授業紹介【メディア・コミュニケーション論】元テレ東プロデューサーがヒットドラマの舞台裏を語る

現代教養学科3年の寺内です。 6月28日(金)の「メディア・コミュニケーション論」の授業では、昨年までテレビ東京でドラマのプロデューサーをされていた田淵俊彦さんにご講演いただきました。

今回のご講演では、テレビ業界の裏側について、仕事の面とプライベートの面、両方で話を聞くことができ、興味深かったです。

まず、ドラマがおよそ7年前から企画を立てることもあるということで、準備期間の長さに驚きました。

なぜテレビ業界に入ったかについては、大学の学部が法学部で弁護士を目指してた田淵さんが『テレビドラマが少年犯罪に与える影響』という研究がきっかけだったそうです。そのを聞いて、ちょっとしたきっかけで人生が大きく変わるのだと感じました。「好きなこと、興味のあることを突き詰めるべき」と田淵さんが仰っていて、とても印象的でした。

田淵さんはテレビ東京に入社してから、37年間番組制作に携わり続けていました。テレビ業界では、数年に1回は、別の部署に異動となることが一般的と言われていますが、田淵さんはその異動がないまま、番組制作を続けていた異色の経歴だそうです。特に入社2年目でジャニ担になり、SMAPに宿題を教えていたという話は、まさにテレビ業界の裏話で、裏側を知る田淵さんならではのお話だと思いました。

テレビ局三種の神器として、(1)企画書(2)予算書(3)番組フォーマットが大事だと学びました。企画書はドラマ『弁護士ソドム』のものを見せてもらいましたが、細かく内容が詰められていたため、圧倒されました。その中で驚いたのは、企画書のタイトルと完成した時のタイトルが違うことです。それだけタイトルにこだわりを持って取り組まれているのだと感じました。

さらに、ヒットするか、しないかの差は、企画意図にあり、なぜ今この番組をやるのか?この番組で何を伝えたいか?という作り手の想いや意志が大事であることを知りました。

田淵さんの講演を聞いて、テレビ業界の貴重な裏側を知ることができたということだけではなく、そこにはこれからの私たちに向けたメッセージも込められていると感じました。人に何かを伝えたいとき、私はなぜこれを伝えたいのか意図を明確にすることは、今後も心掛けていきたいです。また、就職先を考えるときや、この先やりたいことを考えるとき、自分の「好き」や「面白い」と思う気持ちを大切にしたいと感じました。

田淵さん、この度はご講演いただき、ありがとうございました!