こんにちは!現代教養学科3年の富所遥香です。
11月6日(木)の「ワークショップ技法(担当:見山謙一郎教授)」で、東京大学大学院教育学研究科附属海洋教育センター特任講師の田口康大さんと、映像作家・映画監督の福原悠介さんにお越しいただき、「対話インタビューワークショップ」を体験しました。

対話インタビューワークショップとは、二人一組が向き合い語り合う様子を、二台のビデオカメラで撮影・編集して「対話の記録」を作るワークショップです。授業では、まず始めに、2人で向き合って対話するというシンプルな活動から始まりました。実際やってみると、普段の会話よりも相手の正面に向き合うことで、自分の気持ちを話しやすいことに気が付きました。


その後、代表者2人×3組が実際にカメラで撮影しながら対話を行いました。私もその中の1人として実際に体験させていただきました。カメラで撮影されているという緊張感の中、最初は少し恥ずかしさもありましたが、対話の相手としっかり向かい合って話すうちに、自然と心が開くような感覚がありました。机という障害物のない空間で椅子に座って向かい合うというのは、日常ではあまりない状況です。その空間で話すことで、相手との距離感が縮まるとともに、2人だけの温かい空間が生まれていることに気づきました。すると不思議なことに、自分の気持ちを素直に話すことが出来るようになり、相手のことをもっと知りたいと思うようになりました。

このワークショップで特に印象的だったのは、対話の様子を動画で撮影した後、動画を見ながらみんなと振り返りを行ったことです。普段、自分では気づけないような動作の癖や、話すときの姿勢などを客観的に見ることができ、自分が今後話す際に意識すべきことを学ぶことが出来ました。動画をみんなで見返すことは少し恥ずかしかったのですが、それは自分が変わろうとしているからこそ生まれる前向きな感情なのだと気が付きました。

また、ワークショップ企画者である田口さん、福原さんが対話中にも終始柔らかい表情で話かけてくださったおかげで、安心して参加することができました。参加者一人ひとりが心理的安全性を保ちながら、変化できるような状況を作ることが、ワークショップを企画する上でとても重要なことだと学ぶことが出来ました。
今回の授業を通して学んだことは、対話は単に言葉を交わすことではなく、相手と向き合う中で自分自身も変化していく過程なのだということです。カメラ越しに、そして相手とのまっすぐな対話の中で、自分と向き合う時間を持てたことが大きな学びとなりました。今後、自分が授業でワークショップを企画していく際には、参加者一人ひとりの気づきを引き出し、意見を言いやすい雰囲気づくりを大切にしたいと思います。
さらに、ワークショップを通して「対話とともに自分自身が変化しようとしていることに気づいて欲しい」、という意図がこの授業にはあったのではないかと感じました。ワークショップとは、参加者に変化を促す場であり、変わろうとしている自分に気づくことこそが学びであるという気づきを得ました。2人で向き合い、その様子を撮影するという空間をつくり出すことで、相手と、そして自分自身と正面から向き合えるようになり、自然と心を開いていく自分に気づけるように設計されていたのだと思います。カメラで撮られることには緊張が伴いますが、その恥ずかしさこそが変化に向き合う体験で、「変わること」そのものを実感させることが今回のワークショップの目的だったのではないかと感じました。
今回、貴重な学びと体験をさせていただいた、田口さん、福原さんに心より感謝申し上げます。
以上