日時:2017年2月15日(水)15:00-16:00
場所:80年館西棟6階コスモスホール
講師:Karen M. Bowely (Program Director at Showa Boston)
John C. McCarthy (Director of Curriculum at Showa Boston)
通訳:小西卓三(英語コミュニケーション学科教務部委員)
テーマ:Outcome-based Curriculum Design
共催:英語コミュニケーション学科、FD推進委員会
“Outcome-based curriculum”について講演するにあたり、まず、”Outcome”とは何かについて説明したい。”Outcome”とは、学生が学習を通して作り上げた成果のことであり、”Outcome-based curriculum” とは、教員がその成果をルーブリックに沿って同じ基準軸で評価することができるカリキュラムであり、それがこのカリキュラムの特徴である。
このカリキュラムのポイントは、5つある。第一に、学生が授業終了時までに何ができるようになっているべきかを事前に理解してそれを達成する努力をすること、教員は学生のレベルに合わせて達成可能は目標を立てることである。第二に、教員は、学生の成果を通しで学生が何を学んだかを理解し、それを共通基準で評価できるシステムを構築することである。第三に、学生のレベルにあった達成可能な目標を立てること、第四に、関連性、例えば、エッセイを書くに際して、エッセイ作成に必要な様々なステップが授業で学んだ内容を関連しているかを確認することである。最後に、学生が与えられた課題を完成させるのに十分な時間を取れるよう授業前に教員は計画をたてることである。
このカリキュラムの利点について説明する。このカリキュラムは”Best Practice”の考え方と一致しており、学生は学期末までに達成できることを考え学習することができる。授業で達成すべきこと、その評価基準を学生に示すことで、透明性を保つことができる。また、同一科目では異なるレベルのクラスであっても基本的に学ぶべき内容は同一である。例えば、引用の仕方など、基本的に抑えるべき知識をカバーするということである。同じクラスのセクション(例:ライティングのクラスでアドバンストクラスのセクションが5つある等)では同じ成果を求められるという一貫性を保つ必要がある。そして、こうしたカリキュラムを継続することで、実際のデータに基づいて今後の方針を決定することができるのである。
このカリキュラムを実行するにあたり、ボストンではFD活動として、専門家を招いて”outcome”について学び、教員同士が担当科目について真剣に意見交換して理解を共有している。また、認証評価者からの助言で、FD、プログラム開発、学生の達成度、カリキュラムという4つのコミッティを設けた。次に、学生に適した”outcome”(成果)をコミッティが中心となって作り上げ、教員および学生の評価システムを使用することとした。まに、教員採用に際しては、”outcome”を十分理解してもらうよう、”outcome”についての質問をする、シラバスのテンプレートに”outcome”に関する記載を明記することで、ボストン校の教育方針を徹底させている。
教員に”outcome-based”のカリキュラムを受け入れてもらうために、FDとしてサポートしている。また教員間のコンセンサスを取り、例えば授業がうまく運ばない場合は、教員間で話し合い、全員で変更すべき点を検討し必要に応じて変更している。学期末には教員は必ずミーティングに出席し、次年度に向けてのフィードバックを行っている。
最後に、このカリキュラムでは、学生と教員が互いにパートナーとして授業を進めていくことが大切であり、学生は教師が求めているもの、教員はどこに学生を導いていくべきかを理解することが大切である。
講演後は質疑応答も行われ、ボストン校と東京校でよい情報交換の場となった。
以上