2021年度FDサロン報告(2021年10月6日実施)

第1グループ
タイトル:「スキルツール 手軽にできるアクティブなオンライン授業への挑戦」
発題者:初等教育学科 白數哲久・現代教養学科 天笠邦一
司会:初等教育学科 白數哲久、記録:健康デザイン学科 黒谷佳代

今後、本学では対面授業に移行するが、Dタイプでの授業実施の可能性がある。第1部として、白數哲久先生より、iPadの活用について実演を交えながらご講演いただいた。初等教育学科では、iPadを購入し、学科教員に貸与している。iPadを用いると、1分あればZoomを立ち上げ、オンライン授業開始することができ、基本的なZoom機能を使用できる。iPadは様々な利点があり、Apple TVにiPadをワイヤレスで繋ぐことで、iPadの可動性が高まる。しかし、PCとの相性が良い機能もあるため、利点と欠点を考慮したデバイスの利用が必要であるとのこと。第2部では、天笠邦一先生より、ハイブリット型授業でのグループワークを「何とかする」方法について話題提供いただき、実演をしながら、参加者と事例共有を行った。また、板書を「何とかする」方法についても話題提供いただき、スマホの活用について紹介いただいた。参加者から、具体的なデバイスや使用方法について質問も活発にあり、今後の授業に活用できる有益な内容であった。

 

■第2グループ
タイトル:「オンライン授業で失われたもの」
発題者:日本語日本文学科 須永哲矢・笛木美佳
司会:日本語日本文学科 笛木美佳、記録:環境デザイン学科 下村久美子

はじめに笛木美佳先生から、本サロンの趣旨説明と、このテーマに至った経緯、話題としてオンライン授業で失われた「授業の合間」などの事例や、日本文学の立場から縦書きの踊り字から感じ取れる時間の流れや、音の響きは横書きでは難しいなどオンラインでのデメリット事例が紹介された。次に、須永哲矢先生から、オンラインでの表層的な「効果」への疑念と懸念や、形式・技術論に振り回されることによる質の低下、授業内容の伝達だけではない対面でこそ体感できる「何か」に大学の「学びの場」としての本来の意味があり、「場を共有」すること、「無駄」とも思える学生間の何気ない会話にこそ大切な学びがあるのではなどの話題が提供された。その後、参加者から、話題に対する感想やご自身の体験、懸念事項についての発言があり、盛会にて終了した。

 

■第3グループ
タイトル:オンライン授業における評価の在り方(zoom開催)
発題者:英語コミュニケーション学科 鈴木博雄
司会・記録:ビジネスデザイン学科 藥袋貴久

冒頭、鈴木博雄先生から、コロナ禍後の経験に基づき、オンライン授業における妥当性の高い課題や試験のあり方について、如何に考え対応してきたかの報告がなされた。まず、形成的評価(小テストや発問応答等)に相応しい課題について、オンライン下では、学生が日々履修コマ分の課題をこなす中、時間不足による不十分な解答が散見されたことを受け、例えば、定説とは異なる例外的な考え方を正とする主張を試みる設問など、「記述分量が少なく、考える時間が多い問題」を出題するよう工夫したところ、答案の質や学生の積極性向上に効果があった。次に、総括的評価に相応しい試験について、不正行為防止の観点からの客観試験の困難さや、ハイフレックス型で生じる学生側の異なる受験条件を考慮すると、レポートという手法以外に、形成的評価の場合と同じく「正解のない問題」を通じて受講生の独創性を問う試験にも意義が認められるとの提言がなされた。質疑応答の後、参加者を6グループにブレイクアウトして議論の時間を設けた。最後に、各グループ代表から全体に対して、参加者の見解や現場的課題、実践例が報告され、有益かつ豊富な情報交換の機会となった。