[コラム] オープンデータと社会調査

今回、現代教養学科の有志でトラッキングデータコンテストの優秀賞を頂いたわけですが、実は、教員としては、ただ単にJリーグが好きだからという理由でコンテストに応募したわけではありません。(もちろん、大好きなのですが…笑)

「オープンデータ」という言葉を、このブログを読んでくださっている高校生のみなさんは聞いたことがあるでしょうか? これまで統計的なデータは、ごく一部の専門家の手によって分析され、結果のみを我々が知るというケースがほとんどでした。ですが、技術や環境の進歩により、センサーなどを活用し簡単に人の行動データの蓄積することや、インターネットを活用し、社会調査の分析前の膨大なデータを公開することが、より簡単に行えるようになってきています。

こうして広く一般に利用可能な形で公開されている統計利用可能なデータのことを「オープンデータ」と呼びます。こうしたオープンデータは、参加型の社会の一つの基盤とも考えられており、欧米ではデータジャーナリズムという、オープンデータの分析に基づいたジャーナリズムの形や、市民による政策立案のための分析なども盛んに行われています。

Jリーグトラッキングデータコンテストは、対象はサッカーの試合や選手ですが、まさにこのオープンデータの活用を問うものです。参加した学生にとっては、オープンデータに触れるとても身近な機会であり、データを使って現実をより豊かに理解するよいきっかけになったと思っています。

実は、今回のコンテストに参加した有志の4名のうち2名が、現代教養学科で履修可能な社会調査士資格関連の授業履修者でした。彼女たちの知識が、今回のコンテストのアイディアづくりにもとても役立っています。また、こうした社会調査士の資格を取得する中で得られる知識や分析能力は、オープンデータが一般化して、それが様々なビジネスの分析や、社会活動に使われる時代に必要不可欠な能力だと考えています。

現代教養学科では、社会調査士の資格を取得の機会を提供することはもちろんですが、、資格取得の中で身につけた知識のより実践的な活用を目指して、プロジェクト学習に取り組んでいきたいと考えています。

[A.K.]