【国際社会調査研修 ソウル編(9)】研修4日目―韓国の学生とフィールドワーク&ディスカッションを実施!

こんにちは!現代教養学科3年の水野真結です。
今回は、国際社会調査研修4日目(8月28日)の模様をご紹介します。

4日目は誠信女子大学校と高麗大学校を訪問し、人との出会いに恵まれた一日でした。まちあるきフィールドワークやディスカッションでは新たな知見を得られたうえ、一緒にさまざまな場所を歩いたり食事をとったりする中で韓国の学生と親睦を深めることができました。

★前回の投稿は こちら からご覧ください!


まちあるきフィールドワーク in大学路

8月28日の朝、まず向かったのはソウル特別市城北区に位置する誠信女子大学校です。自己紹介等を終えた後、誠信女子大の皆さんと共にフィールドワークを実施しました。舞台は大学路(テハンノ)で、ミッションは「ソウル/大学路らしさ」を独自の視点から発見すること。両大学の学生から成るグループをつくり、班ごとにテーマを決めて大学路の街並みを観察しました。

私の班は「赤レンガ」をテーマにしました。大学路を歩いていると、赤レンガでできた建物や道路が頻繁に目に入るためです。その理由として、韓国を代表する建築家キム・スグンの影響を受けていることや、比較的地震の少ない韓国では赤レンガが導入されやすかったことなどが背景にあると考えられています。

フィールドワーク中に昼食もいただきました(写真右下)。偶然にも韓国料理・和食・洋食が揃ったことに興奮しながら撮った1枚です。昼食中には、両国の文化の話に花を咲かせました。中でも「日本の優しさは『心』で、韓国の優しさは『行動』な気がする」という意見に、私のテーブルは「たしかに~!」と大盛り上がり。楽しい時間を過ごすことができました。

フィールドワーク終了後にはすべてのグループが集まり、班ごとに ①テーマ ②フィールドワーク中に撮影した写真の紹介 ③日本人/来訪者の視点から発見した「ソウル/大学路らしさ」 ④韓国人/現地人の視点から再発見した「ソウル/大学路らしさ」の4点を発表しました。

大学路同様に劇場が多く集まる東京・下北沢の街並みを取り上げて大学路と比較した班や、来訪者にとっての「韓国らしさ」の象徴とも言える「韓国ドラマ」のロケ地を巡った班など、それぞれ個性豊かなテーマを設定していました。何に焦点を当てるかによって調査の内容は大きく異なり、どの班の発表も興味深かったです。今後、今回の調査で撮影した写真を地図にマッピングし、アウトプットに活用する予定です。

〈学生の感想〉

昭和女子大生
「一見日本と似ているように見えても、韓国ならではの特徴が確かにあることを実感した」
「いろんなモノに対してアンテナを張りながら街並みを見ていると、『なんでこうなってるんだろう?』という気持ちがたくさん湧いてきた。そうした疑問をメンバーと共有するのが楽しかった」

誠信女子大生
「ただそこにあるだけだった身近な場所について、会話を通じて自分ももっと知ることができた」
「始まる前は『普通の街なのに大丈夫かな』と思っていたけれど、日本の皆さんが面白いと言っているのを見て、自分の見方も変わった」

地域格差と若者の意識に関するディスカッション

誠信女子大学校の皆さんとお別れし、向かった先は高麗大学校。まるでお城のような外観に驚きが隠せません。ここでは高麗大の皆さんと一緒に「地域格差と若者の意識」に関するディスカッションを行いました。

韓国と日本の両国が抱える社会問題の一つに、都市への一極集中現象があります。本現象はさまざまな都市問題や地方衰退の元凶として知られています。首都のソウル・東京の大学に通う若者としてこの問題に向き合い、意見交換をしました。

ディスカッションは計4つのグループに分かれて進められました。私の班では、はじめにお互いの出身地を聞いた後、現在通う大学への進学を決めた理由や、進学先を決める際に都市の大学であることをどれくらい意識したかについて一人ずつ話していきました。

韓国には「インソウル」という言葉があります。これはソウル特別市内にキャンパスがある大学を指す言葉で、韓国の多くの若者は「インソウル」の大学を目指します。

その理由を高麗大の皆さんに聞いたところ、さまざまな答えが返ってきました。「ソウルの良い大学に進むことが親にとっても世間にとっても良い」「雇用も文化芸術もソウルに集まる。田舎では趣味すら楽しめない」「将来どこで暮らすかを考えたとき、ソウル以外は考えられなかった。理由は分からない」。どの言葉からも、社会に根付いた強い首都圏志向が伺えます。また、厳しい学歴社会とも呼ばれる韓国の進学事情の一端を垣間見ることができました。

ディスカッションの終盤は、お互いの趣味について熱く語り合いました。日本のアニメや漫画、アイドルを好きな人が多く、中には「推し」が同じ人を見つけて盛り上がる学生たちの姿もありました。趣味は国境を超えて人をつなぐものであると実感しました。

高麗大の学生との楽しいひととき

ディスカッション終了後には、高麗大の皆さんにキャンパスを案内してもらいました。ハリーポッターの世界のような広大で美しいキャンパスに、思わず感嘆の声が漏れます。写真を撮る手も止まりません。

この日の夜ご飯は、高麗大の皆さんと一緒に【전골】ジョンゴルをいただきました。夕食後も、ディスカッション時のグループのメンバーみんなで「The Coffee Bean & Tea Leaf(韓国のコーヒーチェーン店。通称コーヒービーン)」に行き、引き続き会話を楽しみました。韓国の若者の定番の遊び方は、ご飯を食べた後にコーヒーショップへ行き、コーヒーを飲みながらおしゃべりすることなんだとか……。

韓国の学生との間に新たな人間関係を築けたことは、今回の研修での大きな実りだと感じています。韓国という国が単なる「外国」ではなくなり、異文化への関心が高まるきっかけになりました。
誠信女子大学校、高麗大学校の皆さん、本当にありがとうございました!

記事:3年 水野真結