参加者からも非常に評価が高く、参加して良かったとの意見が多く、好評であった。