メディアリテラシーという言葉を知っていますか?

メディアリテラシーとはメディア(情報媒体)を活用する能力のことですが、メディアを使いこなし情報を健全に活用するためには、怪しい情報を見抜く力も必要です。怪しい情報を見抜く力を得るためには、怪しい情報を見抜いてみたり、逆に発信する側になってみる経験が役に立ちます。自分をだまそうとする彼らは、何を考えどのような手口を使ってくるのか考えてみるのです。

私の情報系の授業では、次のような設問をみんなで議論することがあります。

「これは某携帯メーカーからのメールを装った詐欺メール(本物)です。内容はメーカーのWebサイトとほとんど同じです。ちょっと見ただけでは偽物とはわかりません。では、このメールのどこが怪しいのかを当ててください。また、だまされるとどのような被害にあうのか予想しなさい」

「国内の犯罪組織が使っていたスイカやエディなどのICカードの情報を読み取る装置(スキマー)は、これまで4センチの距離までしか読みとれない製品でした。しかし最近外国から半径3メートルの範囲まで読みとれるハンディな装置が入ってきました。この装置を使った新しい犯罪を考えなさい。だいたい1日で100万円ぐらい荒稼ぎできます」

ちなみに、どちらの設問も今年の7月までにあった報道や事件を元にしています。いつもは教科書でコンピュータやインターネットの知識を勉強していることが多いのですが、たまに興味深い事例があると、みんなで考える授業に切り替わります。お楽しみに。

田中先生