【志摩ゼミ3年生】講演会「コロナ後の世界はどうなるか?」を聴いて感じたこと

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こんにちは、志摩ゼミ3年ゼミ長の堺ひなのです。
今回は、先日行われましたオンライン講演会「コロナ後の世界はどうなるか?」について、国際関係について学んでいる3年ゼミメンバー7名全員が意見・感想を交えて学科ブログに書かせて頂きます。6月8日の4年ゼミ生の白藪さんのブログでもご紹介されましたが、講師は、日本総合研究所国際戦略研究所理事長の田中均先生です。外務省での外交経験など、たくさんの興味深いお話を聴くことが出来ました。
その中でも特に印象的だったお話は、新型ウイルスのパンデミックは、それぞれの国や地域の政策や文化などによって、収束や蔓延が異なってくるというお話でした。感染者や死亡者が特に多い国や地域を見てみると、より人々の自由な思想などを尊重する国や地域が多いと思います。そこで思い出すのは、先日、アメリカにて小規模でしたが「マスクの着用義務」に対するデモが行われていた事です。彼らの主張は、マスクを着用するのもしないのも個人の自由である、というものでした。私たち日本人は、風邪をひいたら必ずマスクをつけたり、風邪をひいていなくても予防のために着用する風潮があります。ましてや今では、逆にマスクを着用していないと良くない注目を浴びてしまう時があります。もし日本でこのような義務化が進んだ場合、アメリカのようなデモが起きるかと言われれば、恐らく起きないのではないかと思います。マスクを着用する事によりウイルスから完全に身を守れるかということは分からないですが、このアメリカのデモの件は、新型ウイルスの収束や蔓延に関連しているのではないかと思い、またひとつ自分の中で考えるという力が身についたかと思います。
まだ日本でも完全に収束には向かっていませんが、「日本が世界のロールモデルに」という田中先生のお言葉を胸に、自分が出来る事を最大限にやりながら、しっかりと自分の身を守っていきたいと思います。

次は、白谷舞です。
今回の講演会で特に思うことがあったのはアメリカについてでした。アメリカはすぐ先の選挙といった近い未来しか見ていない、短期的な目でしか見ていないということは、田中のご著書『見えない戦争』(中公新書ラクレ、2019年)を読んだ際にもありました。しかし改めてこの話を伺って、アメリカファーストは、真の意味でのアメリカファーストではないのではないかと感じました。このように実際にお話を聞くと、本を読んでいた時には気づかなかったこと、新たな考えや意見が出てきました。
また、お話の中で、物事の本質を見ることが大事だとおっしゃっていました。世の中のことは知らないことばかりの無知な自分には新たに事実を知るのが手一杯なところがあります。普段の課題等でも「疑問を持つこと」や、「批判的にみること」はよく言われますが、それは十分に理解できていない部分もあったと思います。しかしこの自粛期間にオンライン授業を受けていると、普段より冷静に、じっくりと社会について考えてみることができていると感じます。物事の本質をみるということに段々と近づけている気がしています。
コロナウイルスの感染拡大によって、原則すべてオンラインでの講義となっていますが、このため通常より課題が重くなり、負担に感じる部分もありました。しかし、新たに何かを発見でき、また時間に追われていた時には出てこなかった内容に関する疑問が出てくるようになりました。大変ではある分、以前よりも多くの知識を身につける意識が高まったと思います。
今回の講演会では、事前に本を読み関連した知識を身につけて臨んだことで、非常に興味関心を持って聞くことができました。実際に国際社会の現場で仕事をされてきた方の意見は、豊かな知識や経験が含まれたものであり、非常に説得力がありました。多くを吸収することができたと思います。またこのような機会には積極的に関わりたいです。

次は、有馬瑞穂です。
コロナウイルスが世界中で感染が広がり、このような新しい生活が始まってから世界のコロナ対策などを考える機会がありましたが、今回の講演会では自分な中でもやもやしていた部分や、疑問に思っていた部分への考えの手助けとなるお話を聞けたと思います。
まず、私がコロナ後で起こるのではないかと疑問に思っていたことは、世界の社会主義化についてでした。日本のコロナ対策は「自粛要請」であり、それを破ったところで特に罰はありませんでした。中国では「信用スコア」などにより、常に政府に国民が「査定」されています。そういったことにより、社会主義国の方が感染症対策においては強制力があることで優位に立つことができ、今後社会主義化する国が多くなるのではないかと考えていました。また、EUでリーダーシップを取ってきた国々が甚大な被害を受けていることにより、社会主義への帰化が起こるのではないか。さらにコロナにより世界恐慌以来の不況に陥ると言われていることもそう考えた理由です。社会主義化とは言わなくても、何らかの監視社会になるのではないかと考えていました。例えば世界ではキャッシュレス化の風潮がありますが、電子マネーはどの人に渡りどこで使ったのかがわかります。それを監視するようになったら、ある程度その人の行動等がわかってしまいます。
田中先生のお話でも、このパンデミックでの被害は同じではなく、対策で頭出た国は今後の価値が変わってくるとお話されていました。社会主義国のベトナムでは死者数ゼロで、もう既にスポーツ観戦などの日常を取り戻しつつあります。やはり今後世界が社会主義化しない為には、日本が成功モデルになることが非常に大事であることがわかりました。
しかし日本の役割はコロナの成功モデルになり資本主義の立場を守ることだけではなく、米中関係の仲介をすることまでには、私は全く考えていませんでした。
よく考えたらわかることですが、今は世界的危機であり、どの国も全く無傷というわけにはいかず、他国に目を向けるよりも、どれだけ傷を負わずにこの状況を切り抜けるかが重要になってくると思います。このような状況では、これまでトランプ米大統領が掲げていた「アメリカファースト」に拍車がかかるのも当然であり、また大統領選挙があるため必然の結果であると考えます。一方中国ではコロナウイルス発生地として隠蔽疑惑まででており、賠償請求の訴訟が起こっていると報道されています。
アメリカにとっては急速に経済成長し、目障りであった中国をこのタイミングで経済的に打撃を与えて潰してしまいたいのだと思いますが、そうなってしまうと中国以外の国も被害を受けてしまいます。
今世界が置かれている状況は、コロナウイルスによって引き起こされた一朝一夕なものではなく、第二次世界大戦後作り上げてきた国際社会の集大成のように感じています。今後国際関係を学んでいく上で、「コロナ前後」で分かれるような、より良い社会への転換点になればよいなと思います。より良い社会を目指す上で田中先生が最後に仰っていた「もはや自国だけで生きていける社会ではない。長期的に見よ」という言葉が心に響きます。

次は、星名杏美です。
実際に国際社会の第一線で活躍されてきた田中先生のお話を聞くことができ、貴重な経験になりました。戦略的な考え方をもつ大切さについて最初にお話しがあり、情報を得て分析・評価することや、広い視野で物事をとらえるなど、今後学習していく中で意識していきたいと思いました。また、世の中の動きに敏感になり、状況は日々変化していくので、常にアンテナを張り巡らせることで、多くの情報を取り入れ、新たな発見や学びにつなげていきたいです。
コロナ後の世界はどうなるのかについては、国の分断や内向き傾向になるのではないかというお話がありました。コロナウイルスの感染が世界中で広がり、自国での被害を減らしたい、いち早く元の生活が送れるようにしたいなど、自国のことだけで精いっぱいになってしまうのは当然です。しかし、こんな状況だからこそ、自国のことだけでなく、他国にも目を向け、国際協力が必要不可欠であるとおっしゃっていたのが印象的でした。コロナウイルスの感染がここまで広がった理由にグローバル化がありますが、世界はつながっていることを改めて示された気がしました。また、社会主義国のコロナウイルスの感染被害が少ないことから、今後、世界は社会主義化するのではないかということも言われています。しかし、そうならないためにも日本が成功モデルとして世界に示すこと、そして、国際協力に向けて日本が先導していくことが重要だと分かりました。
今話題の米中対立についてのお話もあり、とても気になっている内容だったので、興味深く話を聞くことができました。田中先生のお話を聞くことで、自分がまだまだ浅いところまでしか見ていなかったことに気が付き、本質をとらえ、多角的に物事を見ることの大切さを改めて感じました。日本が米中関係の仲介として機能する必要があるなど、日本にとって決して無関係な問題ではないので、今後の動向にも注目していきたいです。そして、批判的にとらえることや、その問題に対して自分の意見や疑問を持つことなどを実践しながら、より深く国際関係を学んでいきたいと思います。

次は、椿森琴水です。
公演を拝聴し、米中対立、両国の亀裂が深まる中、その「中立」的役割ができるのは日本だけなのだなと改めて思いました。米中両国と程よい関係を築いてきた日本だから、中立的立場にたって話し合いの場を設けることができるのではないか、という田中先生の意見に思わず頷いてしまいました。
また、中国本土だけの問題だと思っていた香港問題・台湾問題も、事がさらに大きくなれば日本が一番被害を被るという、日本は国際情勢においてかなり「不利」な位置にいるのだなと感じました。そこに付随して、いま日本の貿易相手国として最大なのは、アメリカではなく中国ということにも驚きました。安倍首相は習近平よりトランプ米大統領とのほうが仲が良く、貿易の点でもアメリカを優遇していると思いこんでいただけに意外でした。
コロナの問題では、社会主義国であるベトナムはコロナ関連の死者が一人もいないという事を初めて知りました。アジア各国で感染が広まっているイメージがあっただけにこれも意外な気づきでした。
田中先生が繰り返しおっしゃっていた「物事を批判的に見る癖をつける」「自分のやることに確信をもつこと、確信がないものは中途半端になって失敗する」という2つのことを、胸に刻み、学んでいきたいと思います。

次は、柴田明香梨です。
まず今のコロナウイルスが流行している世の中で、より自由で放任された国ほど、致死率も高く経済回復も深刻な問題であるというお話でした。社会主義国ベトナムでは死者が一人もいなく、早期に中国からの入国を防ぎ、国境を閉じたことが大きいということでした。
現在、深刻な問題になっているのが国の分断です。アメリカでいうと、今のトランプ政権は国を分断することによって地位を確立しています。最近では、白人警官が黒人を殺してしまったというニュースが世界中で話題になっています。貧しい人や、マイノリティは医療確保が出来ず、多く亡くなってしまう世の中はあってはならないと強く感じました。
学生からの質問の中で、内需がある国が国際協力をするのは何故かという問いに対して、昔とは考えが変わってきているということを感じとりました。いくら自国で資源を調達することができても、産業の要であるITや金融は、諸外国との取引をベースに拡大していくものであり、自国にとどまっているだけでは成り立たないといいます。グローバルな社会である今、日本はアメリカの傘下で外交を進めるだけではいけないと思いました。日本の自由民主義体制を大切にしていくべきであると改めて感じました。