押谷由夫先生公開講演会(2023年8月26日)
8月26日(土)午後に、本学のコスモスホールで、押谷由夫先生公開講演会を開催しました。対面参加とオンライン参加を併用したフレックス形式として、合わせて約80名が参加されました。
押谷先生は研究所の創設者であり、初代所長を務められ、現在は武庫川女子大学大学院教授です。道徳教育研究の第一人者で、「特別の教科である道徳」の設置で主導的役割を果たされました。
今回の講演会は、研究所創設10年を迎えると同時に、新学習指導要領への移行がほぼ終わった時期に際して、これからの教育について、押谷先生のお話を伺うことを目的に開催しました。
講演のテーマは「これからの社会を心豊かに生きる子どもたちを育てる -VUCAな時代を生き抜く道徳力を育む-」でした。
お話では、新学習指導要領や、中教審答申「『令和の日本型教育』の構築を目指して」、第4期教育振興基本計画、経済産業省「未来の教室」、OECD「ラーニング・コンパス」などで示されている教育の方向性がまとめられた上で、押谷先生の道徳教育の構想が語られました。それは「生命の教育」から出発し、「自然」「崇高なもの」との出会いを経て、地域や社会の課題へ協働的に取り組む姿勢を育成する。という極めて体系的な内容でした。
同時に、道徳教育の視点から、各教科の内容、そして「人間観」「指導観」「評価観」を見直すことで、教育本来のあり方が見えてくると指摘されました。
これまで断片的には知っていたことが整理され、その上で、まさに「押谷道徳教育学」の体系に触れることができました。
およそ2時間にわたるご講演でしたが、それぞれの参加者にとって、大変貴重で示唆的なお話になったと思います。
講演後には、ささやかな交流会を設け、親睦を深めました。
(友野清文)